映画でも「八つ墓村」「鬼畜」(ともに野村芳太郎監督)、「復讐するは我にあり」(今村昌平監督)と次々とヒット作に出演。「『鬼畜』は本妻役を依頼されましたが、台本を読んで妾の役をお願いしました。『復讐するは我にあり』も、最初は本妻役でしたが、毎晩お茶漬けを食べて少しふっくらして愛人役のせりふを言ったら、監督が『その役でいきましょう』と」
「思い出すのは、『食卓のない家』で精神を病んで金魚を食べるシーンです。スタッフが羊羹で作った金魚では本物の感情にならない。そこで本物を食べたんです。ガリガリと骨を噛み砕いて。スタッフが気をきかして臭みを消すためにレモン汁を入れたうがい水を用意してくれましたが、口の中は金魚の骨で血まみれでレモンがしみて痛いのなんの(笑)」
小川の鬼気迫る役作りは、映画史に残る名演技として刻まれた。(演出家・脚本家=大野裕之)
■小川眞由美(おがわ・まゆみ) 1939年12月11日生まれ、85歳。東京都出身。61年、文学座付属研究所に第1期生として入所。62年、「光明皇后」で初舞台。63年には「母」で映画初出演。70年台以降は映画・ドラマで活躍し、代表作は「女ねずみ小僧」や「アイフル大作戦」、映画「復讐するは我にあり」「八つ墓村」「鬼畜」など。