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月明かり










19
 私の股間の硬くなった物が、一定のリズムで2つの双璧の間にぶつかっていた。
 そのリズムはいつもと違う、荒々しいものだ。
 初めてする夫婦の形。
 下半身だけを晒しあう二人・・・。
 夜のキッチン・・・。
 立ったまま・・・。
 それは私にとってはサディスティックな形だった。


 溜まった熱を、ただ放出だけしようとしているのか。
 それとも自分のメスが、他の何処かのオスに浚(さらわ)れようとする危機を本能的に察知したのか。
 

 私の両手が、細い腰から胸の膨らみの先の固くなった突起の大きさを確認すると、一気にそこに力を加えた。
 「あん・・痛い!」
 それまでくぐもっていたその声が、叫びに変わる。
 私はその突起を捏(こ)ねると、もう一度力を加え、加えながら腰のぶつかりにも力を入れる。
 

 「あああ・・・・・そんな・・ああ・・いい・・・・」
 (・・・・・・・・・・)


 下半身の高鳴りに連れ、乳房の先を摘む指に更に力を加えた。
 「ああ~ いい~・・ああ・・・あなた “まで”・・・」


 「!・・・」
 その時 私の中で何かが通り過ぎた。
 それからしばらく、抜き差しを続けた股間から力が抜けていく。
 恵のそれまでの息遣いが少しずつ小さくなり、私の物が滑り落ちるようにすり抜けた。

 
 あなたまで・・・“まで”・・・・“まで”・・・。
 立ちすくむ私を、恵の朦朧(もうろう)とした瞳が見つめていた。




 寝室に入った私は、ベットに横になりカーテンの隙間から夜空を見上げた。
 今夜は綺麗な月明かりを見る事が出来ない。


 トントン ・・・  優しいノックの音が聞える。
 可愛らしいパジャマを着た恵が顔を出す。


 「あなた、まだ体調が戻ってないみたい。さっき 風邪の匂いがしましたよ」
 そう言って頬を赤くして微笑む妻。


 「良くなるまで、まだしばらく寝室は別にしましょう」
 黙ったまま瞬きをする私を見て、恵が部屋を後にする。


 あなた “まで” ・・・“まで”・・。
 その言葉が呪文のように残っていた。




 土曜日、日曜日をずっとベットで・・・寝室で過ごした私。
 体調が悪かった訳じゃない。
 体の調子は、とっくに戻っていた。
 ただ・・・心が・・・・。


 月曜日。
 いつもの満員電車に揺られながら考える事。
 恵・・・・。


 “あなたまで・・・”。
 決して私の聞き間違いではない。
 おそらく無意識のうちに吐き出された言葉。


 私たち夫婦の形・・・。
 恵を初めて抱いてから結婚してこれまで、私達の交わりは世間一般で言うノーマルだ。
 性に関する興味や知識は、昔から今もそれなりにある。
 まして今では、それらの情報が簡単に手に入る時代であり、環境だ。
 電車の中の週刊誌の中吊り、街中の看板、そしてネット検索。
 広告業界で働く私が驚く程、その位垣根を飛び越えて入ってくる情報。
 そしてそれから生まれる妄想・・。


 道尾圭介(みちお けいすけ)・・・突然 その名前が頭に浮かぶ。
 我が妻 恵の前の夫。


 『~あの作家(せんせい)が売れるようになったんは、登場する女性の描写の仕方が変わってきてからやな・・・』
 いつかの塩田の言った言葉が頭に付く。


 それまで 純愛物を書きながら全く売れなかった作家。
 それが・・・。
 中年夫婦の “不倫”  “浮気”  “性愛”  “交換” そんなジャンルに変わる事によって売れ出した作家。
 そして、小説の中で表現される歪(ゆが)んだ形・・・・・“アブノーマル”  “サディスティック”・・。


 『どっかにモデルがおったのかも・・』
 以前聞いた塩田の言葉が、今になって蘇る。
 まさか・・・。


 その日の夕方。
 一日の仕事のまとめに入る私。
 今夜はあのクラブ・・。
 道尾圭介の元妻 京子がオーナーを務めるという六本木のあのクラブ『One`s Desire』


 塩田が仕入れてくれた情報。
 今夜そこに波多野が来る。
 その男を目の前にして私はどうするのだ。
 仕事のように商談ストーリーが思いつかない私。


 成る様にしかならないのか。
 まさか命のやり取りにはならないだろ・・・・いや そうじゃない、そうじゃないんだ。
 いつだって可能性の無いものは無い。
 私が部下によく言う言葉ではないか。


 心配するに越した事は無い。
 唇を噛み締め、携帯電話を手に取りメールを打つ。


 恵に。
 《今夜は遅くなる、先に寝てくれ。身体は大丈夫》










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