能ある鷹が爪を見せるとき【高黒】
諸君 私は高尾が好きだ
諸君 私は黒子が好きだ
諸君 私は高黒が大好きだ
病んでる高尾が好きだ
彼の重すぎる愛が黒子に向かうと心がおどる
愛されすぎる黒子が好きだ
彼が周りの人間に重すぎる愛を囁かれて困惑する姿に、その過去を思うと胸がすくような気持ちだった
私は攻めが受けに依存しすぎているくらいの関係が好きだ
二人の間にある感情差が激しすぎる時など感動すら覚える
だがこの広いpixiv内で高黒の数が着実に増えていく中、病み尾×黒子が増えないことに堪え続けてきた私にただの高黒ではもはや足りない!!
病み尾×黒子を!!
一心不乱の病み尾×黒子を!!
◆検索してもあんま見ないからこうやって自給自足するしかないとかどういう事なんだってばよ!少佐演説したいくらい餓えてる私の為に病み尾×黒子流行れよ!
◆本編はほんのり病んでる高尾と黒子の雰囲気SSです。申し訳ないくらい、わたしでは高尾を病ませられませんでした。
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「ボクが浮気したらどうしますか?」
「それ本気の浮気?」
「本気の浮気です」
「じゃあ相手を探して殺す」
「相手が緑間くんでも?」
「相手が真ちゃんでも」
「相手が君の妹さんだったら?」
「それでも殺す」
「正気ですか?」
「正気も正気。他の誰が居なくなるより、テッちゃんが居なくなる方が耐えらんない」
そう言って彼の足の間に座ったボクを抱き締める腕が強くなる。
肩口に顔を埋める彼の表情はどうなっているんだろう。
きっと普段見れないような表情である事だけは確かだ。
「じゃあ本気の浮気じゃなかったら?」
「それだったら良いよ」
今度はあまりにもあっさりそんな返事が返ってきて、ボクは後ろを振り返った。
肩口に顔を埋めていた筈の彼はそんなボクの動きに気付いて腕の力を緩めると、顔をあげてボクを見る。
ボクはそんな彼に重ねて問いかけた。
「なんでですか?」
「だって本気じゃないんだろ? だったら最後は俺んとこに帰って来るって事だから別に良い」
「君の目の前でいちゃついてもですか」
「うん、良いよ」
「君との約束を破ってそっちに行ったとしても?」
「別に良い」
「嫌じゃないんですか?」
「そりゃ嫌だけどさー。テッちゃんが本気じゃない限りはまぁいっかなって」
「その間、君はどうするんですか?」
「その間って?」
「ボクが浮気してる間です」
「別にどうもしないけど」
「君も浮気するとかないんですか?」
ボクがそう問うと、目の前の彼はえー? と少し嫌そうな顔して声をあげた。
「テッちゃん以外ととかないない。そんなら練習してるのがマシだって」
「君は……どんだけボクが好きなんですか」
「テッちゃんの言うことならなんでも聞くくらい? ただし一部例外を含む」
「具体的には?」
「テッちゃんを嫌いになれとか、別れろってのは断るけど、それ以外なら命だって差し出せるくらい?」
「なにそれ怖い」
「ブフォっ! テッちゃんの口調が迷子!」
「君のキャラの方が迷子です」
おかしくてたまらないと言わんばかりに笑う彼にボクはそう冷ややかに視線を送ると、目尻に涙を浮かべながらだって、と彼は言った。
「言ったじゃん。こんな感情初めてなんだけどなって」
「え……? まさかあの瞬間からですか?」
「実は一目惚れでしたー」
「え、ちょ、まさかの事実なんですが。いやでも、まさかあの瞬間から既にさっきのようなこと思っていたって事はないですよね?」
「んーそこまでは流石に? あーでも多分俺の運命の相手はテッちゃん以外にあり得ないだろうなーくらいは思ってたかも」
「え、ちょっと色々待って頂きたいんですが」
「待ちませーん! つかさ、テッちゃんは俺に捕まった時点でもう逃げらんねぇんだぜ?」
そう言う彼の言葉の調子は軽いのに、視線は試合で見るときよりも鋭くて真剣だ。
腕の力はまた強くなっていた。
「別に、逃げるつもりはないですけど」
「まぁ逃げようたって、俺の目からは逃げも隠れも出来ないけどな」
「……何故でしょう。さっきから言葉の端々に恐怖を感じます」
「んー、それは俺がテッちゃんに本気だからかなー」
こう見えて色々我慢してんだぜ? と高尾くんが笑う。
「本当はテッちゃんを此処に閉じ込めてどこにも行けなくしたいと思ってるし、テッちゃんの行動を縛って、俺だけしか見ないようにしたい」
「え」
「いやこれ割とマジな話。さっきの例えじゃないけど、もしテッちゃんが浮気とかしたら俺、正気保つ自信とかないぜ? 相手は当然殺すけど、その前にテッちゃんも殺すかも」
そう言ってひたりと高尾くんの右手が首に触れる。
何度か優しく触れたかと思うと、今度はグッと首を掴んできて、力を込められる。苦しい。
「ははっ、テッちゃんの首ほっせぇ……片手でも十分掴めんじゃん」
「たか、お、くん……」
「苦しい? ごめんねテッちゃん。でも俺そんくらいテッちゃんには本気なわけ。これでも抑えてんだぜ?」
「くる、し……」
「だろうね。けど俺も苦しい。テッちゃんの事は信頼してるよ? だから何しても俺は我慢するし、受け入れる。本当はやだけど、浮気したって目を瞑る。そうしないと暴走してテッちゃんの事、めちゃくちゃに縛りそうだから。けど、」
ギリッと首に爪を立てて、高尾くんがボクを見据える。
その目に宿るのはいつもの楽しそうな色とは違う、暗い暗い、どこまでも呑み込まれそうなドロリとした深い闇。
嗚呼、いつから彼はこんな目をしていたんだろう……そんな目、君には相応しくないのに。
「たか、」
「許さない。もし俺の事を捨てようなんて思ったら、テッちゃんのこと許さない。……俺知らなかったわ、自分がこんな独占欲強いなんて。テッちゃんが俺に教えたんだぜ?」
だから逃がさない。
閃く鷹の目がそう言ってボクを捕らえる。
嗚呼、どうしたらこの言葉にならない想いを、彼に伝えられるだろう。
そう思っているのは君だけではないのだと、どうしたら。
降ってきた唇に目を閉じて、ボクはそんな事をぼんやり思った。