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芸術は漠然だ!~斉と公平太のムダに考えすぎ~

「将棋形チェス」新事実発覚!?オリジナリティとは何か?

2021年5月17日

◇「将棋形チェス」新事実発覚!?オリジナリティとは何か?


本コラムで、私が製作した「駒の形は将棋でルールはチェス」の「将棋形チェス」について何度か書いてきました。

「将棋形チェス」TALION GALLERYでの展示写真 2019 撮影:木奥恵三(Keizo Kioku)


そして、2019年3月29日の記事の中で、「特許庁のデータベースで検索したが、将棋の駒の形をしたチェスは出てこなかった」と書きました。
https://plus.chunichi.co.jp/blog/saitou/article/591/8473/

しかし、それは間違いでした。訂正をいたします。すみませんでした。今回は、この件について、あらたに調べてわかったことを書いていきます。

◇将棋の形のチェス、1950年に出願あり

結論から先に言いますと、「将棋の形をしたチェス」は1950(昭和25)年に意匠出願されて登録もされていました(意匠登録 0095122)。また、意匠ではなく特許・実用新案で、1978(昭和53)年にも将棋の形をしたチェスが出願されていました。こちらは登録されていません。(※出願人の名称はプライバシーの観点から書きません)

◇なぜ、検索でヒットしなかったのか?その理由

前回、私は特許庁のサイトの簡易検索で「意匠登録」に範囲を限定して「チェスの駒」「西洋将棋」というワードで検索していました。この検索方法では、今回の情報はヒットしません。そのため、将棋の形をしたチェスの記録は無いと勘違いしてしまいました(チェスの意匠をした将棋は複数ヒットしましたが、それはチェスではなく将棋のルールです)。

「意匠登録」に限定して検索していた理由は、チェスのルール自体は既にあるものなので、これは特許・実用新案にあてはまらないと思ったためです。それと、京都将棋が特許を出願したが、登録できなかったという情報をネットで見ていたので、この案件は意匠だろうと思ってました。しかし、特許・実用新案の検索で1978年の出願の記録がヒットしました。

そして1950年の「将棋の形をしたチェス」ですが、こちらは出願書類では
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『意匠の名称 1組の将棋駒の形状及び模様の結合』

『意匠を現すべき物品 第17類 1組の棋将の駒』

(※「1組の棋将の駒」という部分は原文ママです)
_____
というふうに「チェス」や「西洋将棋」という言葉は使用されていません。これを見つけたのはワード検索ではなく、これとは別の将棋の駒の意匠登録(チェスの意匠を取り入れたもの)の出願書の中の「参考文献」という項目にリンクが貼ってあり、その中の図を見て、やっとチェスだとわかりました。

◇「チェスの意匠を取り入れた将棋」と「将棋の形をしたチェス」

参考までに「チェスの意匠を取り入れた将棋」と「将棋の形をしたチェス」を出願順に表にしてみました。

「チェスの意匠を取り入れた将棋」と「将棋の意匠を取り入れたチェス」の出願順の表


出願しても登録されてないものもあります。「チェスの意匠を取り入れた将棋」の2000年の4件は、それぞれ別の人が出願しています。同じ年に出願が重なっているのは、偶然なのでしょうか。

1997年に実用新案で登録されているものがありますが、なぜ意匠ではなくて実用新案で登録できたのか?これは申請書に「進行可能な方向を示す表示」という記述もあり、こちらのアイデアで発明と認定されたのでは?と推測したのですが、調べてみると、これより先の出願で、1983年8月17日の実用新案に「進行可能な方向を示す表示」という同じものがありました。この辺りの理由は、弁理士の方に訊いてみたいところです。

◇読者からのメッセージ「KO型西洋将棋」

今回、なぜ調べ直したのか。それは、昨年11月17日に中日新聞WEBの問い合わせに読者の方から

「将棋型のチェスは既に存在しており、私は所有している」
「かなり古いものであり」
「KO型西洋将棋 第14882号出願中と盤に書かれている」

というような内容のメッセージが届いたからです。

で、焦ってすぐに「KO型西洋将棋」と検索してみると、なんとこの名前の商品、偶然にもちょうどその時、ヤフオクに出品されており、落札されたばかりだったのです。画像を見ると、古そうな箱に「KO型西洋将棋 五號」と書いてあります。

しかし、この商品の駒は将棋の形(5角形)はしていませんでした。チェスの記号を平らにした形でした(現在はヤフオクで検索しても出てきません)。スクリーンショットを撮って保存したので、その画像をアップできれば良いのですが、ヤフオクの出品商品の画像の著作権のとり扱いがわからないので、やめておきます。

ちなみに、持ち運んで遊べるチェスとして平らの形の駒に記号が描いてあるものは、検索すると、いろんな種類が出てきて、普通に販売しております。出願番号も送ってくださったのですが、特許庁のサイトは、出願した年がわからないと検索が困難なので、見つけることができませんでした。上の表にあげたものの中の出願番号に一致するものはありませんでした。

このヤフオクで見つけたものが、メッセージをくださった方が所有している「KO型西洋将棋」と同じ種類だとは断定できませんので、持っている「KO型西洋将棋」の画像を送ってほしい、と連絡してもらったのですが、それから返事がないので真相はわかりません。

しかし、これがきっかけとなり詳しく調べることができ、間違いにも気がつきました。メッセージをくださった方、ありがとうございました。感謝いたします!

◇オリジナリティはゼロ??

