全科共通皮膚科2020-10-16
質問したきっかけ
新人看護師です。私の勤める施設では、アルギン酸塩被覆材を創傷処置に使用していますが、使用する理由や使い方、注意点がよくわからず困っています。
質問したいこと
アルギン酸塩被覆材を使用する理由やその使い方、注意点について教えてください。
ひとこと回答
アルギン酸塩被覆材は、とても強力な止血効果を有するドレッシング材です。滲出液などを吸収してゼリー状になるため、創傷面の湿潤環境を保つことができます。そのため、出血創や壊死組織のある開放創、肉芽創などに効果を発揮します。ただし、感染創や滲出液のない創は効果が期待できないため、使用を控えましょう。
詳しく説明すると
私は、皮膚・排泄ケア認定看護師です。アルギン酸塩被覆材を使用する理由やその使い方、注意点について一緒に学んでいきましょう。
アルギン酸塩被覆材には、カルトスタット(R)、アルゴダーム(R)、ソーブサン(R)、クラビオAG(R)などさまざまな商品があり、別名アルギネート材ともいいます。
他のドレッシング素材と比較すると、アルギン酸塩被覆材は特に水分吸収機能に優れており、創部からの出血だけでなく、多量の浸出液なども吸収してゼリー状に固まるのが特徴です。ゼリーになった部分は創部と固着せず、創傷面の湿潤環境を保つため、アルギン酸塩被覆材を交換する際も、微温の生理食塩水で洗い流すだけで簡単に取り除くことができます。
ただ、アルギン酸塩被覆材はテープ機能がないため、創部を固定するにはカバーするテープ類が必要です。テープ類の選び方によっては、アルギン酸塩被覆材の効果を充分に発揮できない場合もあります。弾性包帯で広い部分を軽めに覆い、小まめに弾性包帯を交換するなどの対応が好ましいでしょう(ドレッシング材の交換は原則1日1回です)。
ちなみに、アルギン酸塩被覆材は弱酸性の素材であるため、細菌に対して静菌作用(細菌の増殖を抑制する効果)があるとされています。そのため、出血創や滲出液の多い創だけでなく、壊死組織のある開放創や肉芽創などの幅広い創で使用することができます。
ただし、感染創でアルギン酸塩被覆材は使用しないほうがよいです。先ほどもお伝えしましたが、このドレッシング材は静菌作用があるだけで、殺菌作用はありません。熱感や腫脹、疼痛といった感染徴候のある化膿創に使用すると感染が悪化する可能性が高いので、使用しないようにしましょう。
また、創傷被覆材は保険の関係により最大で3週間しか使用することができません。そのため、滲出液や出血が多いときはアルギン酸塩被覆材を使用し、創が乾燥してきたら他のドレッシング素材を選択するようにしましょう。アルギン酸塩被覆材は、ずっと使い続けていると、その水分吸収力から乾燥しやすくなってしまいます。そのため、タイミングを見計らうことが大切です。
おわりに
傷を見たときに一瞬「治らないくらいひどい」と感じることもありますが、ドレッシング材をうまく利用することで、これまで以上に創部の早期治癒が可能になってきました。患者さんの傷をアセスメントし、どのようなドレッシング材をどのような時期にどの程度使用するのかなどが分かれば、看護がさらに有益なものになります。勉強を重ねて、これからもご活躍されることを祈っています。
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