レビュー

「Xiaomi 14 Ultra」の超高性能カメラを写真家がガチレビュー!

話題の新モデルが多数登場する、2024年夏のスマートフォン。そのなかでも特に注目を集めているのが、シャオミのフラッグシップモデル「Xiaomi 14 Ultra」です。

ライカと共同開発した超高性能なカメラシステムを採用していて、 価格.com「スマートフォン・携帯電話」カテゴリーのユーザーレビューでは「スマートフォン機能付きのカメラ」とまで評価されているくらいです。

そこで今回、写真家の曽根原昇さんが本機のカメラをガチでレビュー。写真家として「普段使いできるかどうか?」を評価してもらいました。

シャオミのフラッグシップスマートフォン「Xiaomi 14 Ultra」。超高性能なカメラを搭載するのが最大の特徴です

シャオミのフラッグシップスマートフォン「Xiaomi 14 Ultra」。超高性能なカメラを搭載するのが最大の特徴です

スマートフォン史上最強のカメラ。特にメインカメラが高性能

皆さま、はじめまして。写真家の曽根原と申します。価格.comマガジンでは「カメラ」カテゴリーで一眼カメラやレンズのレビューを担当していますが、「PC・スマホ」カテゴリーの記事を担当するのは初めてです。今回、話題の「Xiaomi 14 Ultra」が「普段使いのカメラ」としてどこまで使えるのかを、写真家目線で評価させていただきます。

普段は、高画質な一眼カメラを使って写真作品を制作しています。スマートフォンは1型センサーを搭載するものを使い続けていますが、作品作りに使うことはなく、記録用といったところです。

「Xiaomi 14 Ultra」のメインカメラは、超広角から望遠まで4種類の組み合わせ。円形デザインが特徴的ですね。4つのレンズをまとめて「LEICA VARIO-SUMMILUX 1:1.63-2.5/12-120 ASPH.」レンズと銘打ち、ライカ品質をアピールしています

「Xiaomi 14 Ultra」のメインカメラは、超広角から望遠まで4種類の組み合わせ。円形デザインが特徴的ですね。4つのレンズをまとめて「LEICA VARIO-SUMMILUX 1:1.63-2.5/12-120 ASPH.」レンズと銘打ち、ライカ品質をアピールしています

まずは、「スマートフォン史上最強」と言っても言い過ぎではない、本機のカメラの基本特徴をまとめておきましょう。

本機は、ライカと共同開発した超高性能なカメラシステムを採用しています。「12mm超広角カメラ」「広角カメラ」「75mmフローティング望遠カメラ」「120mmペリスコープカメラ」の4つのカメラで、超広角12mm~望遠120mm(35mm判換算)までの広い画角をカバーする仕組みです。

これら4つの中で特に注目したいのが、メインカメラに位置づけられている「広角カメラ」。ソニーの1型センサー「LYT-900」を搭載しているうえ、焦点距離23mm相当(35mm判換算)のレンズも高性能です。8枚の非球面レンズやF1.63~F4の無段階可変絞り機構を採用しています。

1型センサーを搭載したスマートフォンは、これまでにいくつか発売されていて、筆者自身も使用してきたのですが、本機の場合、ライカと共同開発のカメラシステムであること、最新のSoC「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform」を搭載していることから、これまでとは一線を画す性能であることに期待できるわけです。

よって、本機を使って高度な撮影を楽しみたい、作品レベルの写真を撮りたい、何なら一眼カメラのサブ機として活用したい、というのなら「広角カメラ」の性能を最大限に引き出す方向で使うのが得策です。もちろん、ほかの3種類のカメラも有意義に楽しむべきですが、本記事では、「広角カメラ」を中心にレビューを進めていきたいと思います。

「広角カメラ」で撮影

1型センサーを搭載したメインカメラの画質は圧倒的。基本性能が高いので、スマートフォンで撮ったとは思えないような高品位な写真が撮れますXiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/50秒、ISO500、WB:オート、フィルター:ノーマル撮影写真(3072×4096、6.5MB)

1型センサーを搭載したメインカメラの画質は圧倒的。基本性能が高いので、スマートフォンで撮ったとは思えないような高品位な写真が撮れます
Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/50秒、ISO500、WB:オート、フィルター:ノーマル
撮影写真(3072×4096、6.5MB)

周辺まで安定した画質が得られる「広角カメラ」

最近のスマートフォンのカメラは、ピクセルビニング(画素混合)を活用することで高画質化を図っています。4画素から1画素のデータを生成することで、画素ごとの情報量を増やし、階調性や高感度性能を向上させるのが狙いです。「Xiaomi 14 Ultra」の「広角カメラ」もピクセルビニングを取り入れており、初期設定では約5000万画素から約1200万画素のデータを生成するようになっています。

