後列左から菅さん・巻さん・橋本さん・久光さん、前列左から泊さん・あざっすさん(Youtuber)・洗顔じゅんやさん(Youtuber)・柴田さん
2022年11月6日、渋谷で開催された『FOOTBALL JAM 2022』にてHEROsとのコラボ企画が実現しました。
『FOOTBALL JAM』とは、多種多様な人とカルチャーが交差する渋谷で、サッカーが好きな人も、これまでサッカーと触れる機会がなかった人も、皆で遊び楽しむことができるフェスティバル。サッカーの社会的役割を広げるべくコラボした本企画は2年連続になります。(FOOTBALL JAM2021はコロナの影響もあり、2022年3月に開催)
渋谷駅周辺4会場で実施されたイベントのうち、代々木公園サッカー場ではHEROsアスリートとサッカー系Youtuber2名による借り物競走とバー当て対決が行なわれ、会場にいた親子連れなどとの交流。その後、渋谷の中心街を清掃活動しながら渋谷スクランブルスクエア アーバン・コアスペースへ移動し、サッカーアクティビティを体験しました。
フットボールと社会貢献を掛け合わせてHEROsアスリートが提供した時間とは。
元サッカー選手らが熾烈な戦いを!
今回HEROsアスリートチームに名を連ねたのは、元サッカー・フットサル選手の6名。
菅和範さん(元Jリーガー、栃木SCなど)
柴田真奈未さん(元ニッパツ横浜FCシーガルズ)
泊志穂さん(元サッカー女子日本代表)
橋本英郎さん(元サッカー日本代表)
久光邦明さん(元Fリーガー)
巻誠一郎さん(元サッカー日本代表)
元サッカー日本代表の巻さんは、被災地への物資提供や子供たちのサッカー教室を展開。J2のFC岐阜や栃木SCで活躍した菅さんは、未来の子供たちのためのスポーツ事業を立ち上げられています。他の方もスポーツの経験を活かし、広く社会に向けた活動を積極的にされています。
また、橋本さん・菅さん・泊さんはHEROsの競技外でのアスリート育成プログラム『HEROs ACADEMIA』の受講生です。引退後もそれぞれの立場で積極的に社会へ関わり続ける面々が集いました。
まずは代々木公園まで移動し、借り物競走とバー当て対決が開催されました。インフルエンサーサッカーチーム『Winner’s』に所属中のYoutuber あざっすさんと洗顔じゅんやさんを交えた2チームに分かれて、対決が開始。
サッカーボールやサングラスなど、会場の皆さんを巻き込んで熾烈な借り物対決が繰り広げられました。結果はわずかな差で、巻さん・菅さん・泊さん・洗顔じゅんやさんチームの勝利に。
その後、同じ2チームで、バー当て対決を実施。唯一当てられたの菅さんでした。自ら手拍子を誘っての成功だったこともあり、会場は大いに盛り上がりました。
一人ひとりの行動が、社会の変化に直結する
対決後は、ゴミ拾いをしながらセンター街や宮下パークなどを通って渋谷スクランブルスクエア アーバン・コアスペースへ移動。いざ目を向けてみると、一同ゴミの多さに驚くばかり。参加した子供たちも「みんなゴミ捨てすぎだよ」と、渋谷の現状を目の当たりにしていました。
タバコの吸い殻やペットボトルや缶など、「ポイ捨てしなければ落ちないゴミ」が最も多かったのも印象的でした。柴田さんは「子供たちの笑顔が見られて嬉しかった」一方で、「自分たち(大人たち)が出しているゴミを子供たちに拾わせてしまっているんだ、と。背筋が伸びました」とコメント。「見えないところで(ゴミを)出してしまっている」と泊さんも。改めて、一人ひとりの行動が社会のあり方に繋がっていると証明された瞬間のように感じました。
「このゴミは燃える?燃えない?」などとアスリート同士で話し合うことも。ゴミと資源を一緒にしてしまうと、資源が再利用されず、結果としてゴミの量が増えてしまいます。さらに分別せずまとめて廃棄処分することでより多くの温室効果ガスを排出してしまうという実態もあります。自分の行動がどのように未来の社会に繋がるのか忘れてしまいがちですが、今回のゴミ拾いで実体験として考えることができました。
「アスリートこそ、社会に目を向けるべき」
終了後、参加したHEROsアスリートからはサッカー、そしてスポーツの社会的な役割に関するコメントがありました。
「渋谷という中心地で、こうしてさまざまな形でサッカーを体験できることは素晴らしいですよね。身体を動かせない方も含めて、誰もがサッカーを楽しむ機会が増えていければと思います」(巻さん)
「ひとつの地域で、芝生でサッカーを楽しむ空間があったり、一方でゴミがたくさん落ちている地域があったり。アスリートは狭い世界で生きてしまうことが多いですが、改めて広く社会を見渡す機会になりました。一部の方々へは影響力が与えられていても、まだまだ届けられていない方々も多いです。こういった活動を積み上げて、スポーツを届けられる範囲を広げていきたいし、発信を続けていきたいと思います」(橋本さん)
またFOOTBALL JAMは、「みんなが遊べる、サッカーフェス」をスローガンとして掲げています。プロとしてプレーしてきたからこそ、日本でサッカーをカルチャーにしていくことについての意見も挙がりました。
「昔に比べ、女子がサッカーをすることは一般的になりました。ただ『プロで活躍したい、トップリーグでやっていきたい』という夢を持った子供たちはまだまだ少ないのが現状です。こういった活動にも選手がもっと参加して取り上げられたり、模範になっていって欲しいなと。
私もそうでしたが、選手は皆自分のことで必死なんです。でも、もっと広く社会を見る必要があると思います。プロである以上、プレー以外の時間をどのように使うかが重要です。チームに閉じこもるのではなく、他競技の方や外部の方と交流したりして、いろんなことにアンテナを張って過ごすことが大切だと思っています。多くの人と関わって影響を与えらえれることが、アスリートの持つ力かなと」(泊さん)
「選手はいろんな人から見られることで、社会の一員として自覚を持ってプレーできるんです。そうなるように、外から働きかけてあげることも重要だと思います。人と人を繋げる力があることに、選手自身気づくことが重要です」(柴田さん)
「カルチャーにしていくには、さらにサッカーが目に触れる機会が増えて、日常生活に入っていくことが不可欠かなと。今日でいうと、一見渋谷にはサッカーがあるように見えない中で、日常に溶け込んでいました。こうした場がさらに広がっていって欲しいです。サッカーから社会貢献を知ってもらったり、社会貢献からサッカーを知ってもらったり。輪が広がっていくと嬉しいですね」(橋本さん)
参加者が口を揃えて語った、アスリートだからできることと、スポーツが持つチカラ。スポーツを通じて影響を与えられる立場だからこそ、社会に目を向けて行動していく必要がある。そうしたメッセージを体現したとともに、アスリート自身が噛み締める一日となりました。スポーツを通じて社会に関わる人々の輪が広がっていくよう、HEROsはこれからも活動を続けていきます。