30代女性の彼女は、ネットで映え写真を多数掲載するような、いわゆる〝キラキラ女子〟タイプのお嬢さまだったが、自身のアピールが「公職選挙法に抵触する」と大炎上することに。
現在、A氏は雲隠れしているが、当然、斎藤知事にメディアの矛先は向かい、囲み取材で知事は「ポスター製作で70万円支払ったのが事実」と説明し疑惑を否定した。
「これまでの流れから、PR会社の件で斎藤氏をさらに追及しようというメディアの意思が見て取れました。ワイドショーは、これが問題だと主張する識者を立ててあおっていましたが、取材が進み、A社長が話を実際以上に盛っていたこととわかると、それまでの大騒ぎが噓のようにシュリンクしたのです。既存メディアに対する厳しい目が向けられる中、たいして説明や反省もないまま急変することに世間は不信感を抱いている。オールドメディア離れの背景はそこです」(同前)
PR会社の件が本当に問題ならば捜査機関が動くだろうし、大きく報道するのはその時点からでもいい。しかし、それよりもはるかに大事なのは百条委員会ではないか。先に挙げた疑惑以外に自殺した県民局長の調査もある。きっちり問題を解明するよう働きかけるのがメディアの使命であるし、本来の疑惑の解明こそが世間が伝えてほしいと望むことだと思う。 =月曜日掲載
■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書「スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ」(文藝春秋)を出版。現在、「news イット!」(フジテレビ系)の金曜コメンテーターとして出演中。