岩手県北上市が新たな工学系大学「北上市立大学(仮称)」の設置に向けた議論を加速している。23日に開催する基本構想策定委員会(委員長=藤代博之岩手大学名誉教授)第2回会合で運営・組織や開設場所などを検討。建築・土木を含めた専門分野についても協議する。基本理念や養成する人材像を盛り込んだ基本構想を年度内に策定。来年度初頭には設置の可否を判断し、決定を受けた上で2025年度に基本計画の策定に着手する。
大学の開設で地域企業への人材輩出や若年層流出の抑制、にぎわいの創出などまちづくりの側面からの効果を期待している。学識経験者などで構成する基本構想策定委員会が10月18日に開いた第1回会合で基本理念、養成する人材像、教育の特色などを確認した。2回程度の会合を経て25年3月下旬までに基本構想をまとめる。
設置場所は市街地再開発エリアを考えている。北上市立大学の定員は80~120人を想定。開学までの校舎整備には国の交付金などを活用しながら約82億~99億円を投資する。開学後の運営で1年当たり学費約3億円、交付税約7億円の収入を見込んでいる。
機運醸成を図るための各地域や団体への説明会も開催している。11月30日時点で計30回開き延べ1400人が出席した。今後も希望などを受け継続して展開していく。