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芸術は漠然だ!~斉と公平太のムダに考えすぎ~

アニメ「それいけ!アンパンマン」に突如映った謎のカット

2018年5月31日

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それは突如テレビ画面に現れた!


突如映った謎のカット

ある日、テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」を観ていたら、突如画面が抽象画の様なカットになり、またすぐに、通常アニメパートに戻るというようなシーンに出くわした。

「放送事故?」

いや違う。
なぜなら、その次の週の放送でも同じようなシーンで画面が抽象的なカットになるのである。(以降、何週か放送を視聴し確認したが、ほぼ毎回この問題のカットはでてくる)

著作権の関係で、そのテレビ画像をここでそのまま使用することはできない。なので、問題のカットを見ながら大雑把にスケッチしたものをここに掲載する。キャラクター自体の模写でないことや引用であることを明記するので、ご了承していただきたい。


問題のカットのスケッチを描いた。

テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」のカットを鉛筆でスケッチ


描いてみた、それがこれである。画面全体が、絵の内容としては前後のカットとの連続性のない抽象的な絵である。この中に登場人物や風景、背景画としての要素は一切ない。これはいったいどいうことだろうか、謎である。

テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」のカットをスケッチ着色


謎は解けた!

しかし、この謎は観賞二度目で解けたのである。

これはアンパンマンの打撃がバイキンマンにヒットする瞬間の衝撃を抽象的に表現したカットだということである。

テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」のパンチのシーンについての図


アンパンマンを観たことがない人には、わかりづらいと思うので、下の図例を作成しました。

アンパンマンを観た事がない人用の説明図


フランク・ステラを彷彿とさせる抽象画

ぜひ放送で、そのシーンのカットに注目して確認して欲しい。
まるで巨匠中の巨匠、フランク・ステラ(1936~)のレリーフの作品を彷彿させる抽象画のようである。(あくまでも、あくまでも個人的な印象です)

参考書籍 左:「現代美術 第18巻 ステラ」(講談社) 右:「フランク・ステラ-総合芸術プロジェクト」(淡交社)


しかし、いまだかつてアンパンマンの、このシーンを「難解だ」「理解できない」という声を聞いたことがない。


前後の流れ

「マンガやアニメの記号的な表現だから、あたりまえだろよ!」「前後のカットの流れを観ればわかるだろ!」

という、声が聞こえてきそうである。

マンガ、アニメの記号的な表現であれば「学習による理解」が必要になってくる。これは子供向けの番組である。学習以前の「前後のカットから意味を解釈する」の方が、より意味の理解としては強いと思われる。


「意味わかんね~よ!」

筆者のグループ展出品作品 展示写真(2016年)


僕は抽象的な絵を描いて個展やグループ展で展示したとき、観にきた人に

「意味わかんねーよ!」

と、ブチ切れられることが度々あるのだが、その度になんと返せば良いのかわからなかったのだが、、

しかし、このアンパンマンのカット、シーンを見て、ようやくわかったのである。

今度から

「意味わかんねーよ」と言われたら、

「これはですね、アンパンマンのアンパンチのカット1と、バイキンマンがぶっ飛ばされる3のカットの間に入る2のカットの絵です!」

「あ~そうか、な~~るほど!そういうことか!」

というふうに納得してもらえるにちがいない!

ん~なわけない。

筆者の個展 展示写真(2015年)


1枚の絵と2枚の見えない絵

美術館に展示された1枚の絵に対して、その前後に2枚の目に見えない絵、「アンパンマンのパンチ」と「吹っ飛ばされるバイキンマン」の絵があると思っておいた方が良い。「アンパンマンのパンチ」とは美術史であったり、展示空間だったりするかもしれない。「吹っ飛ばされるバイキンマン」は、その作品の存在以降を意味する。

現代美術を鑑賞するということは、目の前にある2を観て、そこに存在しない1と3に思いをめぐらすということなのである。

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