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月明かり










51
 私の魂(たましい)は身体を抜け、どこか遠くの世界を彷徨(さまよ)っていた。
 私が感じるのは、どこか遠い昔に嗅いだ事のある懐かしい匂いだけだった。
 恵は “死に体”となった私の身体を強く抱き締め震えている。
 『あなた  ごめんなさい、  あなた ごめんなさい』・・・そんな言葉を何度も吐きながら。


 私が求めていたものは何だったのか?
 ごく有り触れた小さな幸せ・・・・尊いもの。
 私には人の命を絶つほどの凶器もなく、だからと言って人の命を救うほどの力も無い・・・。
 そんな私が望んでいたものは・・・どこにでもある平凡な幸せ・・・・。


 それは・・・・。
 恵も・・。
 恵も・・・同じだったはず・・・。


 鼻の先に懐かしい香りが漂っている・・。
 私の指先が、覚えのある肌触りを感じていた・・・。
 指先にゆっくり血が通い始める。
 自分の息遣い・・・恵の小さな呼吸・・・確かな鼓動を思い出していた。


 私の両腕に力が込もる。
 細い身体がギュッと強張るのがわかった。
 私を抱きしめる恵の腕にも、更なる力が加わっていく・・。
 私の胸に顔を擦(こす)りつけながら、恵がゆっくり顔を上げる・・。
 私の瞳の先に可愛らしい唇が映り出す・・。
 唇と唇が近づこうとする・・・。


 唇の先が恵に触れようとした時だった。
 私の腕が恵の背中をグッと掴んでいた。
 恵の身体に小さな緊張が走る・・・・・。
 その瞬間・・・・。


 私は恵の身体を引き釣り上げるように立ち上がり、恵の肉を鷲づかみにしながらくるりと組み伏せるようにベットに押し倒していた。
 一瞬のうちにベットに這い蹲(つくば)る恵の背中が目に映る。


 驚きながら振り向こうとする恵の首根っこを、上から押さえつけた。
 恵の自由を奪うように、ガウンの裾(すそ)を一気に捲り上げる。
 見覚えのある大きな膨らみ・・・それを包み込む水色のショーツが目に入ってきた。


 私は体重を掛ける様にのし掛かりながらショーツに手を掛け、力いっぱいそれを引き裂いた。
 あっ ・・・ そんな声を発する間もなく、私は目の前の膨らみに力を加える。
 肉の塊を引き裂くように、捏(こ)ねるように、荒々しく。


 もがく恵を片手で押さえつけ、もう片方の手でその尻を打ちながら、肉を引き裂いた。
 赤味を帯びるその双璧を見ながら、その割れ目に己の指を突き刺した。
 いっ ・・・ そんな声が、今度は確かに上がった。
 穴の奥に、指の先にほんの少しだけ滑(ぬめ)りを感じる・・・。
 私はこれでもかと、抜き差しを始めた。


 ううっ ・・・ と言う声の上がった下顎(したあご)を片手で掴み、片方の2本の指の出し入れを更に激しくした。
 私の中で何かが切れていた・・・。
 あの高校1年の夏 教室で同級生を殴りつけていた。
 あの舞台の上で波多野に跨(またが)り、奴を殴りつけていた。
 そして 今 妻に覆いかぶさり・・・・。


 私は抜き差しを続けながら、自分のズボンのベルトに手を掛ける。
 手際よく降ろせないのがもどかしい・・・私は強引に自分のパンツを脱ぎ去った。
 恵が恐々後ろを振り向こうとする。
 えっ ・・・ その声が上がる前に、2本の指に更なる力を加えた。


 恵の口から官能の声が溢れ出ようとする。
 その口を自らの意思で閉じようと手をあてる恵。


 「ほら! 聞かせてやれよ・・・病院じゅうに」
 涙腺を噛み締めた精一杯の私の声。


 「恵はこう言うのが好きなんだろ」
 自分でも信じられないような言葉。


 悲しそうに目を閉じる恵。
 私はもう一度 恵の尻肉を打ち付ける。
 その悲しみの表情(かお)を歓喜に変えたかったのか・・・。


 私は指を一旦抜くと、恵のガウンを乱暴に引き取った。
 シャツを脱がし、ショーツとおそろいの水色のブラジャーを荒々しく引き裂く。
 そして恵の細い腰を掴み強引に立ち上がらせる。


 下半身に冷んやりした風を感じる・・・しかし 私の股間の物はいきりたっていた。
 私は恵の喉元を締めるように引き寄せ、片方の手で己の塊の根元を掴んでいた。
 私は一気に塊(かたまり)を突き刺した。


 おお・・・・ 、呻く恵。
 私は荒々しく打ちつける。
 静まり返る病室に肉と肉がぶつかり合う音と音だけが響きわたる。


 「・・・どうだ・・・恵・・・どうなんだ」
 (・・・・・・・・・・・)
 恥じているのか?・・・・・手を口に当て、漏れを塞ごうとする恵。
 その仕草が更に私をサディスティックにした。


 私の手が恵の胸の膨らみの先に向かう。
 「恵・・・お前は こういうのが良いんだろ・・・えっ どうなんだ?」


 私の悲しみと戸惑いの混ざった声に、恵が目尻を震わせ首を振ろうとする。
 私は更に下半身に力を加える。


 「あっ ああああ・・・・・いっ いいいいい・・・・・」
 私の物が更に誇張する。


 「ほらっ・・この淫乱女が・・・」
 「あっあああ・・・・あ な た・・・ごめん・・なさ・・・い ・・・・」


 私は腰を振りながら窓のカーテンに手をやった。










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