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月明かり










16
 私の体調も元に戻りつつ、明日は金曜日。
 恵の携帯電話を覗いた事に自己嫌悪に陥(おちい)りながら、この2,3日を過ごす。
 

 私は心配性のちっぽけな男か。
 聞いてみればよいのじゃないか、 明日の金曜日は何処かに出かけるのかい?
 そして ついでに・・・・。
 昔 ヌードモデルをした事があるかい?
 波多野って男の前で裸を曝(さら)け出した事があるのかい?


 「部長 よろしいですか」
 「へっ!」
 若い部下の声に、デスクで我に返る。


 「なんだか顔が強張ってますよ・・」
 「わ 悪い・・、考え事をしてたよ・・」
 一瞬首筋に冷や汗が流れるような感じがして、小さく唾を飲み込む。
 喉に少しだけ違和感が残っている。


 「うん、それでどうしたんだ」
 「はい。明日の午後の打ち合わせの件ですが、先程連絡がありまして、先方の都合で延期してほしいとの事なんです。・・・それで次ぎの打ち合わせの日程ですが・・・・」


 部下の続きの言葉は何処かの遠い声だった。
 明日の午後は・・・・。


 「部長・・部長・・」
 「あっ ああ 聞いてる 聞いてる」
 部下の心配そうな、それでいて悪戯っぽい顔が覗いている。


 「部長、まだ具合が悪いんじゃないですか。。。今週はそれ程忙しくありませんから、もう少しお休みになられれば。。。。後は僕達でやりますので」
 「ん んん、でも そういう訳にもいかんだろ。俺が休むとお前達、羽を伸ばすからな」


 「あは 分かっちゃいました?」
 笑いながらペコリと頭を下げ、部下が私の前から離れていく。
 私は明るいココの社風が好きだった。
 ここじゃ 暗い顔はできないな。
 気を入れなおして机に向った。




 やっぱり私は姑息なちっぽけな男だった。
 金曜日。
 前日の夜から、いや 携帯電話を覗いた時から、恵の様子をつぶさに観察する私がいた・・・それでいて何も問いただせない私。
 その日 私は部下に一声かけると早めの昼食をとり、Y駅へと向った。


 駅に行ってどうするのだ。
 あの広い駅の構内で恵を見つける事ができると思っているのか。
 分かっている事は、2時 東口。


 恵を見つけたとしてどうするのだ。
 声を掛けるのか。
 もし男と一緒だったら、どうするのだ。
 その男が波多野だったら・・・・。


 私を乗せた電車がスピードをおとし、駅のホームに着く。
 それなりの大きさのその駅は、平日の昼間でも賑わいを魅せている。
 時折 冷たい風が通り抜け、いつの間にか厚手の上着を羽織る人の数が増えている。
 確実に冬が近づいている。
 人の波を避け、改札口の見える壁に背中を付ける。


 もし恵に見つかったら何て言うのだ?
 たまたま仕事で来たんだ・・・そんな言い訳を先に考えている情けない男がいる。
 駅の時計は2時5分前。


 それからどれ位、そこの冷たい壁にもたれたまま時間を過ごしたか。
気づけば、時計の針は2時30分。


 どうせこんな事だろ。
 自虐的に自分に声を掛け、その場を歩き出す。
 

 「寒いな 熱いコーヒーでも飲んで戻ろう」
 一人言が口につき、目に留まっていた駅の構内の端にある、ファーストフードの店に向った。
 


 ごった返す店内で安いコーヒーを買い、カウンター席に空きを見つけそこに座る。
 両隣の人に気を使いながらカップに口を付けた。
 (メールをしてみよう)
 私は胸ポケットに手をやった。


 「・・覚えてるでしょ・・・×××じゃ ないですか・・・×××が・・」
 「・・・いえ・・・・・そんな事は・・・・」


 「でも×××は、×××正直ですよね」
 「・・・そんな事は・・・・・・ありま・・」
 その時 背中にいきなり、緊張が走った。


 恵だ!










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