慶応義塾大学病院(慶大病院)に勤務する医師が、患者の医療個人情報が保存されていたPCの盗難に遭い、紛失していたことが2024年12月10日に日経クロステックの取材で明らかになった。当該医師は虎の門病院へも勤務経験があり、PCには虎の門病院1002人、慶大病院168人の患者に関する医療個人情報が含まれていたとする。同日時点でPCは発見されていないが、「外部からPCが開かれたというのは確認できていない」(慶大病院担当者)とする。
盗難PCを原因とした患者の個人情報に関する不正利用なども、2024年12月10日時点で確認されていない。慶大病院と虎の門病院は、事案の概要や判明後の対応、再発防止などについて両院長連名の文書を患者関係者へ2024年12月6日付で送付した。患者への案内が済み次第、ホームページなどで情報を公開する予定だ。
この文書によると、盗まれたPCは医師個人の所有物だった。2024年11月8日、屋外でPCを入れたバッグから目を離した際、バッグごと盗難に遭った。
保存されていた医療個人情報には氏名、患者ID、年齢、性別、生年月日の他、手術に至った経過や術中の経過、術者名、疾患名、治療の術式、入院日などが含まれる。盗難当時、当該医師は慶大病院勤務だったが、過去に勤務経験のあった虎の門病院の情報も含まれていたという。