トー横キッズが芋掘り、歌舞伎町の外の世界に「触れさせたい」 新支援団体の代表が掲げる「裏テーマ」
●"家出少年少女の日本一決定戦"をしている歌舞伎町
トー横のある歌舞伎町では、事件やトラブルがつきまとう。市販薬のオーバードーズや違法薬物の売買もある。さらに未成年の飲酒や児童売春、淫行など、さまざま欲望に子どもたちが巻き込まれている。闇バイトに関係した話もある。 「闇バイトに関連して『トクリュウ』(匿名・流動型犯罪グループ)という集団に注目が集まっていますが、トクリュウには、トー横に来る子と同じような環境だった人もいます。 『気軽に使えるお金がほしい』と言うのは共通です。トクリュウがトー横にいる子に声をかけます。『いいバイトがあるよ。日給5万円』と言われて、何の経験もない、15歳くらいの子がひっかかります」 これまで闇バイトを取材してきたが、たしかに実行犯の中には虐待されて育ったり、薬物依存の家庭だったという者もいる。借金の返済に困って、「高額」「即日」という言葉につられて応募してしまう者もいる。 「闇バイトに関わるときには、免許証や身分証、学生証を送れと言われて、その写真を送って、情報をとられてしまう。案件の誘いを断ると、『親のところへ行くぞ』と脅される。それがやめられない一番の原因です。 けっこう相談がきますよ。軽い段ボールを運ばされた子もいます。この前は、16歳の女の子から、『マリファナを売って来い』と言われたという話も聞きました。怖いからやめたようですが。 私は『歌舞伎町にも大久保公園にも行くな』と言っています。歌舞伎町は"家出少年少女の日本一決定戦"をしているような場所です。地方に戻ったら、『すごい』とリスペクトされてしまう。 また、歌舞伎町に来れば、仲間意識が芽生えることもあります。一方で、排除されることもありします。むしろ排除されたほうがラッキーかもしれない。だから、歌舞伎町を『素敵な場所』とは思わないでほしいです」
●高校生が東大生に化粧を教える「勉強界隈」
トー横では今年、自殺が多発した。市販薬のオーバードーズの結果、死に至ったケースもある。 「今年はトー横に来ていた子たちの自殺もありました。亡くなった男の子とは交流があり、少年院に入っていたときには手紙のやりとりをしていました。自殺する3日前にも話をしました。 その子は『今は一番幸せだから死ぬ』と言っていました。『わけわからんこと言うな』って言っていたんですが、本当に亡くなった。『何をしていいかわからない』とも言っていた。 彼には『迷ったら、カッコいいか、カッコ悪いかを判断基準にして生きていけ』と言ったことがあります。2週間後、『カッコいい生き方を見つけました。僕はヤクザになります』と。なかなか、こっちの真意が伝わりませんでした」 学習支援として「無料塾」も開いて、天野さんは陰で支える活動をしている。 「東大に『勉強界隈』というグループがあり、そこを支援しています。勉強したかったけど、できなかった子、塾に行きたかったけど行けなかった子がいます。 そこでは、大学生が高校生に、高校生が中学生に勉強を教えています。子どもたち同士で教え合っている。それ自体が面白いです。 また、相互に教え合っています。たとえば、東大生は高校生に勉強を教えますが、高校生は東大生にお化粧の仕方を教えています。今後、いろんな大学に声をかけようと思っています。若者は社会貢献したいという情熱があります」