交番で勤務 部下に対し強制わいせつ傷害の罪 元警察官に有罪
熊本県警の元警察官が交番のなかで部下の女性にわいせつな行為をしてけがをさせたとして、強制わいせつ傷害の罪に問われている裁判で、熊本地方裁判所は「被害者が逆らいがたいことを認識しながら職務上優越的な立場を利用して実行した卑劣な犯行というほかない」などと指摘し、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。
起訴状などによりますと、熊本県警の元警察官は交番で勤務していた去年2月、部下の女性警察官を男性用の仮眠室に呼び出し、胸や下半身を触って全治10日のけがをさせたとして、強制わいせつ傷害の罪に問われています。
裁判は、被害者保護のため、元警察官の名前や住所などを公表しない形で進められ、元警察官は起訴された内容を認めていました。
16日の判決で、熊本地方裁判所の中田幹人裁判長は「直属の部下である被害者が被告から指導を受ける立場で逆らいがたいことを認識しながら、交番内にいた別の男性警察官に外に出るよう指示して、2人きりの状況を作り出し犯行に及んだ。職務上優越的な立場を利用し、被害者が抵抗することが困難な状況で実行した卑劣な犯行というほかない」と指摘しました。
そのうえで「慰謝料200万円が支払われ、裁判で罪を認めて謝罪の気持ちを述べているほか、およそ30年勤めた警察を懲戒免職となり、退職金の支給も受けられなくなった」などとして、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。
この事件で、熊本県警は、被害者からの報告を受けて、捜査を進めた結果、元警察官を書類送検して、その後、懲戒免職処分にしていました。
しかし、こうした経緯は公表していませんでした。
理由について県警は「被害者のプライバシーに配慮する必要があるときは発表しない例外がある」としていました。
16日の判決をうけて、改めて取材しました。
県警は、当時現職であった警察職員が有罪判決を受けた重大性を踏まえて、県民に説明する必要はあるとして、松見恵一郎首席監察官のコメントを発表しました。
このなかで松見首席監察官は「当時、現職であった警察職員が有罪判決を受けたことを重く受け止めており、県民の皆様に深くお詫び申し上げます。引き続き、綱紀粛正を図ってまいります」としています。