ビジネスとしての産業医
昨今、若い先生を中心に人気が高まりつつある?ような気がする、産業医。
今回はそんな産業医という仕事について、ビジネスとしてどうなのか、解剖していきます。
僕自身は、産業医としての顧問先が数十社あります。
全て、自分で開拓しました。
今回は今までの経験と知識を、一旦テキストに落とし込みました。
かなり限られた人にしかニーズのない内容だとは思いますが、お役に立てれば幸いです。
とりあえず知っておきたい事
1、産業医ビジネスは、労働集約型
産業医ビジネスは、労働集約型のビジネスです。
基本的には顧問先、嘱託事業所が増えれば増えるほど、投入しなければならない時間と労力は、増えていきます。
自分の時間と労力をどこまで投入できるのか?
これは、立場によって異なると思いますので、よく考える必要があります。
例えば、週1研究日で休みをもらっている、勤務医の先生。
週1で捌き切れる量以外を請け負ってしまうと、信用毀損につながりますから、注意が必要です。
一般に産業医活動は、平日の日中の対応を求められる事が多いです。
当たり前ですが他の診察時間と被る事が多いため、なかなか調整が難しい可能性が高いのが、ネックと言えるでしょう。
逆に「平日の夜や、土日の対応でも問題ない」という事業所さんがあれば、それは両立させやすいです。
2、企業はコストを支払いたがらない
企業は産業医活動に対して
なるべく少ないコストで最低限のことをしてもらいたい
と思っている事を、理解して下さい。
なぜならば、産業医活動は利益を生み出さないコストであり、企業からすればゼロが望ましいからです。
そこにコストをかけると、社長が株主(≒創業者、会長)に怒られ、部長が社長から怒られ、担当者が部長から怒られるからです。
会社を経営するとわかりますが、売上を伸ばすよりも、売上が横ばいでコストをカットした方が、営業利益をたやすく伸ばせる事ができます。
それが製品やサービスの品質に直接関係のない、産業医活動のようなコストであれば、基本的には優秀な経営者ほど、真っ先にコストカットする対象であるはずです。
しかしながら、中には”健康経営”というワードを掲げる会社もあり、産業医活動に進んでコスト投入をしている会社もあります。
これにはカラクリがありますが、長くなるので後述します。
産業医と営業
医師として普通に生きていれば、営業なんてした事がないという方が、ほとんどだと思います。
むしろ、一方的に営業を受けるだけだった、という人が多いのではないでしょうか。
しかしながら、産業医という自由競争の世界、ビジネスの世界に脚を踏み入れるからには、営業から逃れる事はできません。
逆に言えば、他の医師ができないような、しっかりとした営業ができれば、ビジネスとしてはかなりの優位性を保つ事ができるでしょう。
以下の点は、しっかりと頭に叩き込んで下さい。
1、営業としての「当たり前のスキルとルール」を身につけろ
と言われても…という方が多いと思いますので、以下の3つだけ気をつけましょう。
メールと電話は素早く、丁寧に
横柄な態度で電話をしたり、メールの返信が数日経っても来ない、みたいな事にはならないようにしましょう。
基本は即レスです。臨床現場のトイレで用を足しながら返信して下さい。
時間は絶対に守る
つい臨床現場だと、外来で患者さんを待たせたり、時間にルーズな先生が多いですが、産業医は別です。
ビジネスの場では、時間を守らない=信頼の失墜です。
もし5分遅れるとしても、事前に連絡をして遅れる事を連絡すべきです。
社会人としては当たり前なのですが、医師として生活しているとつい忘れがちな内容ですので、今一度確認でした。
パリッとした服装を心がける
相手はスーツを着ているか、作業着かわかりませんが、仕事をする上での正装をしています。
こちらも可能な限り、正装に近い形で挑むべきです。
これ、結構重要です。
思いの外相手は、どういう服装でどういう態度で仕事に挑んでいるのか、ノンバーバルですが感じ取ります。
スーツとまでは言いませんが、だらしないTシャツや、ダボっとしたズボンはやめましょう。
夏はせめてポロシャツにスラックス。冬はシャツにジャケットくらいは着用するのが、マストでしょう。
間違ってもパーカー、トレーナーなどでは行かないように。
2、企業によって異なる「ニーズと熱量」を嗅ぎ分けろ
産業医の営業は、やみくもに行うものではありません。
toCサービスでは無いため、あまり無理に営業を縦断爆撃で行うと「この先生、逆に大丈夫かな…?」と、信用を静かに毀損します。
そのため、狙いを定めて営業する必要があります。
具体的な集客方法については後述しますが、まずその前提として、企業によって異なるニーズと熱量を嗅ぎ分ける、という事を理解しましょう。
例えば
A社…創業38年、金型製造業。最近外国人労働者を複数雇用したら、50人を超え労基署に言われたため、産業医を探している
B社…創業2年、IT企業。急成長しているベンチャーで、50人を超えそうだがまだ超えていない。特に言われたわけではないが、出資してもらっているVCから、福利厚生の強化目的にも産業医を探せと言われた
C社…創業25年、大手企業グループの子会社で、既に産業医はいるが、高齢で引退するため、代わりの産業医を探している
で、どれくらいの熱量とニーズが隠れているか、なんとなく理解できるでしょうか?
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