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KLiSの兄です、図書館情報学について真実をお話します。【多分これが一番くわしいと思います】

16,874字

※タイトルは嘘です、兄ではないし、真実かも保証しません
追記: 後でもっとマシなタイトルに直します

let us not restrict ourselves to grubbing around in the garden patch of a limited, little information science, restricted to the relationship between information and machine. […] Because the world we live in is surely a world of information.

(Wilson, 2010)

冗長なまえがき(読む必要ないです)

はじめまして KLiS'23 の miya です。klis Advent Calender 2024 16日目の記事になります。

15日目の9534さんの記事はこちら→ [電子工作 間に合わなかったら研究室配属の話]()

突然ですが KLiS の皆さん。

「図書館情報学って何なの」

ってよく聞かれますよね?(聞かれないと思うあなたは春日に染まってます、外に出ましょう)

うまく説明できますか?

「司書の業務を専門的にまとめて、それに情報学が加わって~…」みたいに当たり障りない感じでいつも自分は答えてるんですが、そのたびにいつもモヤモヤしています。自分でもよくわかってない…


ChatGPTのイメージする図書館情報学
参考: ChatGPT くんがイメージする図書館情報学(DALL·E 3で生成)

そこで図書館情報学が何なのか本やインターネットで調べてみると全然情報がない!!!

…っていうほどではないですが、なんか全部わかりそうでよくわからない説明をしています(※個人の感想です)

図書館情報学についての情報を誰かがまとめてくれてたら少しは楽なのですが…、もちろんそんなものはありません。

ということで今回はそれを作りました。ただし自分が知る限りのものなので全然網羅的ではないです。あと間違ってる箇所を見つけたらTwitterとかで連絡ください。

こういう 「特定の主題に関する各種情報資源や探索方法を紹介・提供する初歩的なツール」のことを図書館情報学ではパスファインダーと言うらしいです (日本図書館情報学会用語辞典編集委員会, 2020)。ちなみに KLiS では2年次秋の知識情報演習で扱います。


嘉悦大学情報メディアセンター パスファインダーのためのパスファインダー
参考: 嘉悦大学情報メディアセンター パスファインダーのためのパスファインダー

補足: 図書館情報学のことを英語では Library and Information Science、略称でLISと書いたりします。本記事も適宜、図書館情報学をLISと略記します。

ところで、度々KLiSってなんの略称かみたいな話題があったりしますがこちらは "K"nowledge and "Li"brary "Science" の略です、どうでもいいですね。もっとどうでもいい話として、 KLiS の名前の由来にもなっている知識情報学の英語の名称は「Knowledge Informatics」なので information scienceとは表記されないらしいです (石井, 2011)。(まあ正式な学術分野なのかは微妙なところなので公式が勝手に言ってるだけという説もあります。)

注意事項

一応保険をかけるために注意事項を以下に列挙しときます。

  • 全然網羅的ではない

  • 内容的に中立ではない、事実と意見が明確に区別されてない箇所があります

  • 記述には誤解や間違いを多く含む

  • 紹介した内容すべてをちゃんと読んでるわけではいです

  • 全くパスファインダーの形式に則っていない

  • 各セクションごとに関わる文献を提示したので複数回言及されているものがあります


図書館情報学のパスファインダー

それでは本題のパスファインダーに入ります。一応『図書館情報学用語辞典 第5版』[1]のパスファインダーの定義の全文を掲示しておきます。

利用者に対して,特定の主題に関する各種情報資源や探索方法を紹介・提供する初歩的なツール.通常,その図書館のコレクションやサービスを対象として作成される.1969年に米国マサチューセッツ工科大学で考案された.当初は一枚物のリーフレットとして提供されたが,現在では図書館ウェブサイトから電子的にも提供される.個々の資料・情報資源が人為的に重み付けされた上で解題を付してリスト化され,調べ方に関する解説もなされているため,単なるリストやリンク集とは異なる.トピックガイドと同義で使われることもあるが,この場合,資料・情報資源の紹介に留まることが多い.

