金沢大学、前学長、元職員課長が被告の裁判続報―訴状と原告準備書面の一部、被告側反論期限が1/16 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

金沢大学、前学長、元職員課長が被告の裁判の続報
 訴状と原告準備書面の一部、被告側の認否反論の期限が1/16
  (医学部大学等事件389)


 2回前に録音証拠の反訳の一部をご紹介した、金沢地方裁判所令和6年(ワ)第323号事件ですが、
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12876488838.html

2024年10月10日午前に行われた同事件の第1回口頭弁論(公開法廷)で、原告・小川側が陳述した、訴状と原告準備書面1の一部を下に引用します。

 なお、これら2文書に対する、被告側の具体的な認否・反論の提出期限は、次回期日である2025年1月23日(時刻は午前11時)の1週間前の1月16日になりました。

 「学長の暴力的行為でケガ」(2回前の録音反訳証拠)や「退学の芝居」などに対して、どういう認否反論が出てくるかです。

***323号事件の訴状(R6.8.29付)より一部引用ここから***

第2、事実経過

<中略>

 2021年7月、S被告は、同月16日に懲戒処分の決定の場合は「懲戒処分書を交付」するため、原告の勤務キャンパスから数キロ離れた角間キャンパスへ同日の指定時刻に出頭するようメールで連絡してきた。その日時は、原告が歯根嚢胞(感染症でこの診断は確定し治療を続けていた)の治療と同病巣の悪性腫瘍疑いでの経過観察のための診療の日時(以前に予約)と重なっていて両立不能であった。しかし、学長であったY被告が予定は変更しないと言っていると、S被告は原告にメールで連絡してきた。そして原告は診療を受けるため、出頭できなかった。

 その16日の会議では、「懲戒にしない正式決定」がなされていたが、S・Y両被告は、その決定を原告に隠して「懲戒処分書の交付」の理由・目的を変更せずに、原告の呼び出しを1ヶ月半にわたって続けた(甲5、1ヶ月半後のメール)。その間の同年7月下旬に、被告大学は、原告への脅迫で逮捕および実名報道され(甲6、Uの逮捕報道)、H・医薬保健学総合研究科長(当時。現在は部局長)のアルバイトだった学生・Uの退学届受理通知書を配布したが、それが退学の芝居であったことがその後に明白になってきている。

 こうして、S被告は、「懲戒処分書の交付」がなくなった後も1ヶ月半にわたって原告への呼び出しを続け、Y被告はその連絡をするようS被告に指示していた。そしてこれらを用いて新たな懲戒を事実上決めて(甲5)、「金沢大学の異常事態」と報道される2回目の懲戒情報発信を、翌2022年2月に行った(甲2)。

第3、賠償の根拠とする不法行為等の特定と損害など

1、賠償の根拠とする不法行為等の特定

 次の(ア)と(イ)が、本件請求の直接の原因である。

(ア) Y被告の指示を受けて、S被告は、2021年7月16日の「懲戒にしない決定」を同年8月30日までの1ヶ月半にわたって隠して原告の呼び出しを続けた(甲5)。これにより、原告に本来なら不必要な時間と労力の負担を与えるとともに、これらは新たな不当な懲戒情報発信の準備行為でもあった。

<中略>

(イ) Y被告および被告大学は、上記(ア)の「出頭の理由なき呼び出し」を悪用し、2021年8月30日には2回目の懲戒にすることを事実上決めて(甲5)、原告に精神的苦痛を与え、原告はそれへの対応が必要になった。

<中略>

添付する甲号証および資格証明書
甲1、読売新聞報道(裁判所調停を経て教授を不正経理で出勤停止2ヶ月)
甲2、現代ビジネス報道2022.03.03
甲3、日弁連シンポジウムチラシ(衆議院第1議院会館での公益通報シンポジウム)
甲4、甲3の原告講演スライド
甲5、懲戒にしない決定の1ヶ月半後のメール
甲6、Uの逮捕報道(MRO北陸放送-Yahoo)
被告大学の現在事項証明書

***323号事件の訴状(R6.8.29付)より一部引用ここまで***

***323号事件の原告準備書面1(R6.10.2付)より一部引用ここから***


第1、請求原因行為の追加

1、施設部課長連絡に反して守秘契約のカルテ類を拡げた部屋に押し入ろうとした

 訴状記載の、懲戒にしない決定を伏せて逮捕学生・Uに退学の芝居までさせて約1ヶ月半にわたり呼び出しを続けたしばらく後の、令和3年10月29日、Y被告は、S被告や施設部課長(当時)、O・理事(当時)、次に述べる施設部課長を含む数名を引き連れて、「部屋を見て写真撮影する」という名目で、原告の准教授室を訪れた。

