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RESEARCH
REPORT

調査研究

2024/12/10

【兵庫県知事選挙2024】―ネットではどれくらい盛り上がったのか―【データ公開】

当研究所では、斎藤元彦前兵庫県知事の失職に伴う兵庫県知事選挙について、当初調査を行う予定はありませんでした。しかし、選挙戦が終盤に差し掛かる中、マスコミ各社から多数の問い合わせやリクエストを受け、急遽、斎藤元彦氏と稲村和美氏を中心とした調査を実施し、レポートを作成いたしましたので、公開いたします。

①フォロワー数

11月16日時点の斎藤氏と稲村氏のX、Instagramのフォロワー数、およびYouTubeのチャンネル登録者数を以下(左下のグラフ)に示します。斎藤氏のフォロワー数は、いずれも稲村氏の10倍以上となっており、ネット上では勝敗がついている印象を受けます。
当研究所が2022年秋に実施した都道府県知事・政令指定都市市長を対象とした調査では、斎藤氏のX(当時Twitter)のフォロワー数は25,425人でしたが、右下のグラフからもわかるように、この2か月間でフォロワーが15万人近く増加しています。また、斎藤氏の応援アカウント(10月7日開設)のフォロワー数は約6万人であり、応援アカウントとしては高い水準(石丸伸二後援会より多い)です。

斎藤元彦:X, X(応援)Instagram, YouTube;稲村和美:X, Instagram, YouTube

Facebookについては、両氏ともアカウントを所有していますが、斎藤氏(個人アカウント5,900人、ファンページ3,700人)は前回の2021年の選挙以降、更新を停止していました。一方、稲村氏(ファンページ1,100人)は、期間中に約50回の投稿を行なっており、その主な内容はReels(縦動画)とスケジュール告知でした。

次に、斎藤氏のXのフォロワー数の増加について、東京都知事選挙でもっともフォロワー数を伸ばした石丸伸二氏、および衆議院総選挙でもっともフォロワー数を伸ばした玉木雄一郎氏と比較しました。その結果、斎藤氏は玉木氏を上回るペースでフォロワーを増やしていることが判明しました。石丸氏には及びませんが、兵庫県の人口が東京都の人口の4割に満たないことを考慮すれば、斎藤氏の勢いは石丸氏と同等か、それ以上であったと言えるのではないでしょうか。

YouTubeの視聴数についても、3氏を比較しました。その結果、斎藤氏のYouTubeチャンネルの視聴数は、YouTuberでもある石丸氏や玉木氏に匹敵するほどではないことがわかりました。


②X

選挙期間中、斎藤氏の個人アカウント(期間中30投稿)の投稿は夜間が多く、日中は主に応援アカウント(189投稿)のリポストが中心でした。一方、稲村氏(197投稿)は1日に平均約12回投稿しており、その中にはスタッフによる投稿も多く含まれていました。

Xにおけるリプライ、リポスト、いいね、ブックマーク、および表示回数の中央値を比較すると、斎藤氏の数値は稲村氏を大きく上回っていました。特に、いいね数では30倍もの差がありました。斎藤氏の応援アカウントのスコアは、斎藤氏個人アカウントの約1/4から1/3程度に留まっていましたが、それでも全項目において稲村氏を上回っていました。

合計値にしても、わずか30投稿の斎藤氏のスコア全てが、197投稿の稲村氏を上回っていました。また、応援アカウントの数値はすべて斎藤氏の数値を超えており、この選挙では応援アカウントが効果的に機能していたといえるでしょう。以上のように、Xでは稲村氏が斎藤氏に太刀打ちできていなかったことがわかりました。

11月16日時点、斎藤氏の投稿の中で、もっとも反応があったのは、11月15日の誕生日を迎えたことを報告する投稿でした。

一方、稲村氏の投稿でもっとも反応があったのは、11月12日に投稿された、公正な選挙を呼びかける「いなむら和美選挙対策本部からのお知らせ」でした。


③動画(YouTube, Instagram)

次に、動画の視聴数を比較したところ、YouTubeビデオ・ショートについては、中央値では斎藤氏(10月12日より投稿)が優勢、合計では投稿数が多い稲村氏(10月11日より投稿)がリードという結果でした。YouTubeライブについては、斎藤氏は10月24日からライブ配信を19回行い、視聴数の中央値は28,000回でした。一方、稲村氏は最終日にのみライブ配信を2回行いましたが、11月16日23時からのライブ配信では、リアルタイム視聴数は1,000人に届いていませんでした。

