人体デッサンにおいて細かい凹凸を表現して生々しさを与えるには美術解剖学の知識は必須です。おそらく絵の練習をし始めた人はある程度模写練習を積んだ後で解剖学というものに出会ったことだと思います。しかし、あまりにも多い筋肉や骨格の種類、その形状や役割、そしてそれをどう表現すれば良いかなど、目が回るほどの課題の数々に挫折したこともあるでしょう。解剖学はマスターしたい、では確実に血肉となる勉強方法はないものか。そう考えると、やはり第一歩目は筋肉の名称の暗記だと思いました。知らないことには理解にたどり着けません。だから解剖学書を手本にたくさん模写することより、まずはできる限り効率よくシンプルに暗記できる方法を自分で考えれば良いのです。
美術解剖学の教材
筋肉の名称を暗記するにあたって用意すべき物は、丁寧な美術解剖学の専門書、一冊目とは異なる観点で解剖学を解説している指南書、解剖学について書かれたウェブサイト、市販もしくはネットで拾ったヌードポーズ資料、3D解剖学資料、自分の体など、これくらい揃っていれば様々な疑問の解決に役立つでしょう。
まず美術解剖学入門に最適なのはこの『やさしい美術解剖図』です。これは人体の筋肉の骨格と筋肉の名称は一通り記載されていて、各パーツ単体の様々なアングルの図があったり、形状の特徴に注目した解説文などがあるなど、タイトルの通りやさしく入門できると同時にずっと使い続けられるクオリティを持っています。しかも本書の図はすべて著者のデッサンに依るものなので、すでに人間の目で見たというフィルターを通っているので構造が理解しやすいと思います。美術解剖学を学ぶときには基本とすると良いでしょう。
サブの解剖学書として役立ったのは『リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座』です。こちらは筋肉の名称について軽く触れているだけですが、それを覚えやすくするためにいい感じにグループ化して解説してくれています。あとで説明しますが、前腕部の筋肉のグループとしてグー筋(屈筋群)、パー筋(伸筋群)、ひじ三角筋(腕曲筋群)という考え方は覚えやすくて参考にしています。それに著者はアニメーターなので、キャラクターに演技させたときに筋肉や骨格がどのように動いて表面に表れるのかということも解説されていて、止まった解剖図ばかり見るより理解が深めやすいと感じました。
サブ本の二冊めとして『やさしい人物画』も見ました。解剖学書というのは未だに絶対的なものがなくて、本によって筋肉名称の呼び方が違ったり、筋肉の位置や重なりに誤解があったりするので、なるべく多くの資料に目を通すことが大切だと思います。ちなみにこのルーミス本自体に表記ミスがあるらしいので、購入したらまずは自分で訂正することをおすすめします。表記ミスについては『KITAJIMAのお絵描き研究所』にて指摘されています。
顔面の筋肉群については『やさしい美術解剖図』だけでは不十分に感じたので、表情筋の専門書として『表情 -顔の微妙な表情を描く-』も参考にしました。解剖学をやるなら今言った二冊はまず揃えるべき参考書ですね。
美術解剖学のサイト
人体の3D資料は『Zygote BODY』がおすすめです。これは3Dで回転できるだけでなく、筋肉の表示レベルを調節できて大きい筋肉から順に非表示にしてインナーマッスルなどの構造も確認できます。解剖学書だけでは理解できない箇所は3Dモデルで確認すれば良いでしょう。
ヌードポーズをネットで集めたいなら『Figure Drawing References』がおすすめです。様々なポーズの男女のヌードポーズ資料が手に入ります。全ての画像を保存してpdf書籍にまとめておけば便利でしょう。
絵が上手くなりたいなら最低でも解剖学図くらいは買いましょう。ネットの解剖学講座を見るのも良いですが、淡々と資料を載せている資料は毎回初心に帰るため必要です。ではこれらの教材を参考にして編み出した、僕の考えた最強の筋肉名称暗記術を紹介しようと思います。
筋肉にはそれぞれ役割があって書籍でもちゃんとした解説がされていますが、それは解剖学としての説明です。しかし暗記には暗記のやり方があります。それが自分の好きなようにグループ分けする方法です。好きなようにと言っても、それなりに解剖学に則った方が情報が多くて覚えやすいのは間違いないですが。まずは体の部位で大きく分類します。頭、首、胴、腕、手、脚、足というように分けました。そしてそれぞれの部位の筋肉を覚えやすいように