実際に撮影してみると強く感じることですが、本機の「広角カメラ」の実力はかなりのものです。画素ピッチが広くて集光率が高い1型センサーのポテンシャルを引き出しており、階調性、高感度性能、解像性能のすべてにすぐれています。

以下に掲載する作例を見ると、特に解像感の高さが伝わると思います。画面の中央部だけでなく周辺部でも非常にシャープな描写です。比べてみたわけではないものの、1型センサー搭載のスマートフォンとしては、筆者がこれまで確認してきたもののなかで最も高画質だと思います。さすがライカと共同開発した最新のスマートフォンだけある、といったところです。

「広角カメラ」で撮影

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F1.63、1/800秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル撮影写真(4096×3072、9.7MB)

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F1.63、1/800秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル
撮影写真(4096×3072、9.7MB)

もちろん、ピクセルビニングを行わずに約5000万画素のまま記録する機能もちゃんと用意されています。「50MP ウルトラHD」という機能です。

以下の作例は、この機能を使って撮影した写真です。薄くて小さなレンズなのに、5000万画素という高画素に負けず、細部までよく解像しています。ですが、ピクセルビニングを使った約1200万画素の写真と比べると、階調性がやや低く、結果的に色再現性とディテールの表現で負けているように見えます。

やはり「50MP ウルトラHD」はどうしても画素数が欲しい場合だけにして、通常は約1200万画素で撮影したほうがよさそうです。

「50MP ウルトラHD」で撮影

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/1150秒、ISO50、-0.17EV、WB:オート、フィルター:ノーマル撮影写真(8192×6144、30.4MB)

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/1150秒、ISO50、-0.17EV、WB:オート、フィルター:ノーマル
撮影写真(8192×6144、30.4MB)

光芒を生み出せる可変式の絞り機構

「Xiaomi 14 Ultra」の「広角カメラ」は、スマートフォンとしては珍しい絞り羽根を搭載しているのも大きな特徴です。F1.63~F4の間で絞り値を無段階で設定できます。

「広角カメラ」は、F1.63~F4の無段階可変絞り機構を採用しています(左の画像はF4に絞った状態)

「広角カメラ」は、F1.63~F4の無段階可変絞り機構を採用しています(左の画像はF4に絞った状態)

以下に掲載する2枚の作例は、それぞれF1.63、F4の絞り値で同じ被写体を撮ったものです。

1型センサーで絞り値がF1.63ともなると、スマートフォンのカメラとはいえ、被写体に近づいて撮ると背景ボケはかなり大きくなります。F1.63で撮った写真は、画像処理で生み出すボケとはひと味違った、自然で滑らかなボケが得られていると思います。

いっぽう、最大値のF4で撮ったほうは被写体深度が深く、F1.63とはまた違った仕上がり。絞り値を調整してボケ具合を調整できるのは、使い方の幅が広がるというものです。

絞り値F1.63(絞り開放)で撮影

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F1.63、1/670秒、ISO50、WB:オート、フィルター:Leica NAT

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F1.63、1/670秒、ISO50、WB:オート、フィルター:Leica NAT

絞り値F4で撮影

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F4、1/190秒、ISO50、WB:オート、フィルター:Leica NAT

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F4、1/190秒、ISO50、WB:オート、フィルター:Leica NAT

絞り羽根を搭載しているということは、画面内に強い点光源があるときに光芒(光源を中心にして放射状に伸びる光の筋)が発生することになります。スマートフォンで自然な光芒を撮れるのはかなり貴重ですので、光芒が発生しそうな条件を見つけると積極的に撮ってみたくなるというものです。

画面に強い点光源があると光芒が発生しますXiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2.8、1/320秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル

画面に強い点光源があると光芒が発生します
Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2.8、1/320秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル

ちなみに、本機の「広角カメラ」は6枚羽根を採用しています。カメラ用の一般的なレンズの場合、光芒は絞り羽根の枚数が偶数ならその偶数本分の筋が発生し、奇数ならその奇数本の2倍の筋が発生するのですが、上記の作例を見ると、6枚羽根ながら12本の筋を確認できます。理由はわかりませんが、なかなか興味深いです。

サクサク動作で快適なAF。被写体認識もバッチリ

1型センサーで開放絞り値がF1.63ともなると、一般的なスマートフォンのカメラと比べて被写界深度が浅くなることが多く、AFでのピント合わせもそれなりにシビアになります。