また、Instagram Reelsにおいても、両氏の間で大きな差が見られました。

TikTokについては、稲村氏(@inamura_info)が10月31日に1本、11月6日に8本の動画を投稿しましたが、期待したほどの反応が得られなかったためか、それ以降は更新がありませんでした。

斎藤氏は動画においても稲村氏を圧倒していましたが、今回の選挙において、YouTube上でより大きな影響を及ぼしたと考えられるのは、斎藤氏を支持・支援するネットワークでした。特に、同じく立候補していた立花孝志氏は、自身のフォロワー数63万人を誇るYouTubeチャンネルで100本以上の動画を投稿し、これらは合計で1,500万回近く再生されました。また、立花氏公認の切り抜きチャンネルに加え、須田慎一郎氏や髙橋洋一氏による動画なども注目を集めました。さらに興味深い点として、ゲーム配信やガーデニングなどを主に扱っていたチャンネルが、突如として斎藤氏関連の動画を投稿し始めるケースもいくつか確認できました。
下のグラフは、各チャンネルから、兵庫県知事選挙に関連するビデオのみを抽出し、それらの視聴数を合計したものを示しています(全てを網羅したものではありません)。

その他にも、選挙に対する関心を高める結果につながったと思われる影響力の大きいチャンネルとして、ReHacQ、中田敦彦のYouTube大学、へライザー総統のチャンネルなどが挙げられ、これらの関連動画の視聴数は、それぞれ100万回を超えていました。
11月21日追記:大きなところでは「立花孝志ふたり放送局」が抜けておりました。同条件での視聴数は1,000万回程度であったと推測されます。
12月5日追記:「ふくまろネットニュースチャンネル」についても、500万回を下回らない数値であったと推察されます。
12月9,10日追記:ReHacQについては、11月1日の【ReHacQ討論会】兵庫県知事選挙【候補者7人vs高橋弘樹】を指しています。これについては、討論会という性質上、「選挙関連動画」であり、当研究所では従来「応援動画」、「斎藤元彦氏単体の関連動画」に分類されるものとはしておりません。

東京都知事選挙では、石丸氏を専門に扱う切り抜きチャンネルが多数確認された一方で、今回の兵庫県知事選挙では、斎藤氏に特化し、10万回以上の視聴数を記録したチャンネルは1つしか確認できませんでした。
また、東京都知事選挙では、期間中の視聴数が3,000万回を超える石丸氏の応援・切り抜きチャンネルが2つ存在しましたが、今回の選挙では、そこまでの視聴数を記録したチャンネルは見当たりませんでした。
候補者本人の視聴数を大きく上回る視聴数をもつチャンネルがたくさんあったという点では、両知事選に共通点が見られますが、兵庫県知事選挙では、著名人による援護射撃が多かった点で違いが見られました。

アメリカの大統領選挙では、選挙関連動画の主要視聴プラットフォームがYouTubeからInstagram (Reels)に移行し、2分以内の短尺動画が主流となり、5分以上の動画は全体の1/5以下にとどまるというトレンドが見られました。一方、日本では引き続きYouTubeが選挙関連動画の主要なプラットフォームとなっています。さらに、上記の動画から視聴数が50万回を超える30本について長さ(尺)を調査したところ、最短で4分44秒、中央値は15分であり、アメリカとは異なる傾向が見られました。この結果から、日本人はテレビ番組のような長尺のコンテンツを求めているが、テレビがそのニーズに応えられていないと考察しています。


④東京都知事選挙との比較

最後に、斎藤氏のXおよびInstagram (Reels)におけるスコアを、東京都知事選挙の小池、石丸、蓮舫氏と比較しました。斎藤氏(の中央値)は、リポスト数では石丸氏の約2倍、いいね数では約3倍であり、ユーザーによる斎藤氏の投稿に対するアクションが非常に多かったことが見て取れます。表示回数については、石丸氏がわずかに斎藤氏をリードしていますが、これも選挙区人口を考慮すれば、今回の選挙における斎藤氏に対する有権者、ネット上の関心が非常に高かったといえる結果だと思います。Reels再生数についても、4人の中では斎藤氏がトップでした。


