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Conversation

出遅れてしまいましたが、私は大阪高裁判決を出した裁判官を【裁判官訴追委員会】に訴追する、つまり裁判官としての地位まで奪おうとする署名は危険だと思います。 滋賀医大生の事件は、現行法の不同意性交等罪ではなく、改正前の【強制性交等罪】で逮捕起訴されました。 【強制性交等罪】は、現行の不同意性交等罪と異なり、【同意の有無】ではなく、【被害者の犯行を著しく困難にする程度の暴行脅迫】があったかが問われるので、元々、このような結果がありうる構成要件だったのです。 改正前の強制性交等を厳格に適用すれば事案によっては同意のない事案でもこのように無罪になることがあり得るからこそ、法改正がなされたわけなので、私たちはそのことを忘れてはいけません。 そして、裁判官は、あくまでも【事件時に施行されていた法律】により、証拠に基づいて判断することしかできません。 なので、私にはこの無罪判決がおかしいのかは、正直分かりません。もちろん、判断に問題があることも十分にあり得ると思いますが、必ずあるとも判断できません(そもそも判決文を見つけられてない)。極端な話、私が裁判官であっても、同じ判断をするかもしれません。 法と証拠に基づいて個別の事案について判断した判決を、ただ報道を見て不当だからと【裁判官訴追委員会】に訴追する、つまり法曹資格さえ剥奪しようとするのは、極めて危険ではないでしょうか? 社会が叫ぶからといって法を適用すれば無罪になるものを有罪にして刑務所にぶち込むことが果たして正義ですか?それって、極めて危険ではないでしょうか? たとえ無罪になったとしても本件は民事的には不法行為になり、損害賠償義務は負うし、それに基づいて医大が処分することが可能だったりすることは、先日の東北大学の事案で分かると思います。 みなさんには、個別の事案に関する判決ひとつをもって【裁判官訴追委員会】に訴追を求めるような署名や運動には、慎重になっていただきたいです