必要な薬が投与されなかった患者が死亡 市立豊中病院
大阪・豊中市の市立豊中病院で、心不全で入院した患者に対し、別の病気の治療のために継続的に服用が必要だった薬が投与されず、その後、患者が死亡していたことが病院の発表でわかりました。
病院は「救命に影響した可能性がある」として遺族に謝罪しました。
市立豊中病院によりますと、病院に救急搬送され、心不全と診断されて入院していた患者が先月29日、「心室細動」と呼ばれる心臓の不整脈を起こして死亡しました。
患者は、過去にこの病院で両側の副腎を切除する手術を受け、それ以降、継続的にステロイドの服用が必要でしたが、心不全による入院の後、患者を担当した医師はこの情報を見落とし、ステロイドが投与されていなかったということです。
病院は、調査委員会を立ち上げて検証を行った結果、心室細動自体は患者の心臓の状態では起こりうる急変だったものの、ステロイドの投与を中断したことが救命に影響を与えた可能性があるとして、医療事故と認定し、遺族に謝罪したということです。
病院は今後、医師や薬剤師らが連携して患者が必要な薬を確実に服用できる体制を構築し、再発防止に努めるとしています。
市立豊中病院の岩橋博見 病院長は「必要なステロイドの投与が中断され、10日間そのことに気づくことができないまま至ったことは当院のミスであり、深くおわび申し上げます」とコメントしています。