(日本図書館情報学会用語辞典編集委員会, 2020)

1. 図書館情報学の定義

とりあえず「図書館情報学とは何か」について言及しているものを色々取ってきて一覧にしました。見つけた順に載っけてるだけなので順番に特に意味はないです。

  • 『図書館情報学用語辞典 第5版』[2]

図書館学に情報学が付け加わった研究領域.図書館学が中心とする図書館にかかわる諸現象,具体的には,制度,運営,書誌コントロール,資料,サービス,利用,それに施設などに加えて,情報やメディアの性質,それらの生産から蓄積,検索,利用までの過程を対象とする.

(日本図書館情報学会用語辞典編集委員会, 2020)

多分これが一番オーソドックスな説明だと思います。歴史的に図書館学から始まって、それから情報学が生まれて合流する感じ。 ただ個人的には、説明が図書館図書館しすぎてるのがちょっと気になります。

  • 『図書館・情報学研究入門』[4]

とりあえずの定義として,図書館・情報学とは「人間の知的活動によって生産された情報の諸側面を研究する学問」であるとしておく。

(三田図書館情報学会, 2005, p.185)

本書はオムニバス形式になっています。その中から緑川先生の「図書館情報学入門の入門」という章から引いてきました。なので本書全体がこの定義に従っているというわけではありません。緑川先生は、物理学者である朝永振一郎がエッセイで述べた物理学の説明に倣い、このような記述をしています。実際間違ったことは言ってないし簡潔にまとまっているという印象があります。LIS が扱う情報は人間が生産されたものに絞っていいのかという点や、情報の諸側面ってもっと説明が必要そうな点が気になります。

  • 『図書館情報学概論:記録された情報の力 第2版』 [5]

情報学は研究領野のひとつであり、その関心対象は記録された情報やドキュメンテーション活動であり、ドメイン分析の観点から、情報のコミュニケーション連鎖を構成する各要素に焦点を当てて研究するものである。

(Bawden et al., 2024, p.4)

今年の8月に新版が出版された書籍です。現在の LIS について過不足ない説明が与えられているという感じがします。また、「研究領野」というワードによって LIS の学際性にも触れられているのがよいです。ただし、「研究領野」や「ドメイン分析」、「コミュニケーション連鎖」などの専門用語については別途説明が必要という欠点があります。以下簡単にまとめます。

  • 研究領野: 関心ある主題に焦点を当て、それにまつわる知識を分野横断的に用いる学問分野

  • ドメイン分析: 情報について諸現象の中で、特にある分野(ドメイン)に固有のものに焦点を当て、それらを研究すること

  • コミュニケーション連鎖: 情報が生まれてから流通・貯蓄され廃棄されるまでの一連のライフサイクル

(説明されても結局まだわからんよって感じもしますが…)

  • 『情報学の理論と実際』 [6]

本書では、情報学とは社会における情報交換に関する研究であると規定する。

(Vickery et al., 1995, p.1)

長く読まれてきた欧州での標準的な情報学の教科書です。他の理系としてのいわゆる情報科学・情報工学とは異なり、社会と関係しているという面が強調されているように感じます。図書館やそれを超えた知識の伝達されるシステム全般を視野に入れた説明になっていますが、やはり少し漠然としすぎている感じもあります。

1. 図書館情報学の定義のまとめ

ここまでで古典とも言える教科書から直近刊行されたものまで、そして欧州と日本における図書館情報学の定義を見てきました。

お分かりの通り、どれも一長一短という感じでこれだ!といえる定義はどうやらまだ定まっていないようです。(これらだけで判断するのは早計ですが…)

これはチャンスです。自分だけの推し"定義"を見つけましょう。——ちなみに自分は『図書館情報学概論:記録された情報のちから 第2版』 [5]のやつが好みです。特に理由はありませんが。

余談: 図書館情報学?情報科学?知識情報学?