2024年のアメリカ大統領選挙では、メディアがハリス氏を支持する一方で、トランプ氏に対するネガティブな報道が相次ぎました。このような、特定の候補者を支持するかのような一方的な報道が影響し、「既存メディアは偏向している」と考える人が増加したという調査結果も報告されており、その結果、多くのアメリカ国民がメディアの信頼性に疑問を抱くようになったといわれています。

こうした状況の中、イーロン・マスク氏は、Xなどのソーシャルメディアが偏向を是正し、真実を伝える場として重要な役割を果たしていると主張しました。しかし、専門家による調査では、偽情報の拡散においてもXが中心的な役割を担っていると指摘されています。さらに、トランプ氏の再選後、ヨーロッパの複数のリベラル系日刊紙が、Xが有害で偽情報のプラットフォームだとして、決別を宣言する事態となっています。

一方、日本でも、先の衆院選において「裏金マーク」がネット上で炎上したように、マスコミに対する疑念の声が高まっていました。そうした中、斎藤氏を支援する目的で出馬した立花孝志氏は、自身の強力な発信力を活かし、「デマを流すマスメディアvs真実を伝えるネット」という対立構図に持ち込むことで、大きなうねりを作り出しました。

以上、斎藤氏と稲村氏に限定した調査にはなりましたが、今回の兵庫県知事選挙は、
・東京都知事選、衆院選を経て日本におけるネット選挙は新たなフェーズに突入した
・動画、特に、縦のショート動画、ライブ配信の重要性がますます高まっている
・トランプ現象はどこの国でも起こりうる
と強く感じさせる選挙でした。

今回の兵庫県知事選挙は、テレビや新聞といった既存メディアが、YouTubeやXをはじめとするSNSに選挙報道の主役の座を譲った転換点といえるでしょう。来年予定されている東京都議選や参院選では、SNSにおける選挙情報がさらに増加し、ネット選挙の影響力が一層拡大すると予想されます。

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(C)2022 netcommu.

    2024.11.17

    【兵庫県知事選挙2024】―ネットではどれくらい盛り上がったのか―【データ公開】

    当研究所では、斎藤元彦前兵庫県知事の失職に伴う兵庫県知事選挙について、当初調査を行う予定はありませんでした。しかし、選挙戦が終盤に差し掛かる中、マスコミ各社から多数の問い合わせやリクエストを受け、急遽、斎藤元彦氏と稲村和美氏を中心とした調査を実施し、レポートを作成いたしましたので、公開いたします。

    ①フォロワー数

    11月16日時点の斎藤氏と稲村氏のX、Instagramのフォロワー数、およびYouTubeのチャンネル登録者数を以下(左下のグラフ)に示します。斎藤氏のフォロワー数は、いずれも稲村氏の10倍以上となっており、ネット上では勝敗がついている印象を受けます。
    当研究所が2022年秋に実施した都道府県知事・政令指定都市市長を対象とした調査では、斎藤氏のX(当時Twitter)のフォロワー数は25,425人でしたが、右下のグラフからもわかるように、この2か月間でフォロワーが15万人近く増加しています。また、斎藤氏の応援アカウント(10月7日開設)のフォロワー数は約6万人であり、応援アカウントとしては高い水準(石丸伸二後援会より多い)です。

    斎藤元彦:X, X(応援)Instagram, YouTube;稲村和美:X, Instagram, YouTube

    Facebookについては、両氏ともアカウントを所有していますが、斎藤氏(個人アカウント5,900人、ファンページ3,700人)は前回の2021年の選挙以降、更新を停止していました。一方、稲村氏(ファンページ1,100人)は、期間中に約50回の投稿を行なっており、その主な内容はReels(縦動画)とスケジュール告知でした。

    次に、斎藤氏のXのフォロワー数の増加について、東京都知事選挙でもっともフォロワー数を伸ばした石丸伸二氏、および衆議院総選挙でもっともフォロワー数を伸ばした玉木雄一郎氏と比較しました。その結果、斎藤氏は玉木氏を上回るペースでフォロワーを増やしていることが判明しました。石丸氏には及びませんが、兵庫県の人口が東京都の人口の4割に満たないことを考慮すれば、斎藤氏の勢いは石丸氏と同等か、それ以上であったと言えるのではないでしょうか。

