なめさせておけばいいよ。
東京在住の女性A様が「頑張れば頑張るほど一人になる」と言った。本音を言うとみんな離れていく。拒絶される怖さや、見捨てられる怖さが胸の内側にずっとあって、それを外側に出すことができない。やりたいことをやるよりも、周囲の人がやって欲しそうなことばかりをやってきた気がする。気づいたら心の内側はからっぽになって、自分はなんなのか、なんで生きているのかがわからなくなった。A様は、そのようなことを言った。
熱海の家に来たA様は、明るくて活発で、元気な雰囲気を纏っていた。だが、A様は「私は本当は全然いい子じゃないんです」と言った。いい子が身についてしまっているだけで、明るいと言われると苦しくなる。笑顔が苦しくなる。いい子でいるのは、いい子でいると褒められるから。認められるから。居場所を与えられるから。いい子になれば、相手をコントロールできるから。いい子でいることをやめたい。だけど、やめ方がわからない。坂爪さんに会えば、何かわかるかなと思って連絡をした。A様は、そのようなことを言った。
私はなにも言わなかった。頭の良いA様だから、なにを言っても「そんなことはわかっている」となるような気がした。頭の良さは財産だけれど、時折、重荷にもなる。頭に重心が偏ると、常に、眉間に皺が寄っている感じになる。重心は腹に、頭はからっぽでいるくらいが、ちょうど良いのだと思う。だから、ただ一緒にいた。できるだけ、深い呼吸をするようにした。自分が深い呼吸をしていると、一緒にいる相手の呼吸も、深くなるような気がする。自分が落ち着けば、相手も落ち着く。言葉ではなく、態度が、落ち着きを与える。
A様は「頭ばかりになっていました」と言った。私はなにも言わなかったが、A様は、私が考えていたようなことを言った。自分で感じて、自分で掴んで、自分の内側から湧き上がってきた言葉によって、涙を流した。A様は「頭ばかりじゃだめですね」と言った。私は、そんなに頭のことを悪く言ったら、頭が可哀想だよと思った。頭は、よく頑張っている。頑張れと言われたから頑張ったのに、頑張れと言った人から「お前はダメだ」と言われたら、頭も、報われない。頑張れば頑張るほど一人になる。自分がされて嫌なことを、自分にやってしまっている。A様は「私はプライドが高いのだと思います」と言った。いい子を演じるのは、嫌われたくないって思いもあるけれど、なめられたくないって思いもあるのだと思います。
なめられてもいいんだよ。なめられても平然としている方が、なめてくるひとよりも、よっぽどでっかいんだよ。なめられたくないのは、自分が誰かをなめているからだよ。自分が誰かを下に見ているから、自分が下に見られることを恐れているんだよ。嫌われたくないとか、他人の目線が気になるとか、それ、全部、横だろ。縦を見ろよ。ハイヤーセルフみたいなものがあるとしたら、それは「なめられるな」とは言わない。なめさせておけばいいよと、ハイヤーセルフは余裕の笑みだ。なめられてもいいんだよ。なめられても平然としている方が、なめてくるひとよりも、よっぽどでっかいんだよ。横ばかり見るなよ。たまには縦を見ろよ。そのようなことを言ったら、A様は涙を流した。帰り際、A様の顔を見てびっくりした。人間の顔はこんなに変わるのかというほど、柔らかで、あたたかな表情になっていた。春が来て、凍りついた大地が溶け出したような笑顔だった。
おおまかな予定
12月17日(火)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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