トンガ首相が突如辞任、王室との権力闘争の末
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【12月9日 AFP】南太平洋に浮かぶ島国トンガのシャオシ・ソバレニ首相が9日、突如辞任した。首相府と議会関係者が明らかにした。ソバレニ氏は王室との権力闘争を繰り広げていた。
議会関係者のロンダ・フファンガ氏が、AFPに「首相は辞任した。次に何が起こるかは分からない」と語った。
ソバレニ氏は、議会で自身の不信任投票が行われる直前、辞任を表明した。
後任は現時点では不明だが、不信任投票は政敵でベテラン政治家のアイサケ・エケ氏が主導した。
首相府の報道官はAFPに対し、ソバレニ氏の辞任は「事実だ」と認めた。
トンガは19世紀後半から、立憲君主制を採用している。王族は徐々に権力を手放してきたが、国王と貴族らは依然、大きな影響力を持っている。
2021年に就任したソバレニ氏は今年、国王ツポウ6世に「信任と同意」を撤回すると迫られ、軍での役職返上を強いられた。ソバレニ氏は当初、国王の要求に従うことを拒否。法的助言も仰ぎ、そうした動きは違憲だと主張していた。
しかし最終的には、国王を侮辱したとの疑惑を否定せざるを得なくなり、譲歩した。それ以来、王族とソバレニ政権との間で亀裂が広がっているとの臆測が広がっていた。(c)AFP