続報!「175万年前の石器が美術の始まり」について。
2022年1月31日
■『175万年前の石器が美術の始まり』は「新説」でも「珍説?」でもなかったです!
私、今から約2年前の2020年2月21日
『新説!珍説?美術の始まりは175万年前の「石器作り」?』
https://plus.chunichi.co.jp/blog/saitou/article/591/9329/
というタイトルのコラムを書きました。
内容に間違いがあったらまずいと予防線としてタイトルに『珍説?』最後にも『?』と付けていたんですが、別に「新説」でも「珍説?」でもありませんでした!気を使って「新説」「珍説?」「〜?」とつけたのが逆に間違いでした。
というのも、昨年の終わり2021年12月20日に発行された新しい西洋美術史の本に『美術の始まりは175万年前のアシュール型石器』というような趣旨のことが載っているんで、定説だったということです!
その新しい西洋美術史の本が上の画像にある
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『美術出版ライブラリー 歴史編 秋山聰、田中正之(監修) 西洋美術史』
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です。
なんと!175万年前アシュール型石器から始まってる年表が載ってるじゃありませんか!!しかも文中にも175万年前、アシュール型石器を美術の起源と位置付けて書いてありますよ!
まあ、専門家の間では175万年前が美術の始まりということは定説だったのでしょう、僕が知らなかっただけでした、すみません。お詫びいたします。
とはいえ、この本より約2年早かった私のコラム!逆に2年前のコラムを、この新しい「西洋美術史」のパクリだと思われるのも嫌なので、ハッキリとここに書いておきます!
この本の発行の約2年前に書いたのでパクリじゃないですよ!!
■「貝化石があるハンド・アックス」のカラー写真
ちなみに、この新しい西洋美術史の本ですが、『<貝化石があるハンド・アックス>50万年〜25万年前』のカラー写真も掲載されておりました。この「貝の化石のついた石器」については「ヒトはなぜ絵を描くのか」中原佑介編著(2001)の中で形質人類学者片山一道氏が
『_私は最古のアートだと思っているのですけど、五十万年から七十万年ぐらい前の石器、ハンドアックス(手斧)みたいなものに二枚貝の化石が付いているのです。』__
__『何らかの美的な感覚、審美的な感覚に突き動かされて作ったのではないか』___
(「ヒトはなぜ絵を描くのか」より引用)
と言及しているのですが、この本自体に写真の掲載はないので、ずっとこの「貝の化石のついた石器」を見たいと思っていたので「この西洋美術史の本を購入して良かったです。」とカスタマーレビューのようなことを書いてしまいましたが、決してステマではないですよ!
そして美術史の本として最近買った本も、もう1冊紹介します。
『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』
(ジョン フィンレー著、 上野 正道監訳、名取祥子訳、2021月12月15日に発行)
こちらの本には50万年前の表面に模様を彫り刻んだ貝の写真が掲載されております。他にも後期旧石器時代の「ヴィーナス小像」を「女性の小像」と決めつけるのは性差別的なバイアスが、かかっているのではないのか?と疑問を呈するような論も紹介されており、いろいろ勉強になりました。本コラムでヴィーナス像として取り上げたものも、訂正しないといけなくなるかもしれません。
というわけで、美術史の本もいろいろアップデートされておりました。
しかし、石器について書いてない上の画像の「西洋美術史」(2002)も引き続き参考にしていきますよ!
(今回のコラムは過去記事の訂正の意味とパクリ疑惑回避のために書きました。)
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告知
そして私の展示のお知らせです!
1月22日から開催の『ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術』と、同時開催のコレクション展に私、斉と公平太の旧作(2009-2010)が展示されます。
[会期]
2022年1月22日(土)~3月13日(日)
[会場]
愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
[開館時間]
10:00〜18:00
金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
[休館日]
毎週月曜日
[観覧料]
一般 1,400(1,200)円
高校・大学生 1,100(900)円
中学生以下無料
※( )内は前売券および20名以上の団体料金です。
※上記料金で、同時開催のコレクション展もご覧になれます。
詳細
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/000341.html
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今回の参考文献
◉『美術出版ライブラリー 歴史編 秋山聰、田中正之(監修) 西洋美術史』
株式会社 美術出版社
発行2021年12月20日 第1刷
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◉「ヒトはなぜ絵を描くのか」
編著者:中原佑介
対談者
田淵安一(画家)、河合雅雄(サル学者)、橘秀樹(音響工学者)
中沢新一(宗教学者)、若林奮(彫刻家)、梅樟忠夫(民族学者)
岩田誠(脳神経学者)、片山一道(形質人類学者)、
前田常作(画家)、李禹煥(造形作家)、木村重信(美術史家)
発行日 2001年7月17日初版 2010年10月10日第3版
発行所 フィルムアート社
(隔月刊「草月」228号~243号 1996年10月~2000年4月を1冊にしたもの)
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◉『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』
ジョン フィンレー (著), 上野 正道 (監訳) 名取祥子(訳)
2021年12月15日発行
株式会社ニュートンプレス
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◉『増補新装[カラー版]西洋美術史』
監修:高階秀爾
発行日:1990年5月20日初版
2002年4月10日第37版
2002年12月10日増補新装初版
2004年9月20日増補新装第4版
発行所:株式会社美術出版社
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