 それ以前に原告は、上記の担当の施設部課長の会話の通り、10月は困難なので11月中に見てもらうことが決まり、後日に日程調整することになっていた(小川「11月いっぱいでと」、課長「はい」など)。そして、翌月の学会発表1件(甲8、翌月学会発表したポスター)と被告大学による教員評価(実績評価)の対象の社会貢献活動としての医療事故分析2件(うち1件は甲8の発表準備でもあった)で、守秘を約して患者側から預かっていたカルテ類を拡げて分析の作業中であった(甲8の内容はその後の発表直前に預け主から公表の同意を得た)。

 ところがY被告は、「学長に見せれないものないやろね」「そんなもん、だいたい、何で大学にカルテ持ち込むねん!」と、医学部での業務や社会貢献活動に必要なカルテ持ち込みを非難した。そして、「ここに(施設部)課長いますけど・・・僕は了解した覚えはありません。課長に言うただけでしょ。私が了解したわけじゃないんだから!」と語気を強め、すごい勢いで力ずくでドアを開けて押し入ろうとして、開けさせないように対応した原告の足に激しく当たり激痛が走り、また、更なる攻撃を防ごうと、声を挙げた(この際のケガの部位やY被告が確認した青あざなどは後述)。

 Y被告は、当時、金沢大学病院の設置者であり、医学部や病院でカルテ類が研究教育や金沢大学教員評価の社会貢献活動(職務内外のどちらも対象)に必要であることを知りながら、言いがかりをつけて暴力的行為で、原告にカルテ預け主との守秘契約違反をさせようとするとともに、業務を妨害した。

 なお、ケガのすぐ後にY被告は、「じゃあ他の部屋見せてもらいますわ」とこの日にこの部屋だけは見るのを止めたし(他の部屋を見る途中で「今日は引き下がってあげます」とも発言)、次いで金沢大学は「教員室は調査対象外」にすることを明文化しており、上記のような押し入りは有害で危険なだけでなく、教員室の調査自体が不必要なことも明白であって、Y被告による嫌がらせであった。

 なお、甲8(当時は学会発表が採用済みになり作成中であった)のT大学教員の医師による医療トラブルの発表が決まり、T大学などと大学院を形成する金沢大学として、原告に圧力をかけてこの発表を妨害しようとする目的もあった。

2、暴力的行為で原告の下腿前部にケガを負わせたー未必の故意の傷害行為

 上記1の、Y被告が押し入ろうとした際、Y被告は身長こそやや小柄であったが、すごい勢いと力でドアを押した。その際、原告の下腿(ヒザ下から足首の間)前部の肉が殆ど無く薄い皮程度で骨がほぼ露出に近い部位にドアが激しく当たって激痛が走り、原告は叫んだ。その後しばらくすると、原告は、強い痛みはあるもののなんとか歩けるくらいになり、准教授室以外の部屋を案内したが、痛みで何度も休止する必要があり、そうした休止を数回はさむとともに、「一番この硬いところに当たったんですよ、肉の無いところに」と説明し、
Y 「ここ」
小川「そこが、はい、あの、押し入ろうとされて、私が止めようとした時にね。」
(少し間、痛いので休んでいる)
小川「ここですよ、こことここ、こう当たった感じですかね。」
Y 「うん、ちょっと青くなってきた。」
小川「でしょ。」
と、Y被告は、原告の当該部位が青く腫れてきたことを認めた。また、Y被告は、「警察でもどこでも言ったら」とも述べた。

 課長と「11月に」となっていたところに突然訪れ、カルテ預け主とのカルテ類の守秘契約を守るためにドア開きを防ごうとしている原告に対して、すごい勢いと力でドアを押せば、手足などにケガをする可能性が一定程度あることは明らかであり、これは未必の故意による傷害行為であった。そしてその日にその部屋を見たり写真撮影をする必要もなく(そして被告金沢大学は「教員室を除く」と明文化もしている)、暴力的行為自体が目的であった。

<中略>

4、小括

 上記1〜3で、原告は下腿部強度打撲による激痛(強い痛みと腫れが続き、数日後頃から徐々に減弱し始めた)と精神的苦痛を受けて、しばらく作業ができなくなるとともに、恐怖心が続くなどの損害が出ており、これらを請求の直接原因に追加する。

***323号事件の原告準備書面1(R6.10.2付)より一部引用ここまで***

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