消費増税などの政策に対する批判や国の財政に関する論証と、いわゆる陰謀論の違いは何か。
筆者が財務省の政策を批判していることについて、公の場で「財務省陰謀論を展開している」と言われたことがある。正直言って、筆者の主張のどこが陰謀論なのかは分からなかったが、筆者が陰謀論を唱えるような人物であると「人格破壊」をもくろみ、批判を封じようとしているのはよく分かった。
本コラムの読者であれば、筆者が20年以上も繰り返して主張していることをご存じだろうが、あらためてまとめておきたい。政府の財政に関する話であり、負債だけではなく資産も含めたバランスシート(貸借対照表)で考えなければいけないという、ファイナンス論の基礎のような話だ。
この主張のために、旧大蔵省時代に、単体のみならず連結ベースの政府のバランスシートを作成した。それをみると、それほど国の財政状況は悪くないことが分かった。徴税権と日銀保有国債を合算すれば、資産が負債を上回っていることも分かった。その財政事情の本質は、現在まで変わっていない。
資産といっても、土地や建物などの有形固定資産は2割にも満たない程度で、大半は売却容易な金融資産である。しかもその多くは政府関係機関への出資・貸付金などの資金提供だ。