イガグリと士道2
今回は士道視点のお話です。以前あったレスを元に書かせて頂きました。シャカシャカと目の前で茶が立てられている。足のびりびりと痺れた痛み、畳特有の、やや荒い肌理の摩擦。普段ならばこんな場で暴れないはずがないのに、熱の沈着して大人しく座る身体。士道はぼんやりと目を覚ましてから、それだけ知覚した。
「__」どこだよここ?顔を上げて、目の前の茶を立てている人物に話しかけようとするが、声が出ない。何なら顔も上がらなかった。僅かに動いた影響で身体が服(和服か?)に触れる感覚は覚えたが、そんな感覚以外何も思い通りにならない所を見ると、整合性たっぷりな夢か、はたまた幽体離脱かのような印象を受ける。
口、肢体、頭どころか手指すらも全く動くことも出来ずただぼうっと茶筅の動きを見ていると、少しして、目の前の緑色の茶にミルクが注がれた。
何で牛乳?キメェことすんな。とか何とか思っている間に、白は茶筅に砕かれて、緑と混ざっていく。ジャラジャラと、竹の先と陶器が擦れるいい音がする。その他には何の音も立っていない。目の前で茶を立てている相手の布擦れすらも聞こえない。
全体の色が調和したところで、茶碗は士道の膝の前に差し出された。薄黄緑色の液体が、反動でちゃぷんと揺れる。
誰が飲むかよ。そうやって跳ね除けたかったが、やはり身体は言うことを聞かなかった。手は素直に茶碗へ伸びる。その手は何故か中毒者のように震えていた。
茶碗を手に持つと、ずっしりとした重み、波紋を広げる液体の微弱な振動を感じた。……ここまで鋭敏な感覚は、到底夢とは思えない。だったら何で身体が動かねぇんだ?
士道はくるくると茶碗を回してから、口をつけた。傾けて、中の液体を口に含む。しょっぱ苦い。どこか生臭い。とりあえず、とにかくまずかった。心の上では吐きそうだったが、身体は大人しくそれを嚥下してしまった。
__たっぷり入った一杯の茶をまともな作法もせず一気に飲み下した次の瞬間、
「……あ?」士道の頭から夢見心地な靄が晴れ、バツンと糸が切れたように身体が自由を取り戻した。
同時に、現状が色鮮やかに脳に流れ込んでくる。
明らかに布が足りない服、その隙間から剥き出しになった肌のほの寒さ。
それから、先は何となくだった茶の生臭さと苦さがくっきりと口の中に滞留しているのが分かった。舌もピリピリする。
士道はそれから顔を上げたが、目の前には何もおらず、和室の土壁に飾られた掛け軸があるばかりだった。茶を立てていた人物はどこに行った?
「んだよ、ここ」士道は立ち上がってキョロキョロ辺りを見回す。いかにもな茶室で、土壁と、お茶立てセットと、掛け軸くらいしか部屋には無い。入口もない……というか、それはいわゆるにじり口だったのだが、どう考えても士道が身体を通せるようなサイズではなかった。どう考えてもおかしい。
士道は胡座をかいて、まさに一休さんみたいなポーズを取った。
「イガグリちゃんを冥土に送って〜……そっから、どうしたっけ」
ぐりぐりと指でこめかみを押しつぶすと、痛みで徐々に記憶が戻ってくる。
無謀に走っていくイガグリの背中。先程まで悲鳴だか怒声だかが聞こえて来たとは思えないほど静まり返った廊下に立つ、蛮勇な煩い足音。
……明らかな罠。
「それから……」
再び廊下を進み出すと、怪物とエンカウントする。イガグリ手製の護符を貼ったモップの柄を構え、振り回す…………御札が、灰のように崩れ散る様。
「……バケモンに負けたのか。」静かな声が、茶室に響いた。
案外士道は冷静だった。元々勝ち負けに拘る性質じゃない。あの瞬間は全力を尽くした。それだけで、腹の虫はある程度収まる。
……まぁ、とはいえ。
士道はまた立ち上がって、ファイティングポーズを取った。
変な茶を大人しく飲まされたのは気に食わない。
「出てこいよバケモン」士道はピンク色の目を敵愾心にギラつかせて入口の方を睨んだ。
「俺がぶっ殺してやるよ__」
__苛立たしげに口角を上げたその口から、低い唸りのような言葉が発せられた、その時だった。
ドクン。
地響きのような衝撃が身体に走って、士道は思わず膝から崩れた。
「おっ……?」
目を白黒させているうちに、その衝撃は再び起こる。
ドクン、バクン。
それが心臓の鼓動と気づく前に、士道は畳の上に倒れ込んだ。
「ぇ、ぁ"……?」
肺が圧迫されたような心地になる。息がしずらい。
「が、、は、……」
士道は蹲って、心臓の辺りを抑えた。どくどくと強く脈打つそこは、酷く熱い。
どくん。
「んぁ"、っ……?♡」思わず湿った声を漏らす。
何、何何何何何?????
