「ベビースキーマ」と呼ばれる特徴(画像提供:『にゃんこと整える。』/アスコム)

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「自律神経」とは、あれこれ指示をしなくても、体の状態を自動で「ちょうどいい感じ」にしてくれる神経です。最近では猫の動画を観ることで、悲しみやイライラ、不安などのネガティブな感情が軽減される「ミャオ効果」という幸福感を高めてくれる現象が起こることもわかってきました。自律神経の名医が10万枚以上の写真の中から、見るだけであなたの「心と体のバランスを整えてくれる猫」たちを選んだ『にゃんこと整える。』より一部を抜粋して紹介します。

【書影】「ミャオ効果」という幸福感が高まる現象とは?〈猫〉を見るだけで体の状態が「ちょうどいい感じ」に整う!?小林弘幸氏著書『にゃんこと整える。』

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最近、がんばりすぎていませんか?


10秒間見つめてください…(画像提供:『にゃんこと整える。』/アスコム)

道端で猫を見つけたつもりになって、画像の猫と10秒間、見つめ合ってみてください。

では、いまのあなたの気持ちを教えてください。

癒されましたか?心が温まりましたか?それとも、疲れがとれてやる気が出てきましたか?じつは、その状態こそが「自律神経が整う」ということなのです。

そもそも自律神経とは、あれこれ指示をしなくても、体の状態を自動で「ちょうどいい感じ」にしてくれる神経です。

寝ているときに心臓が止まらないのはなぜか、考えたことはありませんか?

じつは陰ながら自律神経が心臓をコントロールして、意識しなくても鼓動を続けるように調整してくれているからなのです。

自律神経を最も簡単に整える方法はある?

そんな、「人体の司令塔」とでも言うべき自律神経は、大きく2つに分けられます。車でたとえるなら、アクセルの役割が交感神経。ブレーキの役割が副交感神経です。

「自律神経が整う」とは、この2つがどちらも元気でバランスよく働いている状態を言います。

私はこれまで、食事や運動、呼吸などのアプローチから、自律神経をもっとも簡単に整える方法はないか、20年以上にわたって考え続けてきました。

そして、あるひとつの答えにたどり着いたのです。

それが「猫」です。

猫と言えば、私たちのそばに寄り添って、そのしぐさや行動で癒しを与えてくれる愛玩動物ですが、さまざまな研究が進んで、猫が人間に与えてくれる健康効果が徐々に明らかになってきました。

まずゴロゴロと喉を鳴らす音

約25~50ヘルツといわれる低周波の振動が人間の副交感神経を高めてくれ、さらに心臓血管疾患リスクの低下や、血圧や呼吸のバランスもよくしてくれることがわかってきました。

また、猫を触ることでオキシトシンと呼ばれるストレス緩和や気持ちを落ち着かせてくれる効果があるホルモンが分泌されます。じつは、このオキシトシンの分泌量は、犬よりも猫を触るほうが多くなるといわれています。

さらに、最近では猫の動画を観ることで、悲しみやイライラ、不安などのネガティブな感情が軽減される「ミャオ効果」という幸福感を高めてくれる現象が起こることもわかってきました。

ここで紹介するメソッドの一部は、これらのわかってきた医学的効果を踏まえて、「なぜ猫を見るだけで、私たちはこんなにも整うのか?」ということをヒントに企画されたものです。

そして、長年の研究成果や最新の知見をもとに、数多くの猫の写真のなかから、「自律神経によい刺激を与えてくれるかどうか」という視点で、次の5つのポイントを軸に選びました。

自律神経に良い刺激を与えてくれる「5つのポイント」とは?


クスッと笑える…(画像提供:『にゃんこと整える。』/アスコム)

〈ポイント1・かわいらしい〉人が猫をかわいいと感じる理由に、「体に比べて頭が大きい」「輪郭が丸みを帯びている」といった「ベビースキーマ」と呼ばれる身体的特徴があります。

猫は、ただ見ているだけで幸せを感じられる動物で、猫の写真を見ることで心が癒され、自律神経が整います。

〈ポイント2・クスッと笑える〉笑うことは自律神経のバランスを整えるのに非常に効果的です。笑うことで副交感神経が優位になり、ストレスホルモンの分泌が減少し、リラックス効果が得られます。また、笑うと「NK細胞」が活性化されるため、免疫力が向上し、健康にもいい影響を与えます。

〈ポイント3・自然の景色に癒される〉森林や花の写真を見るだけで、副交感神経が活性化し、脳の活動が鎮静化することが研究で示されています。

自然の景色によるリラックス効果と、猫の写真による癒しの相乗効果で、日中の活動で優位になった交感神経が落ち着き、自律神経が整います。

〈ポイント4・猫の表情によるリラックス効果〉猫はクールなイメージですが、じつは友好的な表情のほうが多いという研究があります。

とくに耳とひげが前に向いていたり、目を閉じたりしているものは、相手を信頼していることを意味します。友好的な表情の猫の写真で、リラックス効果を得ることができます。

〈ポイント5・寝つきがよくなる〉相手の動作を見たときに、脳のなかで相手の動作を自動的に真似る「ミラーニューロン効果」というものがあります。

この効果により、寝ている猫の写真を眺めることで自分も眠気を感じ、寝つきがよくなります。不眠治療にも活用されている効果的な方法です。

※本稿は『にゃんこと整える。』(アスコム)の一部を再編集したものです。