ミサイルの燃料は劇薬?
4月5日に発射された、北朝鮮のミサイル問題には、まだまだ問題があった。政府は万一、国内にミサイルが落下し、ミサイルの燃料に人がふれた場合の対策を考えていた。それによると北朝鮮ミサイルのの燃料は「劇薬」を使っているのだそうだ。
「劇薬」は医薬品の一種である。具体的には、致死量が、経口投与で体重1kgあたり300mg以下、皮下注射で体重1kgあたり200mg以下のものを言う。
ミサイルの燃料が「劇薬」だとは思わなかった。しかし、日本のロケットの燃料が「劇薬」とは聞いたことがない。日本のH2Aロケットの燃料は何だろう?
H2Aロケットとテポドン
日本のH2Aロケットの燃料は「液体水素」と「液体酸素」である。これは危険な薬品であるが、劇薬とはいえない。
北朝鮮のミサイル「テポドン」の燃料は何だろうか?
米CNNテレビは4月2日、北朝鮮が打ち上げを予告したミサイルに対する燃料注入を開始したと報じた。これに関連し、米国防総省関係者はロイター通信に対し、「早ければ土曜日(4日)にも発射される可能性があると発表した。
燃料の種類と発射までの時間
こう予測したのは、北朝鮮のミサイルは3段と推定され、1−2段目には毒性が強い硝酸系の液体燃料が使われるため、技術的には燃料注入から3−4日後に打ち上げなければならないからだ。
この燃料には「ヒドラジン系燃料」と「硝酸」が使われていると考えられる。
これに対し日本のH2Aロケットの燃料に使われる液体水素は極低温で保存しなければならないので、打ち上げ直前に燃料タンクに注入する。
ロケット燃料には固体燃料もある。もし北朝鮮が、燃料注入が不要で、長期保存できる固体燃料ミサイルを手にしたら「即時に発射でき、隠しやすい固体技術を北朝鮮が手にすれば、発射の前兆を探知しにくくなり、脅威が増す」という。
ロケットの燃料とは何か?
ロケットの燃料のことを推進剤(すいしんざい)ともいう。ロケットエンジンが噴射する噴射物質およびそれに与えるエネルギーを生成するための物質である。
通常の化学ロケットの場合は、燃料と酸化剤を合わせて推進剤と呼ぶ。必要な比推力や技術力、安全性、コストなど、用途と目的によって燃料と酸化剤の組み合わせを変更する。燃料と酸化剤が両方とも液体の場合は液体(燃料)ロケット、両方とも固体であると固体(燃料)ロケット、固体と液体の組みあわせの場合はハイブリッドロケットと呼ばれる。
推進剤の組み合わせ
代表的な液体推進剤は以下のものが挙げられる。第二次世界大戦で使用されたV2ロケットは酸化剤として液体酸素 (LOX) が、燃料としてエタノール75%と水25%の混合物を使用していた。
戦後のミサイルでは、燃料はケロシン、ヒドラジン系に置き換わり、酸化剤は硝酸系に置き換わっている。液体フッ素の使用やリチウムの添加、などの現行のものより比推力の良い推進剤も提案されているが、毒性や取り扱いの観点から現実的ではない。
燃料:液体水素 (LH2) 、ケロシン、ヒドラジン、モノメチルヒドラジン (MMH)、非対称ジメチルヒドラジン (UDMH)、エアロジン-50(MMHとUDMHを50:50の比率で混合したもの)
酸化剤:液体酸素 (LOX) 、過酸化水素、硝酸、発煙硝酸 (WFNA) 、四酸化二窒素
赤煙硝酸 (RFNA)
参考HP Wikipedia「ロケットエンジンの推進剤」「ヒドラジン」「硝酸」
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