石破首相「企業・団体献金禁止 表現の自由保障の憲法に抵触」

国会では衆議院予算委員会で、今年度の補正予算案の実質的な審議が始まりました。政治改革をめぐり、立憲民主党が企業・団体献金の禁止を重ねて求めたのに対し、石破総理大臣は企業にも政治的な意思を示す自由があるとして、献金を禁止すれば「表現の自由」を保障した憲法に抵触するとの認識を示しました。

自民党の国光文乃氏は、保育士の処遇改善をめぐり「非常に大事な分野なのに賃金は低く、人手も困窮している。国が率先して賃上げを確実にしていく姿勢が民間への波及効果にもつながる」と今後の対応を聞きました。

これに対し石破総理大臣は「前年比10.7%の大幅な処遇改善を行ったが、それでも全産業平均より低い。保育の現場はものすごい労働で責任も重い。苦労にふさわしい報酬が払われるよう、きちんと実行することをまずやっていきたい」と述べました。

立憲民主党の重徳政務調査会長は、補正予算案について「予算規模は10兆円を超え、コロナの前と比べても異常な事態だ。中身も問題で基金に3.5兆円が積み増され、成果の検証も何もされていない。今年度中に使い切ると宣言できるのか」と迫りました。

これに対し石破総理大臣は「積み上げの結果としてこうなったもので、規模ありきで考えたものではない。緊要な事態だと判断しなければ補正予算案に載せたりはしない。財政法の基準はよく承知しているつもりで、検証もしている」と反論しました。

立憲民主党の米山隆一氏は、企業・団体献金をめぐり「裁判の判例をまるで金科玉条のようにして企業献金の禁止自体が違憲であるように言うが、それは違う。そのとき、そのときで考えればいい立法政策の問題だ。憲法に反すると思うのか」とただしました。

これに対し石破総理大臣は「憲法上の根拠は『表現の自由』を保障した憲法21条だ。企業も『表現の自由』は有しているわけで、企業・団体の献金を禁ずることは、私は少なくとも憲法21条に抵触すると思っている」と述べました。

また、政治とカネをめぐる問題で、石破総理大臣は、旧安倍派の幹部らに政治倫理審査会への出席を促すよう求められ「促すことができる立場ではないが、私は、みずからが『そういうことはない』と言う場がわざわざあるわけだから、正直言って出るべきだと思う。非公開という選択は排除しないが、審査会の場を最大限活用するのが議員のあるべき姿だ」と述べました。

さらに能登半島地震への対応をめぐり、石破総理大臣は発生から1年となる来月1日に現地を訪れたいという意向を示しました。

そして、原則2年以内とされている仮設住宅の入居期限について「2年を超えることになっても生活再建の状況などで期間の延長が必要であれば国として柔軟に対応する」と述べました。

一方、学校給食費の無償化をめぐり、石破総理大臣は「そもそも給食をやっていない地域との公平性をどう図るかという課題はある。課題をきちんと解決したときに、次の段階に移行する。論点を把握した上で解決に取り組みたい」と述べました。

あわせて読みたい

スペシャルコンテンツ