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芸術は漠然だ!~斉と公平太のムダに考えすぎ~

毛の移動錯覚と「岡京」「静東」

2020年9月18日

数年前、右腕にあるホクロに長い毛が生えていました。

周辺には毛は無く、1本だけがピロロ〜ンと唐突に生えていました。しかし、生える度に抜いていたら、いつからか生えなくなりました。しばらく、毛のことは忘れていたのですが、ある時ふと気がつくと、なんと、もともと毛が生えていたホクロのすぐ近くに、長い毛が生えていたのです。ホクロでもなんでもない場所から。

この時僕は
「もしかしたら、執拗に抜いていたホクロの毛がこちらに移動したのでは?」

と、一瞬思ったのです、一瞬だけですが。もちろん移動するわけありません、無関係です。

なぜ毛が移動したかと思ったのか、それは、

「前に生えていた場所の近くに生えてたから。」

そうなのです。これがもっと離れた場所ならそう思わなかったのです。

位置が「近い」から関係あると思ったのです。そこで今回は「距離と関係性」について考えてみます。

◆(例1)

数年前名古屋駅で新幹線に乗ったときのことです。

この上のエスカレーター横の表示を見て、僕は「岡京」「静東」ってなんだろうと一瞬、思いました。文字と文字の距離が「近い」方を読んでしまったからです。

「そんなのあんただけだよ!」と突っ込まれそうですが。

もちろん新幹線を利用する人は「静岡」「東京」など、あらかじめ知っていることが前提だと言えます。この場合、文字の間隔の距離よりも、意味の方が強いからだと考えられます。しかしこれがもし、知らない地名だったらどうだろうかと思います。(もちろん下の文字が横書きであることから、横に読むということは判断できるということも考えられます)

◆(例2)

この下のありがとうの図、縦と横のどちらが早く認識できるでしょうか?

僕は縦です。これは縦の方が文字の間隔が近いからです。

◆(例3)

栗鼠、金、理科、脛、をカタカナで書いたものを下の図のように配置して、文字同士が離れていても、外枠で「縦読み/横読み」の判断に影響するかを見てみました。

「いや、それは単に読みやすさの問題だろ?」と突っ込まれそうですが。

◆(例4)

さらに、下の漫画を描いてみました。

この漫画のように、横にいるのが彼女だと思ってしまうのではないでしょうか?

「詭弁じゃね~か?例が極端すぎるんだよ!」とお叱りを受けそうですが。

まあ、以上のような理由により、生えた場所が近いから関係あるかも、ホクロに生えてた毛と同じ毛かもと思ったわけです(もちろん違いますが)。

ともあれ、関係性と距離の近さを関連づけて考えてしまう場合と、そうでない場合があるということは間違い無いです。

現代美術では、本来関連性のないもの同士を同一画面上や空間に配置することによって、別の意味を生み出したり、あらためて個々の意味を問いなおす、というような手法があります。

さらに、現実の日常的な例を見てみると、客観的な重要度とは無関係にテレビや新聞で見ることが自分と関連性がある、重要性があると思ってしまう場合があります(もちろん、本当に重要な出来事もあります)。そのようなことも、そのものの意味とは無関係に、メディアによって距離を「近く」感じさせられているともとれます。

個々の出来事の意味や関係性の意味を吟味して判断する必要があります。

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