因数分解という言葉、大人になった今でも覚えていますか?
日常ではほとんど使う機会のない因数分解、なんとなく数学で習った気がする…けれど、やり方は忘れてしまったという人が多いかもしれませんね。
今回の問題に挑戦して、因数分解の基本を思い出してみませんか。
問題
(問題)
次の式を因数分解して下さい。
x^2+15x+54
解答
正解は、「(x+6)(x+9)」です。
因数分解とは何をすることだったか、思い出してきましたか?
次の「ポイント」で、因数分解の手順を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「乗法公式を利用して因数分解すること」です。
まず、因数分解とは何かを確認してみましょう。
因数分解は、簡単に言うと「式を積の形にすること」です。今回の問題では、x^2+15x+54がA×Bの形になるように式を変形していきます。
しかし、掛けるとx^2+15x+54の形になるAとBをやみくもに探してもなかなか見つからないでしょう。
そこで利用すべきなのが、乗法公式です。乗法公式とは、式を展開するときに使われる公式です。
乗法公式にはいくつかの種類がありますが、今回使うのは次のものです。
<乗法公式>
(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
右辺「x^2+(a+b)x+ab」と今回の問題「x^2+15x+54」を比べてみましょう。
a+bが15、abが54であるaとbが見つかれば、式を左辺のような積の形にできると分かります。
aとbの組み合わせを見つけるには、a+b=15よりもab=15を使ったほうが簡単です。
では、掛けると54になる二数の組み合わせを探してみましょう。
- 1と54
- 2と27
- 3と18
- 6と9
数学では負の数も扱いますので、-1×(−54)のような組み合わせも考えるべきでしょうか?実は、abが負の数×負の数の組み合わせであるケースは今回の式ではありえません。なぜなら、a+bは15という正の数になっているからです。負の数+負の数の足し算は負の数にしかならないので、aとbの組み合わせとして負の数は考えなくても大丈夫です。
では、上の4パターンから「足して15になる」ものを探しましょう。
- 1と54→1+54=55
- 2と27→2+27=29
- 3と18→3+18=21
- 6と9→6+9=15
掛けて54、足して15になる組み合わせは6と9です。後は、この二数を乗法公式のaとbに当てはめるだけです。
x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
x^2+15x+54=(x+6)(x+9)
※aとb、どちらを6にしても9にしてもよいですが、ここではa=6、b=9としています。
これで因数分解が終わりました。
まとめ
今回の問題では、因数分解に挑戦しました。
因数分解とは、式を積の形にすることです。乗法公式を使うことで、効率よく因数分解できます。以下の乗法公式はとてもよく使うので、覚えておきましょう。
x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
因数分解の問題は他にもありますので、ぜひ挑戦してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。