熱い。熱い。
あつい。
からだが。
「ふ、ぅ、ぐっ……♡」
あっという間に熱を帯びた士道の息の音が、どこか甘い響きをもって口から溢れだした。
士道は自分の二の腕を強く掴む。爪を立てる。痛みで紛らわせないと、この不快な熱が頭を焦がしてしまいそうだった。二の腕を摩る振動で、徐々に着物が肌蹴ていたが、士道は気にかける余裕もない。
喘ぐように息を漏らしながら、顔を顰めながら、士道がどうにか正気を保とうとしていると、突如眼前に何かが現れる。
「ぁ……?♡」
それは、着物を着た人型のナニカだった。
士道が焼けかけの脳内で半透明なそれを処理しようとしているうちに、そいつは持てないはずの茶筅を手に取った。そうして再び士道へ近づいて、先程クソまずい抹茶を混ぜたそれの先を士道の下半身に押し当てた。
「っ〜〜〜〜〜!!!♡♡♡」
僅かな振動が布越しに自身の陰茎に触ると、士道の身体に快楽の電流がバリバリと走った。じわぁ、と着物に液体が染みる。
「ぇ"、は……??♡♡」
士道は信じられない気持ちで染みを見つめた。
何、何が起きた?
おれはいったい、??
士道が快楽の余韻と困惑の縁でびくびくと痙攣させている中、半透明、つまり幽霊__ようやく士道はそう理解出来たが__は脱げかけの士道の着物を剥ぎ取った。布擦れすらにもビクンと真っ赤な肩は跳ね、脳が痺れる。
幽霊は士道をまんぐり返しの体勢にする。元々大きい褐色の士道の陰茎は、その大きさを増してどくどくと脈打っていた。
幽霊の手は、特にそれ以上そこに触れることは無かった。代わりに、足を押しのけて丸出しになった尻穴に伸ばされた。
「ぇ、ぉ、」やめろ、と言いながら手を伸ばそうとするが、垂れきった脳内でその三文字は解けてしまって、上手く言葉が出てこなかった。もちろん手も先からの痙攣で動かない。
何の柵もない幽霊の手が、というか茶筅が、士道の後孔の縁へ触れ、そのまま、
ぐじゅ、とナカへ入ってきた。
「ぉ"っ……♡」太い声が喉の奥から捻り零される。
ある程度の太さを持っているそれが窄み切った穴に入ってきているというのに、痛みはなかった。またしても快楽がびりりと頭の中を駆け巡っただけだ。
ぐぼ、じゅぽっ。
鈍い水音を立てながら、抜き挿しを繰り返しながら、徐々に士道のナカは茶筅を迎え入れていく。網目細工のような竹の束が柔らかく前立腺の辺りを掠めた瞬間、有り得ないくらいの快感が身体を貫いた。
「ぁ"っ〜〜〜〜〜?!?♡♡♡」士道は肩を畳に擦り付ける形で身体を仰け反らせ、絶頂した。びるるるっ♡♡と、士道の陰茎から、種付け先のない精液が発射される。
しかし、士道が絶頂を迎えたにも関わらず、尻を犯す茶筅の動きは止まらなかった。
じゅぶじゅぶと、まるで茶を泡立てるように挿抜し、かき混ぜる。もはや痛みすらも感じ始めるほどの強い快楽が、士道に襲いかかった。
「ちょま"っ、も、イッっだ!!いったか、らッッッ♡♡」
士道が悲鳴を上げようが、竹の靱やかながら力強い淫撫は止まらない。
「んぉ"ッッ♡♡し、ぬ""ッッ♡♡♡あ"だまや"ける"♡♡」
まるで獣の咆哮のような、野太い嬌喚が板戸をガタガタと震わせる。
動かしすぎた竹のささくれが士道の中を引っ掻いて、尻の割れ目を血が伝う。その傷が擦れる痛みにすら士道は悦びに身体を跳ねさせ、瞳を裏返して絶頂した。もはや出すものが何も無くなった彼の陰茎は、くたびれてしまっている。
リコーダーくらいなら余裕で飲み込めそうなほど広がった彼の媚孔は、血液と、彼の分泌液と、それから"茶"の名を冠した媚薬液が混ざって泡立っていた。頭が下になるようにひっくり返され、茶筅で泡立てられている姿は、まるで彼自身が茶碗になったかのようだった。
__雄々しい喘ぎ声、それからじゅぶじゅぶと激しい水音。それらに紛れる形で、「ピピッ」と、この茶室にはそぐわない『録画完了』を伝える電子音が鳴った。