税再配分“出来レース”告発文書 鳥取知事「我々の決定に影響ない」
東京都など大都市の税収を地方に再配分する「偏在是正措置」を巡る、国と全国知事会側の「出来レース」を示す告発文書について毎日新聞が報じた。別の告発文書によると、総務省の内藤尚志事務次官は部下に「平井伸治会長(鳥取県知事)に言えば、(知事会)要望に書いてもらえるだろう」と述べたとある。内藤氏と平井氏は1984年旧自治省入省の同期。文書の内容について、両氏に聞いた。【中島昭浩】
毎日新聞には、国と地方が「対等」の関係であることを目指してきた地方分権が「名ばかり」であることをうかがわせる2本の告発文書が寄せられた。
1本目は、今年6月2日の日付がある「知事会との打ち合わせ」。総務省幹部が鳥取県と宮崎県の部長を役所に呼び出し、「どうしても知事会が偏在是正をやりたいとのことで作戦会議を持つこととなった、というテイでお願いしたい」などとして、総務省が作成した文案を7月の全国知事会提言に盛り込むよう求めている。毎日新聞デジタルは8月8日に報じた。
この際、鳥取県の部長は「平井知事は頻繁に内藤総審(総務審議官)室に出入りしており、本件についてもその辺の感覚はお持ちだと思う」と言ったとされる。その後、7月に内藤氏は総務審議官から総務次官に昇格した。
2本目の文書は、今年4月17日の日付がある「内藤総審レク」と題した文書だ。そこで内藤氏は部下に「(東京と地方の)財政力格差の拡大がみられないならば、偏在是正措置を講じるトリガーを探さないと。前回はしゃかりきになって探した」「知事会は、平井知事に言えば、要望に書いてもらえるだろう」などと述べたとある。
告発文書について、毎日新聞が出席者として記された複数の関係者に確認取材したところ、「会合はあったかもしれない」などの認識を示したものの、「やり取りは記憶にない」などとあいまいな答えに終始した。
総務次官、書面回答に応じず
記者は内藤氏に対しても確認取材を申し込んだ。…
この記事は有料記事です。
残り1271文字(全文2078文字)
全ての有料記事が読み放題