そういえば、上の定義での後半2つは図書館情報学ではなく情報学についての定義が述べられていました。ここでは、これについて補足します。

結論としては、ここでの「情報学」は「図書館情報学」を意味します。海外ではどちらも Information Science と呼ばれることが普通なようです(Bawden et al., 2024), (ukiyojungu, 2024), (Hjørland, 2018)。(ただし、こうした背景から、情報科学は図書館情報学を意味すると解せる一方で、(ukiyojungu, 2024)ではその後の情報科学・図書館情報学の用語法に混乱が見られることを示唆しています。また、ここでの記述を頼りに考える場合、知識情報学は Knowledge "Informatics" よりも Knowledge (and) "Information Science" と訳す方が適切なような気もします。まあよくわからないですね。)


2. 図書館情報学の下位分野・関連分野

ここまででLISの全体像がどのように説明されているかをさらっと眺めてきました。次に、これらの説明に具体的な肉付けを行うべく、LIS に属する下位分野及び関連する分野について紹介します。ただし、KLiS の皆さんならご承知の通り、LIS はとても学際的な学問で、その関係分野は多岐にわたります。また、どこまでが LIS に属する・関連するのかには特に明確な基準は特にないと思われます。したがって、網羅性がないのはもちろんのことここに含まれているからといって絶対に LIS に属する分野であるとは限らないことに注意が必要です。まああくまで参考程度にしてくれれば…。あと露骨に関心がない分野の説明は雑になります。(というかこの章全体が雑です。後でもうちょっと真面目に書き直します…)

ざっくりとした LIS 史

個別分野を把握するうえで、図書館情報学が学問としてどのように成立・派生していったのかを知ることが有益かと思われます。そこでここにごく簡単な LIS 史をまとめます。主な出典は(Bawden et al., 2024, p.10-14)と(Hjørland, 2018)です。

名前に示されている通り、図書館情報学は、図書館学と情報科学の融合分野です。School of library and information science という語の初出は1964年のピッツバーグ大学(KLiS とも馴染が深い(?)あのピッツバーグです)で、School of Library Science が改められる形で現れました。その後この動きは全世界に波及していきました。

図書館情報学はルーツは、図書館学・情報科学・ドキュメンテーションです。それらが合わさり分離する過程で様々な考え方(パラダイム)が生まれました。

図書館学 (Library Science;LS)

図書館学 (ドイツ名 Bibliothek-Wissenschaft)は、19世紀ドイツの図書館員マルティン・シュレッティンガー(1772-1851)に端を発します。学問というよりは実務的な図書館員の養成が重要視されました。そして、アメリカのメルヴィル・デューイ(1851-1931)のデューイ十進分類法、インドの図書館司書ランガナタン(1892-1972)による図書館学5原則やコロン分類法は大きな影響を与えました。また、シカゴ大学のピアス・バトラー(1884-1953)は、LIS の代表的な古典の一つ『図書館学序説』[9]を記し、実務的ではない学問としての図書館学を強調しました。

情報科学 (Information Science;IS)

情報科学という語は、Information Scientist という語として、20世紀に現れました。初出はジェイソン・ファラデイン(1906-1989)によるもので、彼はこの語をドキュメンテーションと同義語として考えていたとされています。一方、科学者とは異なる科学技術の情報処理を扱う情報専門家という意味から出発し、情報自体を科学するといった意味までも意識していたともされています。

ドキュメンテーション (Documentation)

ドキュメンテーションは、ポール・オトレ(1868-1944)とアンリ・ラ・フォンテーヌ(1854-1943)によって生まれました。活版印刷を経て本や情報が大量に溢れかえるいわゆる情報爆発の時代にあって、世界中の書誌を一つの施設にまとめて管理してしまうとする「ムンダネウム」を構想し、国際的な書誌コントロールの流れを作りました。

以上が図書館情報学のルーツとされている3つの学問分野です(Hjørland, 2018)。

各論

図書館情報学の関連分野としては以下が挙げられます。多いので各項目1行程度でまとめます。

知識組織論 (Knowledge Organization; KO)

ドキュメントや主題や概念に対する、人やコンピュータによる記述・表現・分類・組織化についての学術分野(Hjørland, 2016)。

情報探索論・情報行動論 (Information Behavior; IB)

特に、情報の探索や活用の際に、人と情報の間で生じるインタラクションである情報探索について研究する学術分野。

社会認識論 (Social Epistemology; SE)

図書館学者のイーガンシェラによって提唱された、個人が所有する知識の真理性を重視した従来の認識論に反して、社会や集団が所有する知識について焦点を当てる立場。 LISの理論的基盤としての位置付けがなされることもある。