ここまで、読んで、こう思う読者の方もたくさんいるかと思います。

「おまえより先に考えた人がいるなら、おまえのオリジナルじゃ無いじゃないかよ!怒!」


ちょっと待ってください!僕の話を聞いてください!説明(言い訳)させてください!

「2021年の現在の段階で将棋形チェスというものは商品として販売、普及はしていません。それを現実として商品化して商品として流通させ、流行らせようとする、という行動、活動、行為が、オリジナル作品なのです!!」

ちなみに
●『意匠権の存続期間は意匠登録出願の日から最長25年をもって終了します。 ※ 平成19年4月1日から令和2年3月31日までの出願は設定登録の日から最長20年です。』

●『特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了する(第67条第1項) 』


ということで、私は商品化を諦めてはいないです!!

ということで、将棋形チェスのキャラクターも考えました。名前はまだ考えてません!

ということで、将棋形チェスについて次回に続きます!

▲補足のコーナー、文中で紹介できなかった情報やリンクを紹介!
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★補足1)
文中で紹介したヤフオクで見た「KO型西洋将棋」の紹介文
<『紙箱サイズ約25.8x2.3x25.8cmKO型チェスゲーム『西洋将棋 五號』(駒揃っています、台座一辺欠品、紙箱四隅破れあり)になります。経年によるスレ汚れシミ跡等有ります画像判断にてNC/NRで不明な点は御質問宜しくお願いします。ヤマト宅配便にて発送します。』>(ヤフオクの紹介文から引用 現在は消えてます)

また出品されたら落札しようと思って毎日ヤフオクをチェックしております。
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★補足2)
将棋の特許実用新案、意匠登録には
「チェスの意匠をとりいれた将棋」以外にも「将棋の駒にローマ字でフリガナ表示」「将棋の駒の名前を英訳表示」「進行可能な方向を示す表示」など色々ありました。
申請書をみると、将棋の国際化が狙いのようです。将棋の国際化といえば、中日新聞にこんな連載がありました!
『将棋を世界に』
『将棋の国際化をテーマにした長期連載。藤井聡太二冠をデビュー前から取材してきた文化芸能部の岡村淳司記者が、古今東西の普及活動やキーマンを取材します。』
https://www.chunichi.co.jp/wadai/feature/shougiwosekaini
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★補足3)
ネットで見つけた将棋の形の駒でチェスをやるという2014年の記事です。

デイリーポータルサイト「無地の将棋の駒を手に入れた」 T・斎藤 2014年2月28日 
https://dailyportalz.jp/kiji/140228163428
T・斎藤さんが書かれたこの記事の中で、無地の将棋の駒に「女王」という文字を水転写シールで貼るという部分があり、「チェスも将棋のコマでしたい」という記述がありました。このコラム面白いです!
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★補足4)
ネット検索で見つけた個人的に気になった将棋やチェスの商品の情報とリンクです。
↓↓↓↓↓↓↓↓

クレージーハウス
『クレージーハウス(Crazyhouse)は、変則チェスの1つ。持ち駒ルールがある。』出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9

●『こけしのチェス こけス』

<『商品説明
駒はこけしでルールはチェス「こけス」
地域の活性化を目指した青森県立黒石商業高等学校の高校生が、地場産業である津軽の伝統こけしと世界的なチェスゲームをコラボレーションさせました。その名を「こけス」といいます。』>
https://kagurazaka58.thebase.in/items/27110412


●「shogi perfecto」
<アブストラクトゲーム博物館
『2016年秋に発表以来世界中で大好評のshogi perfectoが、2017年はじめに新しいバージョンが加わりました。これまでのショーギ・ペルフェクトを『粋(iki)』、新しいペルフェクトを『禅(zen)』と名付けました。』>

https://www.nakajim.net/index.php?Chess%E3%81%A8%E5%B0%86%E6%A3%8B%E3%81%AE%E4%BB%B2%E9%96%93


●エクストリーム将棋

<『いきなり最終局面!超短期決戦の将棋ゲーム!
JELLY JELLY GAMESとのコラボ! 古典的なゲームの将棋がハラハラドキドキの新たなゲームに生まれ変わりました!』>
https://www.hanayamatoys.co.jp/product/category/game/game/extremeshogi.html

●ショーギロボ バンダイ
<『キャラクター:ショーギロボ 商品名:ショーギロボ
全駒そろえて、将棋で勝負! 将棋の駒がロボットに変形!!150円/全6種類(くみたてモデル)/ガム入り』>
https://www.bandai.co.jp/candy/products/1985/51008.html

●SHOGI WARS ショーギウォーズ バンダイ

こちらも将棋の駒がロボットに変形、これ子供の頃同級生が持ってました。「SHOGI WARS」で画像検索してみてください!
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★補足5)

将棋形チェスについての過去のコラムのリンク

▪️2019年を大胆に予想!チェスブームがくる!!(2019年1月11日)
https://plus.chunichi.co.jp/blog/saitou/article/591/8250/


▪️2019年大ヒット間違いなし!「将棋形チェス」商品化メーカー大募集!!(2019年3月29日)

https://plus.chunichi.co.jp/blog/saitou/article/591/8473/


▪️緊急特別企画「祝!藤井聡太七段、最年少タイトル獲得」に便乗させていただきます
(2020年7月17日)
https://plus.chunichi.co.jp/blog/saitou/article/591/9602/

▪️平安時代の将棋の駒を見て考えたこと。
(2020年8月25日)
https://plus.chunichi.co.jp/blog/saitou/article/591/9662/

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