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芸術は漠然だ!~斉と公平太のムダに考えすぎ~

虫こぶブーム!?虫こぶは芸術だ!?

2024年5月10日

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2024年5月、筆者が近所で撮影した虫こぶ


上の画像は私が近所で撮影した虫こぶで、たぶん「イスノキハタマフシ」だと思いますが、違っていたらすみません。

最近「虫こぶ」ブームがくるのではないかと個人的に思っております。なぜなら、いつの時代も昆虫は大人気、ちょっと前までNHKで「昆虫すごいぜ!」って番組があったり、新甲虫王者ムシキング(セガ)があったり、ファーブル昆虫記とか、いろいろありますよね!とにかく、オールタイムいつでも虫が大人気!
そしてとうとう2024年は「虫こぶ」ブームがくるのでは?「虫こぶすごいぜ!」て番組がそろそろできてもいいんじゃないでしょうか??

「植物をたくみに操る虫たち ー虫こぶ形成昆虫の魅力ー 」 著:徳田誠 


「虫こぶってなんなん?」

という方もいるかもしれませんが、まあこのコラムを読み終わったら「虫こぶ」で検索してみてください!というのも無責任と思われるので、虫こぶとは、『植物をたくみに操る虫たち』(著:徳田誠)より以下引用しますと、

_________

『虫こぶ(専門的には虫えい、あるいは英語でコブを表すgallから単に「ゴール」と呼ばれることもある)とは、昆虫やダニなどが植物に化学的な刺激を与えて形成する構造である。___』____

『______同じ植物の上に、何種類かの昆虫が虫こぶを形成することもあるが、一般的に、昆虫の種が違えば、作られる虫こぶの形状も異なる。つまり、虫こぶは、生きた植物の上に現れた昆虫の「延長された表現型」といえる___』

引用元(「植物をたくみに操る虫たち: 虫こぶ形成昆虫の魅力」 著:徳田誠 2016)
________
と書いてあります。

『虫こぶハンドブック』著:薄葉重


さらに、『虫こぶハンドブック』(著:薄葉重)の「本書を使われる方に」の(3)から以下引用しますと、
____

(3)日本で記録されている1400種類の虫えいの、およそ1割について、写真の掲載および短い解説を行った。図鑑などに示されていない、あるいは未記録の虫えいが多数あることを念頭に、利用いただきたい。____

引用元(「虫こぶハンドブック」著:薄葉重 2003)
________________________

と書いてありまして、日本だけで1400種類!いろんな虫こぶがあるのです。

「むしこぶ みつけた(ふしぎいっぱい写真絵本30)」 写真・文:新開孝


ネタバレになりますが、この上記の本の表紙にある実のようなものも虫こぶです。虫によって植物が変形したものです。本当に不思議です。

僕は虫こぶの専門家じゃないので、ここから書くことは毎度の事ながらデタラメな妄想なので、学術的な価値は全くないです。そこんとこヨロシク。

「虫こぶ入門 虫と植物の奇妙な関係(自然史双書6)」 著:薄葉重 


僕が「虫こぶ」に興味があるのは、例えばハチが「ハチの巣」を作るのは、人間が材料を集めて家を作ることと似てると考えたりするのですが、同じように、この「虫こぶ」を人間で考えた場合に似たような例を思いつけなかったからです、そこに興味があります。

「虫こぶはひみつのかくれが?」 文:湯川淳一 絵:松岡達英


上の画像の本のタイトル「虫こぶはひみつのかくれが?」にあるように「隠れ家」、つまり「家」と捉えることもできるわけですが、その建築方法の「化学的な刺激を与えて形成する構造」というのは人間で例えるならどういう建築なのか?ということです。