他にも、計量書誌学・情報の哲学・情報社会・情報法・アーカイブ学など…色々ありますが飽きてきたのでこらへんは今度追記することにします。

知識情報学 (Knowledge Informatics)

ついでに知識情報学についても軽く紹介します。

ごめんなさい。飽きました… 今度追記します orz……
後に載せた文献読めばだいたい雰囲気がつかめると思います(それ以上は自分も知りませんが…)


3. 図書館情報学の関連書籍・ウェブサイト・関連文献

ここでは、図書館情報学に関係する具体的な情報源として関連書籍やウェブサイトを紹介します。まず2-1ではLIS全体にまたがる解説書や入門書などを取り上げます。次に2-2では上で挙げた各論について、解説されている書籍などを紹介します。正確な解説・説明は添付した書評を参考にしてください。(読んだことないけど評判を聞いたことある本など、半分はただの今後読みたい本リストみたいになってます…すみません。)

2-1. 入門書・概説書

  • 『図書館情報学を学ぶ人のために』 [12]

主に KLiS 教職員が中心となって書かれたオムニバス形式の本です。これから LIS を学ぶ人を対象として、各専門家がそれぞれのテーマを紹介しています(逸村 et al., 2017, p.i)。(たしかまえがきを書いたのはUd先生というのをどこかで聞いた覚えがあります。随所に知識情報学を匂わせる記述が現れていますね。)

書評:
松林正己. (2017). 書評:『図書館情報学を学ぶ人のために(学ぶ人のために)』逸村裕・田窪直規・原田隆史 編. 情報の科学と技術, 67(7), 393–393. https://doi.org/10.18919/jkg.67.7_393

  • 『図書館情報学概論 第2版:記録された情報の力』 [5]

上でも述べた通り、今年の8月に出版されたできたてほやほやの本です。欧州での図書館情報学の外観が分かりやすくまとまっています(Bawden et al., 2024, p.1)。

書評: (注: 旧版についての書評です。内容的にも1版から大きく異なる部分もあり、また翻訳に関して書評内での指摘を取り入れ第2版では改訂された箇所がいくつかあります)
根本彰. (2020). 『図書館情報学概論』. 日本図書館情報学会誌, 66(2), 69–70. https://doi.org/10.20651/jslis.66.2_69

  • 『図書館情報学研究入門』[4]

慶應義塾大学の三田図書館・情報学会の学会誌での文献特集号が書籍化されました。慶應の図書館・情報学の研究者が中心となってそれぞれの分野の研究について短く解説しています。類書である上の『図書館情報学を学ぶ人のために』との相違点として、こちらの方がやや専門的な内容が多く分野が細分化されている点と、元々雑誌記事だった関係上、1項目辺りの記述がやや少ないという点が挙げられます。(あと慶應の伝統で LIS のことを必ず中黒を入れた図書館・情報学と表記するところも特徴です。)

書評:
山崎久道. (2006). 三田図書館・情報学会編, 『図書館・情報学研究入門』, 勁草書房, 2005.10, 226p., 2,700円+税, ISBN 4-326-00030-9. レコード・マネジメント, 51, 97–101. https://doi.org/10.20704/rmsj.51.0_97

  • 『情報学の理論と実際』[6]

(品切れ・重版未定)

イギリスでの標準的な情報学の教科書として長く読まれてきたのが本書です。科学コミュニケーションでの情報伝達に焦点を当てて体系的に LIS 全体がまとまっています(三田図書館情報学会, 2005, p.4)。『図書館情報学概論 第2版:記録された情報の力』[5](及びそれの第1版)出るまでは、 LIS を理論的に扱った類書はあまりなかったという印象を勝手に持っています。そのためか図情図書館にこれでもかってぐらい置いてあります。


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参考: Tulips 検索画面, なんだこの量…

95年出版ということもあり、情報技術についての記述は一部古くなってることもあると思います。(ごめんなさい序盤しか読んでないので憶測で書いてます。)

書評:
小野寺夏生. (1996). 図書紹介. 情報管理, 39(2), 162–162. https://doi.org/10.1241/johokanri.39.162

  • 『シリーズ図書館情報学1 図書館情報学基礎』[13]

第一巻「図書館情報学基礎」はLISに関する総論・研究方法、第二巻「情報資源の組織化と提供」は情報技術とツールおよび情報提供の方法、第三巻「情報資源の社会制度と経営」は法律、行政制度、経営と具体的な図書館の種別を扱う巻と分けられている。日本の LIS の全体像を示す概説書を目指して作成された。特に第一巻に関してはその目標通り LIS を概観するものであり、 LIS が辿ってきた歴史等も記されている。(代筆: ずきも thanks!)