使用する前は、「さすがにピントが合わないこともあるだろう」と思っていましたが、実際に使ってみると、狙ったところに素早く正確にピントを合わせてくれました。AFについては、まったくストレスはなく安心して使えます。

さらに、人物や動物の形をとらえる被写体認識AFや、瞳を積極的に捕捉する瞳AFも備えているため、ポートレートやペットの撮影でもピンボケの心配はほとんどありません。もちろん一度とらえた被写体は、位置や距離が動いてもコンティニュアスAFで連続してピントを合わせ続けます。

被写体認識AFや瞳AFを搭載しているので容易にピントを合わせられます

被写体認識AFや瞳AFを搭載しているので容易にピントを合わせられます

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/1800秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル撮影写真(4096×3072、10.8MB)

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/1800秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル

ライカの画作り思想が詰め込まれた15種類のフィルター機能

「Xiaomi 14 Ultra」には、基本となる「ノーマル」をはじめとした15種類の「フィルター」が用意されており、好みに合わせて自由に選択して適用できます。「フィルター」と名付けられていますが、どちらかというと、デジタルカメラの「色仕上がり設定」に近いものだと思います。

15種類の「フィルター」が用意されています。一眼カメラでいうところの「色仕上がり設定」です

15種類の「フィルター」が用意されています。一眼カメラでいうところの「色仕上がり設定」です

15種類の中で注目したいのが、「Leica VIV」「Leica NAT」「Leica BW NAT」「Leica BW HC」「Leica BW Sepia」「Leica BW Blue」といった、ライカの名を冠した6種類。当然、ライカの画作り思想が強く反映されているだけに、玄人好みの本格的な設定になっていると感じました。

どれを適用するかは、もちろん人それぞれの好みによりますが、ここでは独断で、筆者が個人的に気に入った3種類の「Leicaフィルター」を紹介させてもらいます。

「Leica NAT」で撮影

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2.5、1/125秒、ISO50、WB:オート、フィルター:Leica NAT

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2.5、1/125秒、ISO50、WB:オート、フィルター:Leica NAT

「Leica NAT」は、おそらく「ライカ ナチュラル」の略称だと思います。「ライカの画作り思想に基づいてスタンダードな色仕上げ設定を作るとこうなりました」といったところでしょうか。派手すぎず、地味すぎず、それでいて本機が持つ階調性を生かした味わい深い仕上がりが特徴です。

「Leica BW NAT」で撮影

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/100秒、ISO64、WB:オート、フィルター:Leica BW NAT

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/100秒、ISO64、WB:オート、フィルター:Leica BW NAT

「Leica BW NAT」は、「ライカ 黒白 ナチュラル」ということでしょう。単にカラー写真から色を抜いてモノクロ化したのではなく、「本当のモノクロ写真とは何か?」という問いに、ライカが出したひとつの答えがこのフィルターに詰め込まれているように思えます。スナップ撮影との相性は抜群です。

「Leica BW Sepia」で撮影

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/250秒、ISO50、-0.7EV、WB:オート、フィルター:Leica BW Sepia

Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/250秒、ISO50、-0.7EV、WB:オート、フィルター:Leica BW Sepia

「Leica BW Sepia」は、そのままわかりやすく「ライカ セピア」ですね。ただ、定着不足で赤く劣化したいわゆるセピア写真の模倣ではなく、モノクロプリントの世界で使われる「温黒調」のイメージのほうが実態に近いような気がします。名称以上に気高い存在とでも言いましょうか。このフィルターを使うと、何でもない写真でもやたら立派に見えて、自分が巨匠にでもなったかのような気分になるので不思議です。

カメラファン納得の「プロ」モード

「Xiaomi 14 Ultra」には、「プロ」「映画」「ビデオ」「写真」「ポートレート」「ドキュメント」といった多くの撮影モード(デジタルカメラの撮影モードとは別ですが、便宜的にそう呼びます)を備えています。これらの撮影モードのうち、写真撮影で使いやすそうなのが、「写真」モードと「プロ」モードです。

「写真」モードは、絞り値や露出補正の設定に対応していますが、基本的にはカメラ(スマホ)任せのオートで写真を記録しようという仕様です。ほとんどの撮影はこれで問題なく、AI機能やHDRの補正もイイ感じにかかってくれます。

「写真」モードは気軽に高画質な写真が撮れる撮影モード。HDRなどの画像処理はこのモードで使用できます

「写真」モードは気軽に高画質な写真が撮れる撮影モード。HDRなどの画像処理はこのモードで使用できます

対する「プロ」モードは、絞り値や露出補正はもちろん、シャッタースピード、フォーカス、感度、ホワイトバランスなどを細かく調整できます。高性能なSoCを活用したカメラ任せの「写真」モードもよいのですが、撮影者の意図を確実に反映させることができる「プロ」モードは、写真を撮ることの醍醐味を味わえます。