「人間との比較がそもそも間違いだろ!それが人間中心の傲慢な考え方なんだよ!」

ということも言えますが、どうしても比較してしまうのです。それは人間とはなにか?美術とはなにか?ということにつながってくるような気がするからです。

まず、虫こぶ以外で人間の行為と比較しやすい例を考えてみますと、

例えば、
ビーバーがダムを作る。
ミノムシがミノを作る。
ヤドカリが宿を借りる。
蟻が農業をする。
アリジゴク、クモの巣、などなど、

「蟻の農業」は補足しますと、ハキリアリという蟻で以下引用しますと
____
___キノコを育てる熱帯アメリカにすむハキリアリは、大あごで葉を切り取り、集団で地下の巣に運び込んで、アリタケというキノコを栽培します。ハキリアリは、このキノコだけを食べています。____
(引用元 「小学館図鑑NEO 新版 昆虫」)
____

さらに例えば、虫ではなく植物では

ブルンスビギア
__「花は実をむすび、枯れてかわくと果序は風にちぎれて、ボールのように地面をころがります。ブルンスビギアは、風の力を利用して種をまくのです。」__

アルソミトラ
___「アルソミトラ(ハネフクベ) ヘルメット形の実が開き、翼をもつ種がグライダーのように飛びます。」_______

_____引用元「小学館の図鑑NEO 花 DVDつき」 

というのもあります。

このブルンスビギアとアルソミトラの場合は、自身以外の物質の改変ではなく、自身そのものですが、自身以外の風を利用するというところと、グライダーやボールのように人工物を例えに説明される部分が気になっております。

さらに人間以外の生物も火を使うのか?ということについて検索すると、鳥が火を使う、猿が火で暖をとるというネットの記事が出てきたりします。

また植物のユーカリが発火しやすいのもジャイアントセコイアが落雷しやすいのも山火事を誘発して種の生存を有利にするためだ、というようなことが書いてある記事があり、話として面白いんですが、一般社団法人日本植物生理学会の植物Q&Aの中で、この説は否定されているので、この説はないようです。参考にしたネット記事はコラムの最後に参考リンクを貼っておきます。

話を虫こぶに戻すと、人間との比較で考えた場合、虫こぶをどうやって考えたら良いのか、木を椅子の形に成長させて家具にするような例もありますが、それもちょっと違うような気もします。

「やはり人間との比較は無理だよ、これは建築というより寄生だよ」

まあ確かに事実としては虫が植物に寄生しているんですが。
寄生といえば、カタツムリをゾンビ化する寄生虫「ロイコクロリディウム」や、菌が虫を操る「ゾンビセミ」や「ゾンビ蟻」というのもあります。
そして個人的には寄生虫といえば、なんといってもカマキリに寄生する「ハリガネ虫」。

これは本当に個人的な話なのですが、僕は自分の小学校時代の出来事をほとんど覚えてないのですが、その少ない記憶の中で、いまだに強烈に残っているのが、このハリガネ虫との遭遇の記憶です。
ある日、小学校の下校途中、道の真ん中にカマキリが一匹いました。近所の同じ学年の子が急にそれを指して
「見ててよ」
と言いながら、いきなりカマキリを踏みつけて、
「出てくるよ」
と、僕に言ったのです。
なんのことかわからず見ていると、潰されたカマキリの中から、イキのいいハリガネ虫がウニョッと出てきたのです。その子は虫に詳しかったので寄生虫がいることを知っていてそれを見せてくれたのですが、突然カマキリが殺されたり、中から宿主より長い寄生虫ができたりと、寄生虫というものの存在を知らなかった子供頃の僕には衝撃で、51歳になった今でも時々思い出します。

話がだいぶそれましたが、これら「虫から虫への寄生」と、「虫から植物への寄生」では、なにか、こう、印象が違うのです。これは僕の個人的な印象であってなんの根拠もありません。
多分これは「虫」と「植物」というのが、生き物のカテゴリーとしてだいぶ違うのものだからではないかと思います。
寄生という言葉の持っているイメージが「カマキリとハリガネ虫」というような感じのものに強烈に刷り込まれてしまった僕には「虫こぶ」が寄生だというのはちょっと印象が噛み合わないのです。寄生によって生じた「こぶ」というのもあると思います。あくまでも僕個人の印象の問題ですが。

ということで、やはり個人的には虫こぶを寄生ではなく建築と捉えたい、というところに戻して話を進めます。

ここで、唐突ですが急に「延長された表現型」ということについて考えてみます。

以下引用
___________
延長された表現型
ドーキンス(Richard Dawkins)により提唱された概念で、遺伝子が発現することにより生じる表現型の範囲を、その個体により改変された周囲の環境にまで拡張したものである。
_________