書評:
岡野裕行. (2014). シリーズ図書館情報学1, 図書館情報学基礎, 根本彰編, 東京大学出版会, 2013年5月, 280p., A5, ISBN:978-4-13-003491-3, 3,200円(税別). 情報の科学と技術, 64(1), 38. https://doi.org/10.18919/jkg.64.1_38

渡邉斉志. (2014). 根本彰編, 『図書館情報学基礎』(シリーズ図書館情報学;1), 東京大学出版会, 2013, 267p. / 根本彰, 岸田和明編, 『情報資源の組織化と提供』(シリーズ図書館情報学;2), 東京大学出版会, 2013, 198p. / 根本彰編, 『情報資源の社会制度と経営』(シリーズ図書館情報学;3), 東京大学出版会, 2013, 286p. 日本図書館情報学会誌, 60(4), 171–173. https://doi.org/10.20651/jslis.60.4_171


2-2. 各論

ここからは先程あげた LIS の個別分野・関連分野についての書籍を紹介します。

知識組織化論 (Knowledge Organization; KO)

  • 『知識資源のメタデータ 第2版』[14]

知識資源組織化論の教科書です。厳密にいうと、知識組織化というより情報資源の組織化が主題なので KO に入れるのはやや不適切かもしれません。データのデータであるメタデータが、どのような概念モデルで捉えられ、図書館やインターネットの仕組みとして実装されているのか体系的に説明されています。2016年出版ということもあり、その後NCR2018ができたりと状況が変化していることにも注意が必要です。

書評:
田窪直規. (2016). 『知識資源のメタデータ 第2版』谷口祥一,緑川信之 著. 情報の科学と技術, 66(9), 496–496. https://doi.org/10.18919/jkg.66.9_496

  • 『知識資源のメタデータへのリンクトデータ・アプローチ』[15]

上の本の姉妹本(?)で、2023年に出版されました。最新の情報が載っています。また、メタデータを他分野と共有して用いる LOD などの項目についての説明が充実しているという印象があります。

書評:
李東真. (2024). 「知識資源のメタデータへのリンクトデータ・アプローチ」谷口祥一 著. 情報の科学と技術, 74(1), 34–35. https://doi.org/10.18919/jkg.74.1_34

情報行動論 (Information Behavior; IB)

IB についての日本の書籍ってほとんどない感じがします。誰か教えてください。一応授業で紹介されていたのは以下です。

  • 『図書館・情報学シリーズ2 条法探索と情報利用』 [16]

読んだことないので全く知らないです。なんかクセが強いというか、直接情報行動論ど真ん中を解説してるような本とはちょっと違うみたいなことを知り合いが言っていた気がします。でも書評を読むと著者の意見ではなく実態に基づく解説とあるのでそんなことないかもしれません。(本当に知らないので、詳しくは書評読んでください。)

八幡圭子. (2002). 田村俊作編, 情報探索と情報利用(図書館・情報学シリーズ2), 勁草書房, 2001.7, vii, 282p, 22cm, 定価4,100円, ISBN 4-326-04801-8. 図書館界, 54(1), 30–31. https://doi.org/10.20628/toshokankai.54.1_30

情報行動について扱ってるブログ記事として以下のものがありました(ただし一部有料)

ドキュメンテーション (Documentation)

ドキュメンテーションについても日本語での解説書を知りません。誰か教えて!

  • 『世界目録をつくろうとした男 : 奇才ポール・オトレと情報化時代の誕生』 [17]

直接ドキュメンテーションの解説書では多分ないですが、この分野の創始者であるポール・オトレについての評伝です。

書評ではないですが、本書の解説者である根本彰先生のブログ記事があるのでここに載っけときます。
オダメモリー: ポール・オトレとは何ものか? 新刊書『世界目録をつくろうとした男:奇才ポール・オトレと情報化時代の誕生』について. (2024, June 18). オダメモリー. https://oda-senin.blogspot.com/2024/06/blog-post.html

社会認識論 (Social Epistemology;SE) [?]

