森永卓郎「日経平均3000円」予測に朝倉慶が真っ向から反論《楽待新聞》

19:00 配信

不動産投資の楽待

2024年が終わりを迎えようとしている今、日本経済について真逆のシナリオを持つ経済界の巨人が、楽待のYouTubeチャンネルを舞台に火花を散らした。

新NISA導入に始まった今年の相場は、7月11日に日経平均株価が4万2426円の史上最高値を付けた後、1カ月足らずで3万1000円台に下落。年後半は自民党総裁選にアメリカ大統領選と、政治イベントに翻弄された。

来たる2025年に向けて、我々はどのようなシナリオを想定すべきなのか。白熱の対談から、その答えを探る。

※収録日:2024年11月13日

-----------------------
森永卓郎
経済アナリスト。獨協大学教授として活動し、独自の視点で日本経済や社会問題を分析。消費や雇用問題から未来予測まで、幅広い分野で鋭い洞察を発信し続ける。

朝倉慶
(株)アセットマネジメントあさくら代表取締役。楽待チャンネルの経済動画に数多く出演し、総再生回数は約1400万回。自身のYouTubeチャンネルは登録者数約20万人。(2024年12月時点)
----------------------

■現在の株価は「人類史上最大のバブル」?

森永
私は割と穏やかな見積もりを出していて、来年中に日経平均は3000円まで下がると言い続けています。現在の株価は、人類史上最大のバブルなんです。

朝倉
間違っています。100%も1000%も間違っています。私はこのまま株高が進み、3年後までには日経平均は10万円まで上昇すると予測しています。森永さんはなぜそこまで悲観的になるんですか?

森永
歴史を見ればわかることです。1630年代のオランダでチューリップの球根が暴騰した「チューリップバブル」を皮切りに、人類はバブルの歴史を歩み、過去200年間でも70回以上のバブル崩壊を経験しています。

過去最大の恐慌は1929年の世界恐慌でした。高い競争力を武器に、割高な販売価格で利益を上げてきたアメリカの自動車と家電の株が、一気に弾けたのです。テクノロジーが牽引する現代の相場も構図は同じです。

ドットコムバブルから始まり、GAFAMが限界まで成長した後も、やれ電気自動車だ、人工知能だ、半導体だと、テーマを変えつつ長期間バブルを膨らませてきたために、今回の崩壊は人類史上最大になるのです。

朝倉
森永さんの言うことは、歴史的には正しいんです。ですが、バブル崩壊の歴史はリーマンショックで終わったんですよ。あの時、私は本気で資本主義が終わると思いました。

ところがFRBが大規模な金融緩和を行い、市場に多額の資金をばらまいたことで、アメリカ経済は深手を負いながらも短期間で立ち直った。世界は「金融政策次第で恐慌は防げる」ということを学んだんです。

リーマンショック以降、人類はバブル崩壊に対する処方箋を得たのです。ですから、次の経済危機が起こったときは、大量にバラまかれた現金が希薄化する「現金のバブル崩壊」が起こるんです。

■来年の為替相場は「1ドル70円」になってもおかしくない?

森永
朝倉さんね、それは経済学がまるでわかっていないんですよ。マクロ経済学では、金融政策と財政政策は両輪で進めるものであって、片方だけでは効果が乏しいんです。

朝倉さんがおっしゃるように、リーマンショックの暴落が収束したのはアメリカがバカみたいにお金を刷った効果もありますが、もう1つの要因は、中国が巨額の公共投資で需要を喚起したことなんです。

アメリカの金融政策と中国の財政政策を合わせたから、世界経済の崩落は防げたのですが、いまや当時の中国の役割を担える国はいない。この状況でバブル崩壊を迎えたら、金融政策だけではもう止められません。

朝倉
森永さんはお金を刷ることの効果を過小評価しすぎです。お金を刷ることはいくらでも可能だし、公共投資ができないなら例えば減税など、いくらでもできることはあるんです。

だから世界の基本的な流れは「株高、円安、金利高」。この絶対的な動きは歴史的に決まっているんです。

森永
為替の話はね、朝倉さんが一番間違っているところなんですよ。実はIMFが出している購買力平価を見ると、円の適正レートは1ドル91円なんですよ。

なぜ1ドル150円という不当な円安が現実に起こっているかというと、為替のマーケットは99%が投機なんです。ですが、歴史的に見ると為替のゴール地点は購買力平価に基づくんです。

投機筋が一気に正常な方向に向かうことでオーバーシュートが起きるので、来年は1ドル70円になっても全く不思議ではないと思います。

朝倉
違いますって。短期の取引は99%が投機かもしれませんが、中長期的には実需がほとんどでしょう。資産を分散するつもりでドルを買うなら、反対売買する必要がないじゃないですか。

それに自分でやってみればわかるけど、投機は買ったら売るし、売ったら買うんです。基本的に為替は実需で決まっていて、投機はその振れ幅を増幅させているだけなんですよ。

■時代の流れはインフレか、デフレか

森永
金融業界の人たちはみんな朝倉さんと同じ主張をするんですよ。彼らの商売は顧客に投資商品を買わせることですから、急激な円高と株価の崩壊が起きるなんて、言えるはずがないじゃないですか。

ですから色々と理屈をつけて、さも円安や株高がまだまだ続くように見せかけて、最後にババを引いた人にすべての損失を押し付けようとしているんだと思います。

私は今年から始まった新NISAも「今すぐ解約しろ」と言い続けてきました。トランプ氏が大統領に就任する来年1月までが、撤退のラストチャンスだと見ています。

朝倉
全く逆です。森永さんの言葉を聴いたら大変なことになりますよ。日本政府はこれだけ借金をして国債を刷り続けているのだから、現金の価値が減って円安になるのは避けようのない流れなんです。

だから資産を守るために株式に投資するべきで、そのための枠を無税にするというのが新NISAなんです。我々はこの大きな流れを理解して乗らなければならないのに、真逆のことをさせようとしているんです。

森永さんの名誉のために言っておくと、これは哲学なんですよ。森永さんの予測は「額に汗せずに投資で儲けるのは許せない」という哲学に基づいているんです。

確かにその考え方は立派だし、だからこそ森永さんが支持されるのかもしれませんが、リーマンショック以降、世界は完全にインフレの潮流に変わったんです。森永さんの言うことを聴いてはダメなんです!

森永
朝倉さんは哲学とおっしゃいましたが、私が言っているのは一貫して経済理論なんです。

今回の議論の一番の対立点は結局「これからインフレになるのか、デフレになるのか」という点に収束すると思います。おそらく結果は1年以内に出ると思うので、皆さん楽しみに待っていただければと思います。



株価と為替の動向、ひいては資本主義社会の行方を巡り、対極のシナリオを示した両雄。

未来のことは誰にも分からない以上、最終的な投資判断は自身で下すよりないが、両者が語った楽観シナリオと悲観シナリオのそれぞれを頭に入れておくことは、相場の荒波を乗り切る役に立つはずだ。

本記事の内容以外にも「理論上、株価はゼロである」「お金に支配されない幸せを見つけることが重要」など森永節が次々炸裂。朝倉氏も譲らず、侃々諤々の議論が交わされた。続きはぜひ動画で確認してほしい。

不動産投資の楽待

関連ニュース

最終更新:12/12(木) 19:00

最近見た銘柄

最近見た銘柄はありません