    YouTubeの視聴数についても、3氏を比較しました。その結果、斎藤氏のYouTubeチャンネルの視聴数は、YouTuberでもある石丸氏や玉木氏に匹敵するほどではないことがわかりました。


    ②X

    選挙期間中、斎藤氏の個人アカウント(期間中30投稿)の投稿は夜間が多く、日中は主に応援アカウント(189投稿)のリポストが中心でした。一方、稲村氏(197投稿)は1日に平均約12回投稿しており、その中にはスタッフによる投稿も多く含まれていました。

    Xにおけるリプライ、リポスト、いいね、ブックマーク、および表示回数の中央値を比較すると、斎藤氏の数値は稲村氏を大きく上回っていました。特に、いいね数では30倍もの差がありました。斎藤氏の応援アカウントのスコアは、斎藤氏個人アカウントの約1/4から1/3程度に留まっていましたが、それでも全項目において稲村氏を上回っていました。

    合計値にしても、わずか30投稿の斎藤氏のスコア全てが、197投稿の稲村氏を上回っていました。また、応援アカウントの数値はすべて斎藤氏の数値を超えており、この選挙では応援アカウントが効果的に機能していたといえるでしょう。以上のように、Xでは稲村氏が斎藤氏に太刀打ちできていなかったことがわかりました。

    11月16日時点、斎藤氏の投稿の中で、もっとも反応があったのは、11月15日の誕生日を迎えたことを報告する投稿でした。

    一方、稲村氏の投稿でもっとも反応があったのは、11月12日に投稿された、公正な選挙を呼びかける「いなむら和美選挙対策本部からのお知らせ」でした。


    ③動画(YouTube, Instagram)

    次に、動画の視聴数を比較したところ、YouTubeビデオ・ショートについては、中央値では斎藤氏(10月12日より投稿)が優勢、合計では投稿数が多い稲村氏(10月11日より投稿)がリードという結果でした。YouTubeライブについては、斎藤氏は10月24日からライブ配信を19回行い、視聴数の中央値は28,000回でした。一方、稲村氏は最終日にのみライブ配信を2回行いましたが、11月16日23時からのライブ配信では、リアルタイム視聴数は1,000人に届いていませんでした。

    また、Instagram Reelsにおいても、両氏の間で大きな差が見られました。

    TikTokについては、稲村氏(@inamura_info)が10月31日に1本、11月6日に8本の動画を投稿しましたが、期待したほどの反応が得られなかったためか、それ以降は更新がありませんでした。

    斎藤氏は動画においても稲村氏を圧倒していましたが、今回の選挙において、YouTube上でより大きな影響を及ぼしたと考えられるのは、斎藤氏を支持・支援するネットワークでした。特に、同じく立候補していた立花孝志氏は、自身のフォロワー数63万人を誇るYouTubeチャンネルで100本以上の動画を投稿し、これらは合計で1,500万回近く再生されました。また、立花氏公認の切り抜きチャンネルに加え、須田慎一郎氏や髙橋洋一氏による動画なども注目を集めました。さらに興味深い点として、ゲーム配信やガーデニングなどを主に扱っていたチャンネルが、突如として斎藤氏関連の動画を投稿し始めるケースもいくつか確認できました。
    下のグラフは、各チャンネルから、兵庫県知事選挙に関連するビデオのみを抽出し、それらの視聴数を合計したものを示しています(全てを網羅したものではありません)。

    その他にも、選挙に対する関心を高める結果につながったと思われる影響力の大きいチャンネルとして、ReHacQ、中田敦彦のYouTube大学、へライザー総統のチャンネルなどが挙げられ、これらの関連動画の視聴数は、それぞれ100万回を超えていました。
    11月21日追記:大きなところでは「立花孝志ふたり放送局」が抜けておりました。同条件での視聴数は1,000万回程度であったと推測されます。
    12月5日追記:「ふくまろネットニュースチャンネル」についても、500万回を下回らない数値であったと推察されます。
    12月9,10日追記:ReHacQについては、11月1日の【ReHacQ討論会】兵庫県知事選挙【候補者7人vs高橋弘樹】を指しています。これについては、討論会という性質上、「選挙関連動画」であり、当研究所では従来「応援動画」、「斎藤元彦氏単体の関連動画」に分類されるものとはしておりません。