  • 認識論を社会化する [18]

現時点で邦書で社会認識論について扱われているのはこの本ぐらいだと思います。ただし、著者は科学哲学者であり、扱われている社会認識論も図書館情報学というよりは哲学の認識論の学派としての位置づけで解説されています。そして図書館情報学におけるそれとはあまり関係がないとされているのでここに載せるのが適切かは微妙なところです(伊勢田, 2004, p.22)。如何せん類書がないので…

情報の哲学 (Philosophy of Information; PI)

  • 『情報の哲学のために: データから情報倫理まで』 [19]

フロリディによる情報哲学の概要を本人が解説しています。専門的な研究書というより、一般向けの解説書って感じであまり難しいことは書いてなかった気がします。図書館情報学というよりは本人の哲学が主題で明示的に図書館情報学について触れられている箇所はあまりなかった記憶があります。

書評:
緑川信之. (2022). 『情報の哲学のために:データから情報倫理まで』. 日本図書館情報学会誌, 68(2), 135–136. https://doi.org/10.20651/jslis.68.2_135

榎本啄杜. (2021). 榎本 啄杜 (Takuto ENOMOTO)—榎本の雑感アーカイブ. Researchmap. https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/927307/ee4833e539e3f7023f59d2d7403d9837?frame_id=1651841

情報の哲学の解説としては以下がおすすめです。


PI についての他の文献は以下。

また PI と関連して、LIS と哲学の関係については以下の文献があります。

(おや、こんなものも…)

知識情報学

知識情報学については KLiSが独自に提唱している学術分野ということもあり、あまり情報はありません。上で触れた『図書館情報学を学ぶ人のために』[12]が書籍として唯一知識情報学について言及されている本かと思われます。知識情報学の構想については以下の文献で解説がされています。


3. 図書館情報学の参考図書・ウェブサイト

パスファインダーっぽく、書籍と参考図書をわけました。

  • 『図書館情報学用語辞典 第5版』[2]

一家に一冊図書館情報学用語辞典。持ち運べるサイズなのもありがたいですね。(オンライン上で実質無料公開されているから本としては必要ない…

第5版 図書館情報学用語辞典. 図書館情報学用語辞典 第5版収録キーワード一覧. コトバンク. Retrieved December 15, 2024, from https://kotobank.jp/dictionary/tosyokan/

  • 『図書館情報学事典』[25]

図書館情報学についての事典。前身の図書館情報学ハンドブックと比べるといくつか相違点があるそうで、その辺りはこのページに詳しい。

  • ISKO Encyclopedia of Knowledge Organization (IEKO) [26]

知識組織論(KO)についての国際的な学会、ISKOのウェブサイトで公開されているオンライン辞書・Wikiです。専門家が各項目について書かれています。KOとついていますが内容的には LIS 全般を広く扱っている感じがします。

  • The Epistemological Lifeboat [27]

存命で世界的にも影響力のある LIS 研究者である ビルギャー・ヤアランによる用語解説。ヤアランは現在上の IEKO の編集責任者もしているので、実質的な役割はそちらに移ったのかも。今は閉鎖済みなのでアーカイブのリンクを載せてます。

4. その他役立ちそうなウェブサイト

その他自分が知ってる LIS に関係する情報が載ってるウェブサイトを列挙します。各サイトの概要は今度書きます

  • カレントアウェアネス・ポータル. (2022, September 9). カレントアウェアネス・ポータル. カレントアウェアネス・ポータル. https://current.ndl.go.jp/

みんな大好きカレントアウェアネスです。日本の図書館関係の情報はだいたいここに載ってます。自分も時々ここでネットサーフィンして暇つぶししています。

今年の9月にスタートしたオンラインの研究会です。図書館情報学の特に理論的な部分の勉強として、上でも触れたIEKOの各記事を翻訳しそれについて議論しています。3ヶ月に一度開催で途中参加も全然大丈夫だったはずなので興味ある方はぜひぜひ!