頭部
頭、首、胴の筋肉については、似た役割の筋肉や、近い位置にある筋肉を同じグループにしています。まぁ普通の分け方です。特に言葉で説明する必要はなさそうなので一覧表の方で確認してください。
最初に顔の筋肉についてです。顔の筋肉はよく表情筋と呼ばれているもので、表面に凹凸が表れるというよりは顔面の脂肪を様々な方向に引っ張って膨らみやシワを作ることで特徴が出ます。だから顔の筋肉を学ぶときは表情の種類と照らし合わせながら勉強することになります。なので取りあえず筋肉の名称はササッと暗記してしまいましょう。グループ分けは顔のどのパーツの表情に関係しているかで考えています。
ちなみにこの記事で載せている参考図は結構はしょっている部分があるので、手元にある解剖学書と照らし合わせながら読み進めて下さい。本によっては描かれている筋肉と描かれていない筋肉があったりと、細かい部分はあまり気にしない方がいいです。今回テーマとしているのは解剖学の解説ではなくて暗記法なのでご了承ください。
グループ | 筋肉 | 役割 |
---|---|---|
眉・まぶた | 頭皮を後方へ引っ張る。 | |
眉・まぶた | 頭皮を前方ひ引っ張る。眉を引き上げる。 | |
眉・まぶた | 眉間にシワを作る。 | |
眉・まぶた | 目を閉じる。 | |
眉・まぶた | 目を開ける。 | |
鼻 | 鼻を狭める。 | |
口 | 口をすぼめる。 | |
口 | 上唇を引き上げる。 | |
口 | 口角を引き上げる。 | |
口 | 口角を引き上げる? | |
口 | 口を閉じる。頬を引き締める。 | |
口 | 口角を下げる。口を閉じる。 | |
口 | 下唇を下げる。 | |
口 | アゴの皮膚を引き上げる。 | |
顎 | 下顎を引き上げる。 | |
顎 | 下顎を引き上げる。 |
首
首を描くときに注意するのは胸鎖乳突筋くらいです。単純化して描くときは鎖骨に向かってV字の線を描くのは誰でもやってますね。ただ、首の凹凸を陰影で表そうとすると他の筋肉を知ってないとのっぺりした首になってしまいます。そうするとカギとなるのは舌骨の存在です。舌骨は喉仏の位置にある軟骨で、顎から胸骨に張られた筋肉の中間にあります。顎と胸骨からこの舌骨に向かって筋肉が張られていることを意識して凹凸を表現すると生々しさが出るはずです。
グループ | 筋肉 | 役割 |
---|---|---|
首を傾げる | 頭を左右に回転、上を向く。目立つ筋肉。耳の後ろに付いているので収縮すると顔が上を向く。 | |
口を開ける | 舌骨と顎を引き上げる。顎のしゃくれ部分の下面に張った筋肉。顎と舌骨に繋がっている。 | |
うつむく | 舌骨を下げる。胸鎖乳突筋の間にあり、舌骨と胸骨に繋がっている。 | |
うつむく | 舌骨を下げる。胸鎖乳突筋の間にあり、舌骨と肩甲骨に繋がっている。 |
胴
胴の筋肉は一つ一つが大きい筋肉なので表面に表れる筋肉は少ないです。ただし、その一つ一つの形状が独特なのでデッサンするのが難しいかもしれません。筋肉の塊ではなく、凹凸の塊で考えた方が形を取りやすいと思います。特に胴体の凹凸を表す陰影の中でも、腹筋と肋骨が重なる部分のデコボコや、僧帽筋と肩甲骨の重なる部分のデコボコは複雑なので解剖学をよく理解しておきましょう。
さらに胴は首、腕、脚と連結する本体的な存在です。その連結部では複雑な筋肉の重なりが発生するので、連結部の骨格のどの部分にどの筋肉が付いているかを把握しておく必要があります。首や腕との連結部は鎖骨や肩甲骨について、脚との連結部は骨盤についてよく勉強しましょう。鎖骨エロスや脇エロスや股エロスを描くには必須ですよ。
ところで、胴の骨格について調べていて驚いたことがあるのですが、肋骨というのは生命維持器官を保護するために堅牢な防御壁を作っているのかと思ったら、実は結構可動範囲の広い作りになっていて肋骨間に張られた膜のような筋肉でオジギソウのように上下に動くらしいです。だから横隔膜で息を吸い込むと胸が大きく上に膨らむみたいです。よって人体デッサンするとき、まず肋骨のアタリ線から描き始める人は、肋骨の形は大きく変化するということを知っておかないと不自然な輪郭になるかもしれないので注意してください。
グループ | 筋肉 | 役割 |
