「1996年の朝ドラ」再放送を見て仰天。セクハラ、喫煙…30年で日本に起きた「大変化」

男は飲酒後にアイスを食べない…？

ヒロイン松嶋菜々子が、同期の女性社員三人で食事にいって、ワインなど飲んだあと、路上でアイスを食べながら叫んでいるシーンがあった。

第4話での描写である。

ヒロインが「うん、飲んだあとのこれってサイコー！」とアイスを手にもって叫び残り二人が「この幸せは男にはわかんないぞー！」「くやしかったら食べてみろー！」とそれぞれ叫ぶのである。

いま見ているとまったく意味がわからない。

つまり1991年当時は、「男性は酒を飲んだあとにアイスクリームを食べない」というのが前提になっていたらしい。これは個人的にまったく記憶にない。

1991年当時、酒を飲んだあと、女性はアイス、男性はラーメンと決まっていたわけではない。はずだ。

たしかに当時、甘い物をまったく食べないおじさん、というのがいたのは覚えている。

酒を飲む人は「辛党」であり、甘いものは食べない、という規定である。

私は酒も飲むし甘いものも食べるので、ちょっと変だなとはおもっていたが、でもたしかに、そういう区分があったのは覚えている。

男＝酒を飲む辛党＝甘い物は食べない
女＝甘い物好きの甘党＝酒を飲むのは一部の女性だけ

そういう区分けである。

酒をのむ女性はつまり男性区分に入れられていたわけだ。酒を飲まない男性はいまより遥かに肩身が狭かったとおもわれる。

酒好きと甘い物好きの区分に男女を割り振るとはなんて滅茶苦茶だとおもうのは、それはもう21世紀の感覚なのだ。

落語のなかに「男＝辛党、女＝甘党」の図式が残っているから、徳川時代には何となく決まっていたことなのだろう。

よくまあここ30年で何とかひっくり返せたものだなとおもうばかりだ。