49 私はシャツの胸元のボタンを一つ外し、イスに座り直した。 「道尾は私から見てもスランプのように見えました・・・それで波多野さんにゴーストライターの様な事をさせようとしたんです・・・・・・でも、波多野さんの書く作品に道尾は納得しなかったようです・・・」 「そうか・・・恵は道尾の小説を読んだりしていたのか?」 「はい、一緒に食事をするようになった頃から過去の物とか、ヒットした物とか・・・・結婚してからは新作は一応全て読みました・・・」 「・・か 感想は?」 「・・・はい。 初期の物は少しメルヘンチックと言う感じでしたが・・・・後半に書かれた物は・・その・・ドギツイと言いますか・・・なかなか女性には読み辛い物だと思いました・・」 そのドギツイ作品に登場したであろう何人もの女達・・・。 恵はそれらの本を読んで、やはり自分の姿を重ね合わせたのか? 「あなた・・・・」 「・・・・・・・・・」 恵の瞳が静かに私を捉えている。 恵の告白に起承転結があるならば、今がクライマックスの入り口だろうか? 「道尾は私生活も荒れ始め、納得いく作品が書けない為 信じられない事を始めたんです」 「うっ・・・・・そ それは・・・・」 「・・・はい、・・・・・あなた・・私は素直に・・話し・・・ます・・。 そ それで・・・私の・・してきた事を全て・・・知って頂き・・・ます」 いつしか恵の言葉の節々に涙が混ざっていた。 知りたい・・・知らなければ・・・・でも・・・。 私が望んだ事だった・・・はず。 気後れした私の口が微かに開く。 もう、いいよ・・・・その言葉を吐き出そうとするその前に、恵の口から言葉達が溢れ出た。 「道尾は織田を真似てロープで私を縛るようになったんです・・・再び織田の元に私を連れて行き、2人で私を甚振ったんです。その時 私はいつかの快楽を思い出してしまたんです・・・。結婚してからの夫婦生活はノーマルだったと思います・・・。でも 私はどこかで満足できない身体になっていたんです。2人に責められ涙を流しながらも・・・よ 悦(よろこん)だので・・す・・・。夫の執筆の為、アイデアの為、手助けの為、そんな風に自分を納得させながら私は、自分が嘘つきだと分かっていました・・・」 「け・・け い・・・」 「私も望んでたのです・・・私は縛られ、打たれ、性具を使われ、恥ずかしめられて感じる マ マゾ・・・だったんです・・・・・・・。け 結婚しながらも他の男に破廉恥な様子を見られて悦(よろこ)ぶ女・・・だったんです・・・」 「けい・・・や 止め・・・」 「いえ、聞いてください!・・・。その頃は道尾は極度のスランプから ふ 不能者になっていたんです」 (!!ーーーー) 「ある時 道尾が私に言ったんです・・・『俺の前で波多野と・・・・オ オマン・・・オマンコしてくれ』ってーーーー」 「ああーーーーけ け け・・い」 「わ 私・・又 夫の為だと・・・自分にウソを・・・つきました・・・・。み 道尾の前で・・・・は 波多野さんと×××××××××・・それで また・・・か 感じてしまった・・・・ん・・」 「あ・・も もう いい・・・」 「あなた・・・あなた・・・あなた・・・もっと もっと 聞いてください・・ 私がどんな女かを・・知って下さいーーー」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 私の息の根を止めんとばかりに、まだまだ恵の口から言葉が津波のように押し寄せてくる。 私は・・・何とかそれを受け止めようと踏ん張ろうとした・・・・。 「道尾は執筆の為 不能な為・・・でも わ わたしは・・・夫の言葉を言い訳に・・・・よ 悦(よろこ)んで色んな・・・こ 行為を・・・受け入れ・たんで・・す・・」 「や・・止めて・・・く・・れ・・・」 「ある時には、は 裸で縛られ・・・コート一枚だけを着て・・・屋外で見世物にされ・・・・アソコを・・・・濡らした事も・・・あったんで・・す・・・」 「あ・・あ・・・・・も う・・・」 「あなたと20年ぶりの再会をした時・・・わ わたしの和服の下は・・・な 縄で・・縛られて・・いたんです・・・・。こ 高校時代の憧れの人の前で・・・わ わたしは・・・気が狂いそうだったんです・・・・。あなたの変らない優しそうな・・・その・・目の前で・・・私だけ・・・・」 (!!!ーーーーーーーーー) 「あの後 控え室で道尾が・・私を責めるんです・・・・・。『憧れの先輩の前で・・・オ オマンコ・・・濡らした・・だろ』って・・・・。『あの場で・・・服を捲くってやれば 良かったな』って・・・・。そして・・・私 その言葉を聞きながら・・・道尾の・・・物を・・・い 一生懸命・・・おしゃぶり・・・したんです・・・。 和服の裾を捲くって・・・・お尻を丸出しにして・・・ウンチングスタイルで・・・・いっぱい・・いっぱい・・・・道尾の硬くならない物を・・・しゃぶったん・・・・」 「ああーーーーーーーーーー」 (・・・・・・・・・・) 「わーーーーーーーーーー」 恵の言葉たちは涙になった。 私は・・・・・・。 私はただ・・・目の前で泣き崩れる女を見続けるだけだった・・・・・。 |