プロ野球26年ぶり日本一誇りに 横浜DeNAゲームアナリスト・飯塚悟史さん(28、上越市出身) 相手分析し特徴伝え 選手のプレー、チームの勝利へ
プロ野球(NPB)横浜DeNAベイスターズの26年ぶり日本一に裏方として貢献した上越市出身の飯塚悟史さん(28、直江津中―日本文理高出)が、日本一の思いや、現在の任務であるゲームアナリストのやりがいなどを語った。選手としてプレーした球団に、引退した後もスタッフとして残り、チームの躍進を支えている。
―日本シリーズを制覇し、26年ぶりの日本一の思いは。
プレーヤーとして経験してみたかったというのはあるが、縁があってこういう仕事をさせてもらって、人生で何回できるか分からないような日本一を経験できたのはうれしいし、誇らしい。レギュラーシーズンは3位で終わって、そこからCS(クライマックスシリーズ)、日本シリーズと何かチームが変わったかのように勢いがついていった。結果が全てなので、1年やってきたことが報われた瞬間だった。
―ゲームアナリストの役割は。
僕は対戦相手の打者を分析して自チームのピッチャー、キャッチャーに相手打者の特徴を伝えることが主な仕事。見たことも大事だが、データをうまく混ぜながら選手に落とし込む。どの球種が苦手、こういうふうに攻めた方が効果的だよと、プランを与える。試合中の相手、次のカードの対戦相手も見ながら、どんどん更新していく感じ。(分析したことを)使うか使わないかは選手の判断。100%使ってとは思わない。バッテリーの背中を押すことができたら良かったなと思う。
12球団を見ても、(横浜DeNAは)いろいろな機材や分析はたけているのではないかと感じている。どう使うかが大事。うまく選手たちに伝えられるようにしていきたい。
―もともとデータ分析に対する受け止めは。
現役時代にめちゃめちゃ興味があったわけではないが、いざこういう仕事に就いて、データに触ることになって、深いところを見ていくことに面白みを感じる。見れば見るほど切りがない。うまくチョイスして選手に落とし込むセンスが必要。いろいろと学んでいる最中。
―日本シリーズ、ソフトバンク戦で生きたことは。
日本シリーズは対戦が少ないパリーグの相手なので、まず選手の特徴をみんなに分かりやすく伝えること。(ソフトバンクは)とにかく振ってくる、スイングをかけてくるチームなので、嫌がらずにストライク先行でいけるか。振ってくることをネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに置き換えて伝えるように意識した。
―2連敗後、第3戦から投手陣が抑え、4連勝した要因は。
もともと力のあるピッチャー陣であり、それが最大限に出た。選手が力をつけていって試合ごとに、場面ごとにいいものを出したことが全て。総合的にできたことが結果になった。その中に僕のデータが少しでも生きていればいいなという感覚。
―アナリストのやりがいは。
自分の思ったこと、見たもの、プランを現場に伝えて、それを実践してもらい、はまった時。シーズンを通したら、ぴったりはまることはめったにないが、それがはまった時は気持ちがいい。
結果が出た時に、選手からあの時のあれが良かったとか、その通りでしたというフィードバックをもらった時に良かったと思う。その逆もあって、言った通りにやったのに打たれることも多くある。シーズンを通してしんどさはあるが、選手がやることをやって、結果を出してくれた時にやりがいを感じる。
―伝える上で心がけていることは。
ピッチャー目線でうまく伝える。伝え方は大事だと思っている。できないよと言われるとしょうがないので、できる範囲のことで無理を言わないように。選手目線に立って、自分が選手だったことを生かしながらやっている。
―家族への思いは。
子ども(3歳の長男)もだんだんベイスターズの試合を分かるようになってきて、ベイスターズ、ベイスターズと言うようになったので、プレーヤーとしての姿を見せられなかったけど、こうやって別の仕事をしているところを少しでも誇りに思ってくれたらうれしい。
―地元上越の人たちにメッセージを。
表だって見える仕事ではないので、正直何をやっているのと思っている人はいると思う。現役時代はプレーでいいものを見せることができなかったので、これからは上越出身の人間がチームに携わって仕事をしているというつながりでベイスターズの試合を見て応援してもらえたらうれしい。自分がプロで経験したことを少しでも伝え、力になれたらいいなと思う。
◇飯塚悟史さんプロフィル 2014年、夏の全国高校野球選手権でベスト4、高校日本代表にも選ばれる。同年のドラフト7位で横浜DeNAに入団。3年目の17年に1軍初勝利。21年限りで現役を引退。7年間のプロ通算、1軍で23試合に登板(2勝10敗1ホールド)。22年から野球振興・スクール事業部のスクールコーチ、23年から1軍ゲームアナリストを務める。