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たしかにこの書き方だとちょっと問題がある。世界が面白くなる、というのはこのときの菫子はポジティブな決断と言うよりは、もっと厭世観的な心情の発露としての破れかぶれのそれであり、ゆえに自己陶酔的な自爆死への憧れが伴うのかもしれない
注目すべきは最後に霊夢に追い詰められたと思い込んだ菫子が自分はどうなってもいいからとオカルトボールの力を解放させて幻想郷の結界を破壊しようとした際に、その自爆のことを「価値ある死」と言っている点である。価値ある死自体は直後に霊夢が否定するのだが、なぜ菫子はその行為に価値があると思ったのか。答えはどう考えても、退屈な外の世界(そう菫子は感じていると作中で語られている)と幻想郷の結界を破壊することで世界が面白くなると思ったからだろう。確かにオカルトボール騒動は退屈しのぎの好奇心によって「なんとなく」起こしたものであったかもしれないが、究極的には外の世界への失望によって駆りたてられた衝動だった
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