事実と異なる内容を電子書籍に記載され名誉を傷つけられたとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長が元町議の女性らに損害賠償を求めた訴訟で、一審前橋地裁判決に続いて元町議の女性らの賠償責任を認めた二審東京高裁判決が27日までに確定した。期限までに双方が上告しなかった。26日付。

 二審判決によると、元町議の女性らに275万円の賠償を命じた一審判決を変更し、ライターの男性から黒岩町長側に支払われた110万円を差し引いた165万円の支払いを元町議の女性に求めた。町長室で黒岩町長と性交渉をしたとする元町議の女性の「告白」を虚偽とした一審判決を支持し「(うそが)インターネット空間や海外にも伝わったことで町長の社会的評価が大きく低下し、精神的苦痛も大きかったと認められる」とした。

 黒岩町長は「提訴から5年かかったが、町や家族の名誉を回復するために闘ってきた。主張が認められてよかった」とコメントした。

 元町議の女性は名誉毀損(きそん)、虚偽告訴の両罪で前橋地検に在宅起訴されており、今後審理される。