---|---|---|
正面 | 腕を前と下に引っ張る。脇のくぼみの前方の壁を作る。骨への付着点が多いので筋繊維の流れを知っておくべし。大胸筋の下には小胸筋などのインナーマッスルもある。 | |
正面 | 胴を曲げる。8つのブロックに分かれて見える。 | |
正面 | 胴を左右に曲げる。外腹斜筋、内腹斜筋などがある。 | |
正面 | 肩甲骨を前方に引っ張る、つまり肩や腕をやや前方に動かす。肋骨のでこぼこに沿って付く筋肉。 | |
背面 | 肩や腕を後方に引っ張る。重い物を引っ張り上げたり懸垂運動をするときに動く。背中の下半分を覆う大きな筋肉。 | |
背面 | 頭を左右に傾ける。首を伸ばす働きもあるらしいが、伸ばすというより胴体を引き下げて相対的に頭が離れているだけだと思う。肩甲骨を上下に引っ張る動きもする。背中の上半分を覆う大きな筋肉。 | |
背面 | 背筋を伸ばす。尻を突き出す。脊椎の両サイドに沿っている筋肉で、背中中心の真っすぐな溝は丁度筋肉の膨らみがない部分が形作る。 | |
背面 | 肩甲骨を引き上げる。 | |
背面 | 肩甲骨を引き上げる。菱形のような形をしている。 | |
肩甲骨 | 腕の外転、内転、旋回運動。棘上筋、棘下筋、小円筋はまとめて考えても構わない。 | |
肩甲骨 | 腕の外転、内転、旋回運動。棘上筋、棘下筋、小円筋はまとめて考えても構わない。 | |
肩甲骨 | 腕の外転、内転、旋回運動。棘上筋、棘下筋、小円筋はまとめて考えても構わない。 | |
肩甲骨 | 腕を胴に引きつける。腕の内旋運動。 |
腕
腕の筋肉は右腕について考えていきます。腕を前腕と上腕に区切った上でグループ分けしていきます。そして前腕は自分の腕を見たとして時計回りの順番に筋肉を並べて考えます。そしてグループ名のうち、ひじ三角筋、グー筋、パー筋というのは『リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座』で紹介された考え方を真似しています。
それぞれの筋肉のグループの境界では骨格が露出していることが多いです。ひじ三角筋とグー筋の境界では橈骨が、パー筋とグー筋の境界では尺骨が皮膚のすぐ下まで露出しているので、デッサンするときの基準として利用できます。特に前腕部は回内運動や回外運動をするときに橈骨と尺骨が交差する構造になっているので、筋肉とセットで骨格も暗記しておくと動きのある腕をデッサンできるようになると思います。
画像:『やさしい人物画/ルーミス』
グループ | 筋肉 | 役割 |
---|---|---|
ひじ三角筋 | 前腕を曲げたり、腕の回外運動に使う。腕を曲げたときの内側の角度を多少滑らかにする。肘の連結部の曲線を作るのでデッサンするためには理解が大切な筋肉。 | |
ひじ三角筋 | 手首を伸ばす。前腕を曲げる。 | |
ひじ三角筋とパー筋の間 | 母指を反らせる。 | |
ひじ三角筋とパー筋の間 | 母指を広げる(外転)。大に間接を反らせる。 | |
ひじ三角筋とパー筋の間 | 母指を掌に引きつける(内転)。第一関節を反らせる。 | |
パー筋 | 指を反らせる。 | |
パー筋 | 手首を反らせる。手首の内転。 | |
グー筋とパー筋の間 | 前腕を伸ばす。小さい筋肉なので目立たないが肘の凹凸には関係ありそう。 | |
グー筋 | 手首を曲げる。手首の内転。 | |
グー筋 | 指を曲げる。前腕を回内。 | |
グー筋 | 手首を曲げ、外転する。前腕を回内。 | |
グー筋とひじ三角の間 | 前腕を回内。前腕を曲げる。 | |
グー筋とひじ三角の間 | 前腕を曲げる。橈骨を外転。名称の由来は肩部分で二手に分かれて骨格に付着するから。肘付近でも二手に分かれ、片方は筋膜状になって他の筋肉を覆う。その筋膜が張りつめると肘のくぼみ側の凹凸を顕著にする。 | |
上腕部 | 腕を上げる。腕を前後に動かし、内旋、外旋運動する。肩部を前後から挟み込んで張り付くような形をしている。 | |
上腕部 | 腕を胴に引きつける。脇の内側の凹凸に表れる。特に腕を上げたとき顕著になる。 | |
上腕部 | 前腕を曲げる。上腕二頭筋や三頭筋の下に隠れているが、隙間から見える。 | |
上腕部 | 上腕を内転。前腕を伸ばす。上腕骨に沿うように筋膜が張り付いている。 |
手
