長引く物価高や人件費の高騰が病院経営を圧迫している。2023年度決算で東京都内の大学病院や公立病院が相次いで赤字に転落し、2024年度はさらに赤字が膨らむとの見方もある。昨年5月の新型コロナ5類変更に伴い関連補助金が撤廃されたことによって、一時的に隠されていた赤字問題が一気に顕在化した。行政が支援すれば国民の負担は増すが、医師や専門家は「地域医療が崩壊しかねない」と警戒し、国民的な議論を求める。(原田遼)
◆多額のコロナ補助金が隠していた赤字
「入院の受け入れ強化などで一生懸命収入を増やしても、全く追いつかない」。東京科学大病院(旧東京医科歯科大病院=文京区)の藤井靖久院長は11億円の赤字となった2023年度の決算書を見てため息をついた。
コロナ禍前の2019年度と比較すると、医業による収入は14%増えた一方、人件費や光熱費、業務委託費などの上昇で支出は17%増えた。2020年度以降はコロナ専用病床の補助金収入で黒字が続いていたが、2023年度は前年度に約30億円あった補助金収入がほぼなくなったことが響いた。赤字は今後の施設整備に必要な積立金で補塡(ほてん)。藤井院長は「このままでは不採算部門の縮小も検討しないといけない」と重く見る。
◆医師からは給与の低い大学病院が敬遠され
病院にとって、本来の収入源となる診療報酬は公定価格で、急速な社会情勢の変化に対応しづらい。藤井院長は「日本は何十年も物価が変わらなかったからよかったが、何もかもが値上げしている今、医療費だけが据え置き。現在の制度では構造的に厳しい」と...
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sisyphus1953atomic 8 時間前
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