  • min2fly. (2022, December 27). かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版). かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版). https://min2-fly.hatenablog.com/

LIS 研究者(KLiS OB!) のブログです。
図書館・LISのいろんな情報がのってます。

上の方のブクログです。簡単な感想・書評・コメントが載ってる。

度々登場した根本先生のブログ



引用・参考文献

文中・ブロック体での引用にはできるだけページ数を振りました。原則として引用符が振られていないものは内容の要約、あるいは記述の参考にした資料ということを意図しています。書籍名には文献番号を振っています。順番は引用された順です。

  1. Wilson, T. D. (n.d.). Information and information science: An address on the occasion of receiving the award of Doctor Honoris Causa, at the University of Murcia, 30 September, 2010 [Text]. Professor T.D. Wilson. Retrieved December 15, 2024, from https://informationr.net/ir/15-4/paper439.html

  2. 日本図書館情報学会用語辞典編集委員会. (2020年). 図書館情報学用語辞典 (第5版). 丸善出版. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BC02128444

  3. 石井啓豊. (2011年). 図書館情報学の再規定による知識情報学の展望. 情報管理, 54(7), 387–399. https://doi.org/10.1241/johokanri.54.387

  4. 三田図書館情報学会. (2005年). 図書館・情報学研究入門. 勁草書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA73931815

  5. Bawden D., Robinson L., 田村俊作, & 塩崎亮. (2024年). 図書館情報学概論: 記録された情報の力 (第2版). 勁草書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BD08212063

  6. Vickery A., 津田良成, 上田修一, & Vickery B. C. (Brian C. (1995). 情報学の理論と実際. 勁草書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN13548121

  7. ukiyojungu. (2024, June 3). 図書館情報学の専門性に関するノート|ukiyojingu. note(ノート). https://note.com/ukiyojingu/n/naf9de3abd17b (2024/12/5閲覧)

  8. Hjørland, B. (2018). Library and information science (IEKO). ISKO Encyclopedia of Knowledge Organization. https://www.isko.org/cyclo/lis (2024/12/15閲覧)

  9. Butler P., & 藤野幸雄. (1978). 図書館学序説. 日本図書館協会. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN0082299X

    1. ちなみにこの邦訳は現在国立国会図書館デジタルコレクションでも閲覧することができる。Butler P. (n.d.). 図書館学序説. 国立国会図書館デジタルコレクション. Retrieved December 15, 2024, from https://dl.ndl.go.jp/pid/12242558/1/39

  10. Hjørland, B. (2016). Knowledge organization (IEKO). ISKO Encyclopedia of Knowledge Organization. https://www.isko.org/cyclo/knowledge_organization

  11. Marcia J., B. (2010). Information Behavior. Information Behavior. https://pages.gseis.ucla.edu/faculty/bates/articles/information-behavior.html

  12. 逸村裕, 田窪直規, & 原田隆史 ( 図書館情報学). (2017). 図書館情報学を学ぶ人のために (pp. viii, 244p). 世界思想社. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB23415833

  13. 根本彰. (2013). 図書館情報学基礎. 東京大学出版会. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB12570652

  14. 谷口祥一, & 緑川信之. (2016). 知識資源のメタデータ (第2版). 勁草書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB2095708X

  15. 谷口祥一. (2023). 知識資源のメタデータへのリンクトデータ・アプローチ. 勁草書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BD02787415

  16. 田村俊作, 池谷のぞみ, 越塚美加, 斎藤泰則, 野末俊比古, & 津田良成. (2001). 情報探索と情報利用. 勁草書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA52828443

  17. Wright A., 鈴木和博, & 根本彰. (2024). 世界目録をつくろうとした男: 奇才ポール・オトレと情報化時代の誕生. みすず書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BD07265290

  18. 伊勢田哲治. (2004). 認識論を社会化する. 名古屋大学出版会. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA67614578

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ヘッダー: 春日エリア、某所

ps: 内容は今後も追記・更新していきます。変更履歴は以下

  • 2024-12-16: カレントアウェアネス, KO研などの情報追加、知識情報学書いてない言い訳を追加


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コメント

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KLiSの兄です、図書館情報学について真実をお話します。【多分これが一番くわしいと思います】|miya
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