手の筋肉は主に前腕と指を繋ぐ筋肉と、掌に付く筋肉です。前腕と指に繋がる細長い筋肉は、手首の色んな方向に動かしたり、手を握ったり開いたりする筋肉です。掌に付く筋肉は、指の繊細な動きに使います。では手の筋肉も腕と同じように時計回りに考えていきます。
ところで、一つ特殊なグループとして「かぎたばこ」というものを作りました。これは母指を思い切り反らしたときにできる深いくぼみのことを指します。何やらその形が「かぎたばこ」なるものに似ているとのことでそう呼ばれているらしいのですが、筋肉をグループ分けするのに便利だったので真似することにしました。「かぎたばこ」は5つの筋肉からなります。
グループ | 筋肉 | 役割 |
---|---|---|
かぎたばこ | 母指を反らせる。掌の最も外側に位置し、「かぎたばこ」の外枠となる。 | |
かぎたばこ | 母指を広げる(外転)。大に間接を反らせる。母指外転筋にピッタリと沿っている。 | |
かぎたばこ | 手首を伸ばす。前腕を曲げる。 | |
かぎたばこ | (たぶん短橈側手根伸筋と同じ) | |
かぎたばこ | 母指を掌に引きつける(内転)。第一関節を反らせる。「かぎたばこ」の外枠となる。 | |
パー筋 | 指を反らせる。手の甲で4つに分かれて各指に伸びる。 | |
パー筋 | 手首を反らせる。手首の内転。小指側背面の手首付近に付く。 | |
掌小指側 | 小指を外側に広げる。小指の第一、第二間接を伸ばす。小指の根元を曲げる。 | |
掌小指側 | 小指の根元を曲げる。 | |
グー筋 | 手首を曲げる。手首の内転。小指側正面の手首付近に付く。 | |
グー筋 | 指を曲げる。前腕を回内。掌で4つに分かれて各指へ伸びる。 | |
グー筋 | 手首を曲げ、外転する。前腕を回内。掌側の人差し指の根元付近に付く。 | |
グー筋 | 母指の根元を曲げる。母指の第一関節を伸ばす。 | |
掌母指側 | 母指を掌側に引っ張る。 | |
掌母指側 | 母指を人差し指側に引きつける。母指を掌側に引っ張る。 | |
指間を埋める筋肉 | 各指の骨の間に4つある。屈筋として作用する。 | |
指間を埋める筋肉 | 各指の骨の間を埋めるようにつく。母指の骨間筋のみ表面に表れ、大きな水かきのように見える。母指を曲げたり内転させる。人差し指を外転させる。 |
脚
脚は膝を境に2つに区切って考えます。そして腕と同様に右脚について考えるが、今度は反時計回りに筋肉を並べて考えます。その方が覚えやすいから。また、脚における伸筋群と屈筋群は、脚が前方に引くものを伸筋、後方に引くものを屈筋として考えています。
脚の筋肉の構造はどことなく腕の筋肉と対応しているように思えます。実際は全然違う機能ですが、同じ四肢の仲間として捉えると暗記するのに便利な解釈が得られるかもしれません。それにしても、膝周りの筋肉の付き方は非常に複雑で、正確に凹凸を描こうとするとかなり難しくなります。じっくり研究してなるべく早めに自分なりの記号化を試みるべきです。
画像: やさしい人物画/ルーミス
グループ | 筋肉 | 役割 |
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尻・外側の筋群 | 脚を後ろに引く。脚を内転、外旋させる。 | |
尻・外側の筋群 | 脚を外転させる。 | |
尻・外側の筋群 | 腿を曲げる。脚を外転、内旋させる。 | |
尻・外側の筋群 | 大腿の外側面を包み込む。 | |
尻・外側の筋群 | 大腿部を横切る。 | |
伸筋群 | 脚を伸ばす。 | |
伸筋群 | 脚を伸ばす。太ももを伸ばす。脚を外旋させる。スクワット運動ではよく働く。 | |
伸筋群 | 脚を伸ばす。 | |
境目 | 大腿を外転、曲げ、外旋させる。下腿を曲げる。大腿を斜めに横切る。 | |
内転筋群 | あまり気にしなくても良い。 | |
内転筋群 | 大腿を内転、曲げ、外旋させる。 | |
内転筋群 | 大腿を内転させる。大腿を曲げる。 | |
内転筋群 | 大腿を内転、曲げる。 | |
境目 | 大腿を内転、曲げる。下腿を曲げ、内旋させる。脚を正面から見ると最も内側に見える。 | |
屈筋群 | 大腿を伸ばす。下腿を曲げる。 | |
屈筋群 | 大腿を伸ばし、内転、内旋させる。下腿を曲げ、内旋させる。 | |
屈筋群 | 大腿を後方に引き、外転、外旋させる。 | |
