今月12日、急性呼吸不全のため、82歳で死去した司会者でタレント、大橋巨泉さん。「なるほど!ザ・ワールド」などを手がけた放送作家、奥山●(=にんべんに光)伸氏(77)が先人の死を悼んだ。
巨泉さんがジャズ評論家のころから、交流があった奥山氏。「芸能界であいさつ代わりのバカヤローが似合うのは巨泉さんと松山千春だけ。口ぐせのように『俺は、個人主義なんだよ』って言っていました。わがままな人でしたけど、離れるとこれほど面白い人はいなかった」
仕事への厳しさを見たのは「世界まるごとHOWマッチ」でのこと。「スタート直前になっても内容がまとまらず、怒ってハワイに帰っちゃった。TBSとMBS(毎日放送)と電通の偉い人のクビが飛ぶ寸前。みんなでハワイに説得に行ったんです」
しかし、その怒りには理由があった。「4月スタートなのに、VTR素材が冬の景色ばかり。何だよ、これはと怒ったんです。いい番組を作るためにはちょっとしたことも手を抜かない。この番組は自分をどれだけ欲しているのかということなんです」
怖い先輩だったが、愛着も深かった。「悪口も言えた人。巨泉さんが事業に手を広げて、カナダにいるとき、キンキン(愛川欽也)と『パックインミュージック』で悪口を言ったの。カナダだからどうせ聞いていないと。翌週の『11PM』のスタジオで会うと、『お前、バカヤロー。悪口言ってただろう』って怒られてね。でも怒りきれない、そんな人でした」と苦笑い。
先人を失った喪失感は大きい。「いるといないとでは全然違う。悪口を言ってもむなしいだけだもの」