注意点としては、「写真」モードのように、ズーム操作時に各カメラが自動的に切り替わらないこと。4つのカメラをきちんと選択しておかないと、意図せずにデジタルズーム倍率が大きくなってしまうことがあります。

さまざまなカメラ設定を自由に調整可能な「プロ」モード。撮影者の意図を写真に反映させやすい本格的な仕様です

さまざまなカメラ設定を自由に調整可能な「プロ」モード。撮影者の意図を写真に反映させやすい本格的な仕様です

ホワイトバランスを手動で8000Kにしてシュールな空の色を演出してみました。こうした調整を自由にできるのが「プロ」モードの楽しさですXiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/14700秒、ISO50、WB:8000K、フィルター:Leica NAT

ホワイトバランスを手動で8000Kにしてシュールな空の色を演出してみました。こうした調整を自由にできるのが「プロ」モードの楽しさです
Xiaomi 14 Ultra、メインカメラ、35mm判換算23mm相当、F2、1/14700秒、ISO50、WB:8000K、フィルター:Leica NAT

「写真」モードや「プロ」モードのほかにも、ライカらしい機能として注目したいのが「ファストショット」モードです。23mm、28mm、35mm、50mm、75mm、135mm(いずれも35mm判換算の焦点距離)の6つの画角を選択でき、かつ撮影距離を固定して撮影できるのがユニーク。M型ライカのブライトフレームのような外枠表示も可能です

「写真」モードや「プロ」モードのほかにも、ライカらしい機能として注目したいのが「ファストショット」モードです。23mm、28mm、35mm、50mm、75mm、135mm(いずれも35mm判換算の焦点距離)の6つの画角を選択でき、かつ撮影距離を固定して撮影できるのがユニーク。M型ライカのブライトフレームのような外枠表示も可能です

そのほかの3つのカメラもチェック

最後に、「広角カメラ」以外の3つのカメラについても簡単にレビューしておきましょう。いずれのカメラも、スマートフォンでは一般的なサイズの1/2.51型センサーを採用しています。

「12mm超広角カメラ」で撮影

光学的に設計が難しい超広角12mm相当ですが、とてもきれいな写真に仕上がっていますXiaomi 14 Ultra、12mm超広角カメラ、35mm判換算12mm相当、F1.8、1/3200秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル撮影写真(4096×3072、9.2MB)

光学的に設計が難しい超広角12mm相当ですが、とてもきれいな写真に仕上がっています
Xiaomi 14 Ultra、12mm超広角カメラ、35mm判換算12mm相当、F1.8、1/3200秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル
撮影写真(4096×3072、9.2MB)

「12mm超広角カメラ」は、焦点距離12mm相当(35mm判換算)の超広角ながら、思った以上にシャープに描写してくれます。ひと昔前でしたら、1/2.51型センサーで撮った写真は、まるで貼り絵のように立体感がなく、背景ボケなどは期待するまでもありませんでしたが、「Xiaomi 14 Ultra」はそんなことはなく、自然な描写で写真的な仕上がりです。

「75mmフローティング望遠カメラ」で撮影

中望遠らしい適度な圧縮効果とボケ味があります。1/2.51型センサーでここまで撮れるのかと正直驚きましたXiaomi 14 Ultra、75mmフローティング望遠カメラ、35mm判換算75mm相当、F1.8、1/1250秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル撮影写真(4096×3072、6.7MB)

中望遠らしい適度な圧縮効果とボケ味があります。1/2.51型センサーでここまで撮れるのかと正直驚きました
Xiaomi 14 Ultra、75mmフローティング望遠カメラ、35mm判換算75mm相当、F1.8、1/1250秒、ISO50、WB:オート、フィルター:ノーマル
撮影写真(4096×3072、6.7MB)

「75mmフローティング望遠カメラ」は、巧みなレンズ設計によって、絞り開放F1.8という大口径と、収差の補正に成功しているようです。これまた小型センサーとは思えない、すばらしい階調性と大きな背景ボケによって中望遠レンズならではの立体感が得られます。

「120mmペリスコープカメラ」で撮影

「120mmペリスコープカメラ」でも実用的できれいな画質を提供してくれているところに 「Xiaomi 14 Ultra」の技術力の高さを感じますXiaomi 14 Ultra、120mmペリスコープカメラ、35mm判換算120mm相当、F2.5、1/430秒、ISO50、+1.0EV、WB:オート、フィルター:ノーマル撮影写真(4096×3072、9.0MB)

