「全史」じゃない方の「サピエンス前史」を推す!
2024年8月21日
このコラム決して書評コラムではないのですが、
『サピエンス前史 脊椎動物の進化から人類に至る5億年の物語』
という本を紹介!推します!
「全」じゃなくて「前」です、前の方です!全史は推しません。
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「小さなサカナから始まり、
眼、顎、腕、脚、肺、大きな脳など、
進化の過程で70の特徴を獲得し、
ホモ・サピエンスへと至る壮大な進化のドラマ__。」
(サピエンス前史 帯より引用)____________
このコラムを書いてる時点で(2024年8月14日)[サピエンス前史]とYAHOO!JAPANでネット検索すると、世界的大ベストセラー、ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」が出てきます。
下の画像のように
「サピエンス全史も含めた結果を表示しています。サピエンス前史で再検索」
となります。
やはり、amazonのレビューにも「内容は良いがタイトルが良くない」という指摘がありました。
「サピエンス全史」に被せてきてる、ダジャレと思われてます。
この辺のタイトルの意図は著者や編集に直接話を聞かないとわかりません。
全史の方は英語のタイトルを見ると
「Sapiens - A Brief History of Humankind」
と、なっているので、この被せ方が通用するのは日本国内のみとなります。
と、こんなことを書いているとこの本「サピエンス前史」を批判しているみたいに思われますが、違います。なんせ、私、この連載コラムのタイトルを岡本太郎の「芸術は爆発だ!」に被せて「芸術は漠然だ!」とつけてしまうのようなダジャレ人間なので、このようなタイトルのつけ方は、むしろポイントが高くなります。「サピエンス全史」に対する批評的なスタンスでこのタイトルにしたのかも?と思ったりもします。
自分の作品制作、「生物に感覚器官が生まれてから現在までを美術史として考える」というコンセプトの作品を作るために色々資料を集めていく中で、この本を最近購入しました。過去に購入した古生物や生物進化の本にも、この「脊椎動物の進化から人類に至るまで」について全く書いてないわけではないのですが、そこの部分に焦点をあてて書いてある、この「サピエンス前史」の内容は、まさに自分が求めていたものでした。
ぼんやりと魚みたいな生き物から変化して人類に、というザックリしたイメージは持ってましたが、もう少し詳しく知りたかったので、本当に良い本です。
このようなビックヒストリー系(人類アフリカ起源とか)の本を読む理由については、ナショナリズムやレイシズムに対抗する考えとして良いのでは?と思っていた時もありましたが、そのような人々にそういった考えは通じず、「嘘だ」「捏造だ!」と言われて話が終わってしまうことがわかったので、あんまり意味がない気がしてきてます。
この本はSNSで広告が流れてきて知ったのですが、このSNS広告のコメント欄を見ると、宗教的理由やインテリジェントデザイン説を信じる人からの批判的なコメントがありました。このことについて言及するのは、トラブルに巻き込まれそうなのでこれ以上は書きませんが、そういう人が決して少数ではないということは昨今実感として感じております。また、間違った進化論の解釈で優生思想的なことを言い出す人もいるので、なかなかめんどくさいです。
ビッグヒストリー系と大雑把にくくりましたが、そのような本にもいろいろあり内容的に信用できないものもあります。
他にもこのような本を読む理由について、
「やたらめったらスケールを大きくして考える、現実逃避だろ!」
とか言われそうですが、それもなくはないですが、それだけではないです。
じゃあなんなのかといえば、まあ、単純に知りたい、人間とは何か?、それを知ってどうするのか?、それも現実逃避じゃないのか?ということですが、この辺はうまく説明できませんが、何か重要な気がしております。まあ、自分の中のモヤモヤ、思考の問題点、行き詰まりを突破するためのヒントを探しているような感じです。
こんな僕の個人的な思いは置いておいても、このような本が出版されるということは、この「脊椎動物の進化から人類に至るまで」について知りたいと思う人が少なくない、需要があるということだと思います。
ちなみにamazonの「サル・人類学の売れ筋ランキング」で1位です。(2024年8月14日時点)
結構、僕が既に持っている本の中にも著者「土屋健」さんの名前が載っているものが何冊もありました。
そしてこの本と関係はありませんが、こちらも話題のベストセラー「万物の黎明」。
こちらの本もオススメです!こちらは人類史に関する本です。
既にこの本を読んだ人は、この2冊をどうして同時に紹介したのか、なんとなくおわかりでしょう。いや、わからないかもしれません。
参考文献
●「サピエンス前史 脊椎動物の進化から人類に至る5億年の物語』
(ブルーバックス B 2255) 新書
土屋 健 (著), 木村 由莉 (監修)
2024年3月20日第1刷発行
株式会社講談社
●「万物の黎明 人類史を根本からくつがえす」
著者:デヴィッド・グレーバー 、 デヴィッド・ウェングロウ
翻訳:酒井隆史
2023年9月30日初版 1刷発行
2024年6月10日 5刷発行
株式会社光文社