膝 | 膝の皿を固定する。 | |
脛 | 足首を反らせる。足首を内転、内反させる。内反とは足首が内側にグニャっと捻られること。 | |
脛 | 足首を内転、内反、曲げる。 | |
屈筋群 | 足首を反らせる。母指以外を反らせる。 | |
屈筋群 | 足首を反らせ内転させる。母指を反らせる。 | |
ふくらはぎ | 足首を曲げ、内転、内反させる。 | |
ふくらはぎ | 足首を曲げ、内転、内反させる。 | |
かかと | 足首を反らせる。腓骨筋シリーズを結束してかかとに付く太い靭帯。 | |
ふくらはぎ | 足首と母指を曲げる。足首を内反させる。 | |
ふくらはぎ | 足首を曲げ、内転させる。 | |
ふくらはぎ | 足首を反らせる。母指以外を反らせる。 | |
伸筋群 | 母指以外を根元から曲げる。足首を曲げる。 | |
伸筋群 | 母指を曲げる。足首を内転させる。 |
足
足の筋肉はあまり意識しなくても良いかも知れません。足は筋肉より骨格を覚える方が有効だと思います。ただ、足の輪郭を生々しい曲線で描いた方がセクシーになるのは間違いありません。
グループ | 筋肉 | 役割 |
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小指 | 小指を外転。小指を根元から曲げる。脚の外側輪郭を作る。 | |
伸筋群 | 母指以外を伸ばす。脚の甲で3つに分かれて各指へ伸びる。 | |
伸筋群 | 母指を伸ばす。母指を内側に引きつける。母指の甲に伸びる。 | |
屈筋群 | 母指を曲げる。 | |
母指側 | 母指を外転する。土踏まずに収まるように付く。 |
毎日実践!解剖学書き出しテスト
さてここまでで全身の筋肉の名称をグループごとに色分けして考えてきましたが、今度をそれを手っ取り早く覚えます。皆さんは学校の試験や資格試験で暗記をしたことがあるでしょう。楽しくないですね。楽しくない事について勉強方法を考えるのは気が向かないし、なかなか続く物ではないです。なので効率的に暗記できて短時間で済む暗記術を編み出しました。
何をするかというと、ひたすら筋肉の名称を手書きで書き出す筆記テストを実施します。大体12分〜30分程度で済むテストです。ただし書き出し方にはルールがあって、この記事でのグループ分けに従って体の部位別に筋肉をリストアップすること、そしてこの記事と同じ文字色で書くことです。そうすることでこの記事で学んだやり方と暗記テストのやり方に連帯性が生まれて、復習と暗記の効果が向上するはずです。
ちなみに文字色を分ける事は結構重要視しています。文字というものは人間が作り出した意味を持つ記号ツールなので左脳で理解するものだと思います。しかし意味というものは勘違いしやすいですし、忘れたときに思い出すのは難しいです。だから文字の色を変えて右脳にも刺激を与えておくことで暗記に利用する情報を増やすことができます。なので暗記テストを実施するときは5色揃った色鉛筆なりポールペンなりを用意して見てください。あと、タイピングでは意味がありませんよ多分。
暗記テストのやり方は上で述べた通りで、特に細かい制限はありません。あとは実施例と模範解答を貼っておくので真似してみてください。一枚の紙を用意して一覧表の外枠を描いたら後はひたすら筋肉名をガリガリ書き続けて下さい。毎回タイムアタックと採点を行って成績UPを実感することもお忘れなく。自分はこのテストを初めて初めの頃は30分で正解率90%程度でしたが、一週間続けたあたりで12分100%に達しました。非常に簡単で即効性のある勉強方法だと思います。
解剖学書き出しテスト(模範解答)
腕 | 手 | 脚 | 足 |
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橈側手根伸筋伸筋 |
顔 | 胴 | 首 | 成績 |
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タイム/ 15:00 スコア/ 100% 日付/ 2013.12.14 |
こうして覚えたものは、たとえどこか一部をド忘れしてもまだ覚えている部分から連鎖的に記憶をたぐり寄せることができます。絶対音感が無くても相対音感があればドの音からドレミファソラシドと歌えるように、筋肉の名称も互いに支え合って暗記することで記憶の強度が高まるのです。