シリアのアサド政権が崩壊 約14年にわたる内戦が急展開した経緯・裏側は…【#みんなのギモン】
■政権崩壊前の主な勢力図 アサド政権をロシアとイランが支援
富田解説委員 「色んなことが絡み合って複雑化しているのですが、では、どこまで複雑化していたのでしょうか。政権崩壊前の主な勢力図を見てみます。崩壊前に首都を中心に広い範囲を支配していたのがアサド政権です。そして東部にクルド人の武装勢力があり、内戦の混乱に乗じて支配地域を広げました。北部にはイスラム武装組織のHTSなど反政府勢力がいました。今回のアサド政権打倒を主導したのはこのHTSです」 「そして、それぞれに後ろ盾がいますが、アサド政権はロシアとイランが支援していました。ロシアにとって地中海に面するシリアは、中東やアフリカに勢力を伸ばす重要な足がかりなので、アサド政権を応援してきた経緯があります。次に東部のクルド人武装勢力はアメリカの支援を受けています」 瀧口麻衣キャスター 「何のためにアメリカはクルド人武装勢力を支援していたのでしょうか?」 富田解説委員 「アメリカはアサド政権とは対立しているので、これに対抗する勢力として育てていました。この勢力はアメリカが根絶を目指していた『イスラム国』の掃討作戦で大きな役割を果たしたこともあります」 「そしてHTSやその他の武装勢力がまざっている反政府勢力は、主にトルコが支援していました。トルコはクルド人勢力と敵対しているので、これをけん制する思惑があったんです」 「反政府勢力は、これまでアサド政権軍に対して劣勢だったんですが、11月末から突然、進撃を始めて、ついにアサド政権を崩壊に追い込みました」 森キャスター 「シリアで10年以上内戦が続いた後、なぜ一気に状況が進んだのでしょうか?」
■なぜいま政権崩壊? 識者「アサド政権を支える力が弱まったから」
富田解説委員 「中東情勢に詳しい、慶応大学の田中浩一郎教授は『アサド政権を支える力が弱まったから』だと話しています。まずロシアはウクライナとの戦いにかかりきりで、このところシリアへの支援が弱まっていました。そしてイランはシリアの隣、レバノンに拠点を置く組織『ヒズボラ』を使って軍事支援していました。ところがヒズボラは最近、イスラエルとの戦いで壊滅的なダメージを負ったので、反政府勢力が今がチャンスとばかりに攻勢を強めて、一気に倒したということなんです」 斎藤キャスター 「これでシリアに民主的な政府ができる可能性があるのでしょうか」