改善勧告受けた塩釜市社会福祉協議会 介護と保育事業譲渡へ
財政状況が悪化しているとして塩釜市から改善勧告を受けていた市の社会福祉協議会が、現在行っている事業のうち、介護事業と保育事業を譲渡することを決め、事業を行う社会福祉法人の募集を始めました。
塩釜市が所管する社会福祉協議会は、高齢者の安否確認などの地域福祉事業や介護事業、それに保育事業を行っていますが人件費の増加などで財政状況が悪化し2024年5月に「改善が見込めない」として、県内で初めて市から社会福祉法に基づく改善勧告を受けていました。
これを受けて市の社会福祉協議会は、安定的に事業を継続する必要があるとして、現在行っている3つの事業のうち介護事業と保育事業を譲渡することを決めました。
市内5か所の介護事業所と2か所の保育園の建物や設備とともに現在借り入れている1億8500万円余りの債務も引き継ぐことなどを条件に事業を行う社会福祉法人の募集を10日から始めました。
利用者に影響が出ないように進めるとともに、職員については、原則、これまでの労働条件を維持したまま雇用を継続するとしています。
塩釜市社会福祉協議会はNHKの取材に対し、「事業譲渡は苦渋の決断だった。地域の福祉に明るい見通しをもたらす法人に運営を任せていく」と話しています。