「120mmペリスコープカメラ」でも実用的できれいな画質を提供してくれているところに 「Xiaomi 14 Ultra」の技術力の高さを感じます
Xiaomi 14 Ultra、120mmペリスコープカメラ、35mm判換算120mm相当、F2.5、1/430秒、ISO50、+1.0EV、WB:オート、フィルター:ノーマル
撮影写真(4096×3072、9.0MB)

「120mmペリスコープカメラ」は、ペリスコープ(潜望鏡)と同等の構造によって望遠120mm相当(35mm判換算)を実現しています。ミラーで光路を変えたとは思えないほど、シャープでコントラストが高いです。

「12mm超広角カメラ」「75mmフローティング望遠カメラ」「120mmペリスコープカメラ」の3つのカメラは、いずれもスマートフォンとしては高画質な撮影が可能です。しかし…… 、より厳しい目線でチェックすると、暗部では不自然に粗くなった粒子が目立ち、被写体のエッジも状況によって違和感を覚える場合があります。健闘しているのは事実ですが、さすがに「広角カメラ」と比べると画質に大きな差があります。

専用の「フォトグラフィーキット」が用意されているのがうれしい

「Xiaomi 14 Ultra」でもうひとつ注目したいのは、本機専用のレザーケースやグリップカバーなどが付属する「フォトグラフィーキット」が用意されていることです。

レザーケース、グリップカバー、フィルターアダプター、デコレーションリングなどが付属する「フォトグラフィーキット」

レザーケース、グリップカバー、フィルターアダプター、デコレーションリングなどが付属する「フォトグラフィーキット」

このキットの魅力は、何といってもグリップカバー。シャッターボタン、録画専用ボタン、レバー、ダイヤル付きという本格的な仕様です。これを装着するだけで、まるでカメラを扱っているような操作が可能になります。写真好き、カメラ好きとしてはたまらなくうれしいキットではないでしょうか。

今回、「フォトグラフィーキット」のグリップカバーを装着して撮影を行いました。本格的なカメラのように、しっかりとホールドしながらシャッターボタンを押して撮ることができます。ストラップを付けられるのもグッドです

今回、「フォトグラフィーキット」のグリップカバーを装着して撮影を行いました。本格的なカメラのように、しっかりとホールドしながらシャッターボタンを押して撮ることができます。ストラップを付けられるのもグッドです

グリップカバーにはシャッターボタン、録画専用ボタン、レバー、ダイヤルが備わっているので、本格的なカメラ操作が可能です

グリップカバーにはシャッターボタン、録画専用ボタン、レバー、ダイヤルが備わっているので、本格的なカメラ操作が可能です

ボタンやレバーの機能は好みや用途にあわせて割り当てを変更できます

ボタンやレバーの機能は好みや用途にあわせて割り当てを変更できます

フィルターアダプターを使えば67mm径のフィルターを装着できます

フィルターアダプターを使えば67mm径のフィルターを装着できます

まとめ 作品作りにも活用できるレベル。「フォトグラフィーキット」は欠かせない

1型センサーを搭載したスマートフォンは、レビュー用にテストしたものを含めて、ほぼすべて使用した経験があります。現在使っているスマートフォンも1型センサー搭載機です。その立場から素直に言わせてもらうなら、「Xiaomi 14 Ultra」は、間違いなく現時点で最高峰の性能を有していると感じました。「ついにスマートフォンのカメラもここまで来たか!」という印象です。

「ついにここまで来たか!」と言うと何だかエラソーですけど、実はスマートフォンが採用するSoCはデジタル一眼カメラのプロセッサーと比べても非常に優秀です。その優秀な能力を生かしながら、ライカの写真技術をプラスしたのですから高性能なのも納得です。使ってみた感想としては前評判と同じく「これはスマートフォン機能付きの、まさにカメラだ!」でした。

結論としては、写真家目線でも何の問題もなく普段使いできるカメラだと評価します。普段使いどころか、作品作りにも活用できるレベルだと思います。

本機をよりディープに活用したいなら「フォトグラフィーキット」は欠かせません。これがあって初めて完成する”カメラ”だとも言えます。本来は22,000円(税込)の製品ですが、今なら発売キャンペーンとして「Xiaomi 14 Ultra」を購入した人全員に無料でプレゼントされるとのことです。これはかなりお得ですね。

曽根原 昇
Writer
曽根原 昇
信州大学大学院修了後に映像制作会社を経てフォトグラファーとして独立。2010年に関東に活動の場を移し雑誌・情報誌などの撮影を中心にカメラ誌などで執筆もしている。
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真柄利行(編集部)
Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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