    東京都知事選挙では、石丸氏を専門に扱う切り抜きチャンネルが多数確認された一方で、今回の兵庫県知事選挙では、斎藤氏に特化し、10万回以上の視聴数を記録したチャンネルは1つしか確認できませんでした。
    また、東京都知事選挙では、期間中の視聴数が3,000万回を超える石丸氏の応援・切り抜きチャンネルが2つ存在しましたが、今回の選挙では、そこまでの視聴数を記録したチャンネルは見当たりませんでした。
    候補者本人の視聴数を大きく上回る視聴数をもつチャンネルがたくさんあったという点では、両知事選に共通点が見られますが、兵庫県知事選挙では、著名人による援護射撃が多かった点で違いが見られました。

    アメリカの大統領選挙では、選挙関連動画の主要視聴プラットフォームがYouTubeからInstagram (Reels)に移行し、2分以内の短尺動画が主流となり、5分以上の動画は全体の1/5以下にとどまるというトレンドが見られました。一方、日本では引き続きYouTubeが選挙関連動画の主要なプラットフォームとなっています。さらに、上記の動画から視聴数が50万回を超える30本について長さ(尺)を調査したところ、最短で4分44秒、中央値は15分であり、アメリカとは異なる傾向が見られました。この結果から、日本人はテレビ番組のような長尺のコンテンツを求めているが、テレビがそのニーズに応えられていないと考察しています。


    ④東京都知事選挙との比較

    最後に、斎藤氏のXおよびInstagram (Reels)におけるスコアを、東京都知事選挙の小池、石丸、蓮舫氏と比較しました。斎藤氏(の中央値)は、リポスト数では石丸氏の約2倍、いいね数では約3倍であり、ユーザーによる斎藤氏の投稿に対するアクションが非常に多かったことが見て取れます。表示回数については、石丸氏がわずかに斎藤氏をリードしていますが、これも選挙区人口を考慮すれば、今回の選挙における斎藤氏に対する有権者、ネット上の関心が非常に高かったといえる結果だと思います。Reels再生数についても、4人の中では斎藤氏がトップでした。


    2024年のアメリカ大統領選挙では、メディアがハリス氏を支持する一方で、トランプ氏に対するネガティブな報道が相次ぎました。このような、特定の候補者を支持するかのような一方的な報道が影響し、「既存メディアは偏向している」と考える人が増加したという調査結果も報告されており、その結果、多くのアメリカ国民がメディアの信頼性に疑問を抱くようになったといわれています。

    こうした状況の中、イーロン・マスク氏は、Xなどのソーシャルメディアが偏向を是正し、真実を伝える場として重要な役割を果たしていると主張しました。しかし、専門家による調査では、偽情報の拡散においてもXが中心的な役割を担っていると指摘されています。さらに、トランプ氏の再選後、ヨーロッパの複数のリベラル系日刊紙が、Xが有害で偽情報のプラットフォームだとして、決別を宣言する事態となっています。

    一方、日本でも、先の衆院選において「裏金マーク」がネット上で炎上したように、マスコミに対する疑念の声が高まっていました。そうした中、斎藤氏を支援する目的で出馬した立花孝志氏は、自身の強力な発信力を活かし、「デマを流すマスメディアvs真実を伝えるネット」という対立構図に持ち込むことで、大きなうねりを作り出しました。

    以上、斎藤氏と稲村氏に限定した調査にはなりましたが、今回の兵庫県知事選挙は、
    ・東京都知事選、衆院選を経て日本におけるネット選挙は新たなフェーズに突入した
    ・動画、特に、縦のショート動画、ライブ配信の重要性がますます高まっている
    ・トランプ現象はどこの国でも起こりうる
    と強く感じさせる選挙でした。

    今回の兵庫県知事選挙は、テレビや新聞といった既存メディアが、YouTubeやXをはじめとするSNSに選挙報道の主役の座を譲った転換点といえるでしょう。来年予定されている東京都議選や参院選では、SNSにおける選挙情報がさらに増加し、ネット選挙の影響力が一層拡大すると予想されます。

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