「売り場に出る?」ユニクロで働く33歳、知的障害の私が広げた仕事

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鈴木彩子
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 「スポーツ系のインナーをお探しなら、この商品がおすすめですよ。昨年から少し変わった点は……」。

 お客さんと会話をしながら、その人が何を求めているのかを、懸命に考える。商品を案内して、「これを探してたのよ」と言ってもらえると、何よりうれしい。

 ユニクロ吉祥寺店の佐々木沙弥さん(33)。2011年に入社し、パートとして働いて14年目になる。勤務は週4日、1日約8時間。売り場の品ぞろえに目を配り、お客さんの要望に耳を傾ける。今や女性インナーの売り場の、頼りになる存在だ。

 他の従業員と少し違うところがあるとすれば、うまれつき知的障害があり、障害者雇用で働いていること。

 キャリアを重ね、仕事の幅を広げてきた。「続けてきて、本当によかったと思います」と笑う。

「ひとりで生きていけるように」母の教え

 小中学校は特別支援学級で学び、特別支援学校を経て、働くために必要な知識や技術を学ぶ就労移行支援事業所に入った。

 「働く」を意識したのは、母の教えから。「お母さんたちがいなくなっても、ひとりで生きていけるようにしなさい」と、高校生のころから言われてきた。接客が好きで、はじめはパン屋さんで働きたいと思っていたけれど、事業所の支援員のすすめもあり、ユニクロの障害者求人に応募した。一般の店舗で、障害のない従業員たちとともに働く。時給は他の従業員と差がないという。実習を経て、採用が決まった。

 最初に担当した仕事は、バックヤードで商品をポリ袋から取り出す「袋むき」が中心だった。ところが半年ほどしたある日、上司から「売り場に出てみない?」と声がかかった。「え、私が売り場に出ていいんですか?」と迷った。でも、せっかくもらったチャンスに「頑張ります」と応じた。

 売り場で、品出しをする仕事が加わった。

 そこからが、地獄だった。

「助けて」が言えず…ストレスでフラフラに

 もともと、障害の特性で、新…

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この記事を書いた人
鈴木彩子
くらし報道部
専門・関心分野
医療・健康、脳とこころ、アレルギー