被害女性「どこまで私を愚弄するのか」 元大阪地検検事正の無罪方針転換にコメント全文

元大阪地検検事正の北川健太郎被告の初公判後、会見で被害の苦しみを打ち明ける被害女性=10月25日午後、大阪市北区
元大阪地検検事正の北川健太郎被告の初公判後、会見で被害の苦しみを打ち明ける被害女性=10月25日午後、大阪市北区

酒に酔った部下の女性検事に性的暴行を加えたとして、準強制性交罪で大阪地検トップの検事正だった北川健太郎被告(65)が起訴された事件で、被告側が次回公判で一転して同意の有無などの認識を争い、無罪を主張することが10日、分かった。この方針を受け、被害女性は同日、「どこまで私を愚弄し、なぶり殺しにすれば気が済むのでしょう」などとするコメントを出した。

コメントの全文は次の通り(原文ママ)。

被告人は、私をどこまで愚弄し、なぶり殺しにすれば気が済むのでしょう。被告人は、初公判で、「罪を認め争うことはしません。被害者に深刻な被害を与えたことを深く反省し、謝罪したい」と述べていましたが、それは保釈を得るための芝居だったのでしょうか。

初公判により被告人の卑劣で悪質な犯行や犯行後の言動が明らかになったことで、被告人を非難する声が高まっていること、せっかく初公判で罪を認めたのに、保釈請求も却下され、また、私が一貫して判決確定まで損害賠償金の支払いに応じないと表明していることから、いよいよ実刑判決が見えてきたことに焦り、さらに、被告人が親しい女性副検事に捜査情報を漏洩(ろうえい)させるなどしていた疑いがあり、それについても処罰の可能性が出てきたことから、自己保身ゆえに再び否認に転じたのだと思います。

被告人は事件当初から弁解を二転三転させてきました。たくさん噓もついてきました。被告人の再びの噓を誰が信用するのでしょうか。

検察のトップにいた人が、事件から6年もの間、一度たりとも被害者の苦しみを想像せず、真に罪を償おうと思うことがなかったことは、被害者としてとても悲しく、検事としてとても情けないです。

被告人がどのように主張しようが、真実は一つです。司法の正義を信じます。検察トップが犯した重大な罪と、被害者を傷付け続ける無反省で無神経な言動に見合った長期の実刑判決を求めます。

「口止めあった」とも訴え

被告は検事正在職中の平成30年9月、大阪市の官舎で、酒に酔って抵抗できない状態の女性に性的暴行をしたとして起訴されていた。弁護人によると、次回公判以降、同意の有無や女性が抵抗できたかどうかの認識を争い、故意を否定する方針。

被害女性は初公判の後に記者会見し、「被害を受けてから約6年間ずっと苦しんできた。なぜもっと早く罪を認めてくれなかったのか」と、声を詰まらせながら被害実態を明かした。行為を受けた際の心情を「恐怖し、驚愕(きょうがく)し、絶望して凍り付いた」と述べて同意を強く否定。「身も心もぼろぼろにされ、家族との平穏な生活も仕事も全て壊された」と訴えていた。

冒頭陳述や女性の説明によると、女性が暴行をやめるよう伝えたのに、被告は「これでお前も俺の女だ」と行為を続けたとされる。事件後に被告は女性に「大スキャンダルとして組織は強烈な批判を受ける。私の命にかえてやめていただきたい。大阪地検のため」などと記した書面を出し、口止めしたという。

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