日本被団協が会見 ノーベル賞受賞のいきさつ明かす

ノーベル平和賞を受賞した日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の田中※煕巳代表委員たちが帰国してから初めてとなる会見に出席し、ノーベル委員会から当初はことしではなく、来年の受賞を検討していたことを伝えられたと明かしたうえで、原爆投下から80年となる来年に向けて若者たちに運動への参加を呼びかけました。

12月10日にノーベル平和賞を受賞した日本被団協の田中※煕巳代表委員と、いずれも事務局次長の児玉三智子さんと濱住治郎さんは、24日、日本記者クラブで開かれた会見に出席しました。

田中さんは、授賞式のあと、ノーベル委員会との食事の場でフリードネス委員長から「来年受賞させようかと思っていたが、来年の運動のためにはことし受賞してもらい、世論を大きくしてほしいという思いがあったと伝えられた」と述べ、今回の受賞のいきさつを明かしました。

そのうえで「80年という時期を大事にしてもっと大きな運動にしていきたい。受賞にあたっては、若い人たちにも被爆者がやってきたことを受け継いで『核のタブー』が壊されることなくより強固にしてほしいという思いがあったと思うので、ぜひ私たちの運動に協力してほしい」と呼びかけました。

また、授賞式の演説で、原爆の犠牲者に対して日本政府による補償が行われていないことを2度にわたって言及したことについて「民主主義の国家と国民は対等な関係であるはずなのに、戦争の犠牲は国民が受忍しなければいけないというのは間違っており、それが世界にはびこっているという思いが頭に浮かび、世界に向けて戦争を作らないようにという思いを込めたことばだった」と述べました。

※「煕」は臣の「コ」が「口」

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