____ある昆虫は、かならず特定の植物の決まった場所に同じ形の虫こぶを形成するために、虫こぶを見ただけで、形成者を特定することが可能である。したがって、虫こぶは生きた植物組織から構成されているものの、昆虫の「延長された表現型」とみなすことができる。______________

引用元 「植物をたくみに操る虫たち」 著:徳田誠 
____________

ということで虫こぶは「延長された表現型」ということです。

唐突ですが、ここで人間による建築も「延長された表現型」と解釈します。ということで、「虫こぶ」は「建築」!
さらに、急に「延長された表現型」ということを、誤読して、この「表現」を芸術でいうところの「表現」と、無理やりこじつけて解釈。(あくまでも誤った解釈ですので、本気にしないでください。)
「虫こぶ」は芸術だ!という結論です!

「いや、人の建築はまだ”延長された表現型”と言えるかもしれないけど、芸術が”延長された表現型”は言い過ぎだろ?あと寄生も”延長された表現型”だろ!」

と、怒られそうですが。

「延長された表現型」著者:R.ドーキンス


本当の「延長された表現型」の意味について知りたい人は、上の本「延長された表現型」(著者:R.ドーキンス)を読んでください。

参考文献 色々な虫こぶの本


参考リンク

●火を使って狩りをする鳥の存在が確認される
https://gigazine.net/news/20180122-australian-bird-use-fire/

●サルがたき火にあたって暖をとる様子を公開 愛知 犬山
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231220/k10014293831000.html

●一般社団法人 日本植物生理学会
植物Q & A 自然発火の仕組み
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1920


●椅子が生える? 家具を「育てる」英国人アーティスト
2015年5月26日 12:51 発信地:ワークスワース/英国 ヨーロッパ 英国
https://www.afpbb.com/articles/-/3049735

●カタツムリを“ゾンビ化”する寄生虫 ナショジオ
https://www.youtube.com/watch?v=ODA7oGPcVZM

●病菌が操る「ゾンビゼミ」、腹部脱落したまま飛行 交尾で感染拡大
2020/8/4
https://www.cnn.co.jp/fringe/35157666.html

●閲覧注意 菌に乗っ取られて“ゾンビ化”するアリは、筋肉だけを強制的に操られていた:研究結果
2019.08.22
https://wired.jp/2019/08/22/now-we-know-how-the-zombie-ant-gets-its-bite/

____
◾︎参考文献 

●小学館図鑑NEO 新版 昆虫 DVDつき
発行:小学館
2002年7月20日 初版第1刷発行
2014年6月23日 新版第1刷発行
2020年9月6日 第14刷発行

●小学館の図鑑NEO 花 DVDつき  
発行:小学館
2014年6月23日初版第1刷発行
2022年12月6日 第12刷発行

●「植物をたくみに操る虫たち ー虫こぶ形成昆虫の魅力ー(フィールドの生物学21) 」
著:徳田誠 
発行:東海大学出版社
2016年11月30日 第1版第1刷発行

●「虫こぶハンドブック」
著:薄葉重 
発行:文一総合出版
2003年6月20日 初版第1刷発行
2007年4月25日 初版第3刷発行

●「虫こぶ入門 虫と植物の奇妙な関係(自然史双書6)」
著:薄葉重 
発行:八坂書房
1995年8月25日 初版第1刷発行

●月刊たくさんのふしぎ1992年5月号(第86号)
「虫こぶはひみつのかくれが?」
文:湯川淳一
絵:松岡達英
発行:福音館書店
1992年5月1日発行

●「むしこぶ みつけた(ふしぎいっぱい写真絵本30)」
写真・文:新開孝
発行:株式会社ポプラ社
2016年5月 第1刷
2022年7月 第7刷

●「延長された表現型」
著者:R.ドーキンス
翻訳:日高敏隆 遠藤章 遠藤知二
発行:紀伊國屋書店
1987年7月10日発行

2024年5月、筆者が近所で撮影した虫こぶ


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