「株の勉強の仕方が分からない」 有力投資家の回答は?
投資のお悩み相談室(47)
「株式投資で成果を上げるために知識を身に付けたいのですが、どんな勉強をしたらいいのか分かりません」(20代男性・愛知県)
竹内弘樹さんの回答
中長期投資で成果を上げるためには、会社側が出す情報をきちんと読み解けるようになることが最も重要です。代表的な開示情報として、「決算書」は避けて通れません。決算書には会社の現在の姿や将来の展望など、投資のヒントになる内容が随所にちりばめられているからです。決算書を読み解くことができなければ、それは投資とは言い難く、単なるギャンブルになってしまいかねません。
とはいえ、初心者の方がいきなり決算書を読み解くことは難しいのも事実です。専門用語や数字がたくさん出てくるので、とっつきにくいものです。そこで、私がこれまでに行ってきた方法を紹介します。それは、市販の決算書の解説書を横に置き、自分が興味を持った会社の決算書にとことん目を通すことです。
読んで分からなかったら、書籍などを使って調べる。それでも分からなかったら、会社のIR(投資家向け広報)に問い合わせる。この繰り返しです。非常に地道な作業ですが、近道はなく、とにかく数をこなすしかありません。そして、同じ会社の過去に発表された決算書も読んでいきましょう。
過去の資料が読めると、未来を想像できるヒントも書かれているので、会社のことを深く知るための「宝の山」となるでしょう。最初のうちは分かるところからで構いません。苦手意識を持たずに挑戦してください。
【結論】実用的な教材は企業の決算書。数をこなせば読めるようになる。
竹内弘樹さん
【竹内弘樹さんの投資手法が分かる記事】
みきまるさんの回答
私が投資を始めたのは今から22年前。非常に貧乏だったので、まずは図書館に行って、投資関係の本を手当たり次第、軽く読みました。次に、大きな本屋さんに行って分かりやすそうな株の入門書を何冊か買い、基本的な用語や株式投資の世界観を学びました。
今は投資関係のツイッターやブログ、ユーチューブの動画が充実してはいます。ですが、内容が偏っていたり、すぐにお金が儲かることを強調していて煽情的だったり、断片的なものが多いんです。ですから、最初は本で学ぶのがよいと思います。大事そうなところに線を引いたり読み返したりという作業があった方が、血肉になりやすいからです。
また本屋さんの選び方も重要だと思います。日本では株式投資が根付いていないので、大きな本屋さんでもラインアップに問題があるところが少なくないからです。いい本屋さんを選ぶには、分かりやすいコツがあります。それは投資本専門の出版社であるパンローリングや良質な投資本を多く出版している日本経済新聞グループなど、特定の出版社の本がまとめて置いてあることです。
何冊か本を読んだら、すぐに実際に株を買って実地訓練に進みましょう。そうすると一気にモチベーションが上がりますし、本で読んだ内容が有機的に頭の中でつながって、より楽しく勉強が進むようになりますよ。
【結論】最初は入門書で基本を学ぶ。何冊か読んだら実地訓練で試す。
みきまるさん(ハンドルネーム)
【みきまるさんの投資手法が分かる記事】
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