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The Pit

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ハズブロ社の 「G.I. ジョー」 に関するランダムな記事のブログです。

RoC/ジェームズ・マッカラン9世

 RoC のラインから、2009年のサンディエゴ・コミコン限定デストロ2パックをレビューします。
 まずはご先祖のジェームズ・マッカラン9世から。
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 サンディエゴ・コミコン限定とはいっても、実際には普通に市場に出回っていたようです。 日本でもタカラトミーからごく短期間販売されていました。

 ボックス・アートはマッカラン氏族の紋章。 右下に、スプリングフィールド (架空の都市) にあるコブラ・プロパガンダ・オフィスの承認スタンプがあります。 左下にはサンディエゴ・コミコンのシール。
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 ボックスの中には、中世の書物を模した豪華なパッケージが入っています。
RoC/ジェームズ・マッカラン9世_d0164702_0351282.jpg

 その裏側には、G.I. ジョー・チームが押収した証拠品であるという表示。
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 最初の見開きには、中世の兵器から20世紀の手榴弾までが描かれたイラストを背景に、マッカラン氏族の祖であるジェームズ・マッカラン1世から13世までの略歴が記されています。
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 裏側の見開きでは、14世から現在の当主である24世までの略歴と、その背景のイラストにはナノマイト・カプセル、ロック (2005年)、コブラ・ガンシップ (2009年)、シグマ6の2.5インチ・シリーズのドラゴンホーク、ヴァンプ、デューン・ランナーなど21世紀の兵器が描かれています。
 コブラ側よりも G.I. ジョー側のビークルのほうが多いところなど、M.A.R.S. インダストリーズ社のしたたかさを物語っています。
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 中央の見開きには2体のフィギュアが入っていたのですが、その写真は撮り忘れてしまいました。
 フィギュアを取り出したあとは、台紙の向きを裏にして収納するとこのようになります。
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 1世から24世までの略歴は、以下のように記されていました。


ジェームズ・マッカラン1世
 1413~1465年。 当主在位1438~1464年。
 当時のスコットランド王ジェームズ1世にちなんで命名された。 大弓の原材料としてイチイの木をイングランド軍に供給した。



ジェームズ・マッカラン2世
 1435~1478年。 当主在位1464~1478年。
 ヴラド・ツェペシュ (※ドラキュラ伯爵のモデル) 亡きあと、彼が所有していた城を手に入れた。 鉄砲に火縄式と銃床 (ストック) を採用した。



ジェームズ・マッカラン3世
 1466~1537年。 当主在位1478~1521年。
 ダ・ヴィンチか考案した装甲戦車をイタリアの戦場に導入した。



ジェームズ・マッカラン4世
 1492~1554年。 当主在位1521~1540年。
 「半マイル先の敵の指揮官を抹殺可能」との売り文句で、遠距離用の鉄砲を導入した。



ジェームズ・マッカラン5世
 1516~1546年。 当主在位1540~1546年。
 ウィーンでは海上からの攻撃に対する防御力を高めたが、その後、これを狙うオスマン帝国に20台のブロンズ製の大砲を販売した。



ジェームズ・マッカラン6世
 1545~1594年。 当主在位1546~1582年。
 イタリアとスペインに重火器を搭載したガレオン船を販売し、オールで漕ぐ船の時代の終焉をもたらした。



ジェームズ・マッカラン7世
 1568~1631年。 当主在位1582~1610年。
 ヨーロッパにフリントロック式の銃が導入される前に、火薬の生産と販売を独占した。 スペインの無敵艦隊を止めるために船と火薬を供給した。



ジェームズ・マッカラン8世
 1589~1633年。 当主在位1610~1633年。
 カリブ海で海賊を動かしてあらゆる国籍の船を襲い、奪った貨物を表の市場に転売した。



ジェームズ・マッカラン9世
 1613~1703年。 当主在位1633~1641年。
 30年戦争に際して双方の陣営に武器を供給。 スペインに兵器を販売したことでフランス王の怒りを買い、鉄の仮面の刑に処された。 軍用の潜水艦を設計して、英仏海峡で実験した。

※彼がフランス王から鉄の仮面の刑に処されたことが、現代でナノマイトの標的にパリが選ばれたことにつながっているのですが、マーベル版コミックでは仮面の刑を命じたのはイギリスのクロムウェルです。


ジェームズ・マッカラン10世
 1633~1705年。 当主在位1641~1705年。
 英蘭戦争において、イギリスとオランダの双方に向けて戦艦を建造。 1705年に暗殺された。



ジェームズ・マッカラン11世
 1660~1717年。 当主在位1705~1717年。
 兵力と武器を得たジャコバイト派が台頭したとき、ジェームズ7世の護衛として、
アイアン・グレナディアーズを創設した。


ジェームズ・マッカラン12世
 1681~1705年。 当主在位1717~1718年。
 四ヶ国同盟戦争で、全ての陣営に対し兵器と兵力を供給した。 パッサロ岬の海戦で戦死した。



ジェームズ・マッカラン13世
 1704~1728年。 当主在位1718~1728年。
 ジブラルタル海峡を封鎖しようとするスペインに船を供給する一方で、イギリス側にも兵器と物資を供給した。



ジェームズ・マッカラン14世
 1725~1806年。 当主在位1728~1778年。
 銃の殺傷能力を高めるために榴散弾を導入した。 アメリカにおける植民地の反乱と革命を予測し、議会に手を回して植民地政策に介入した。



ジェームズ・マッカラン15世
 1750~1801年。 当主在位1778~1801年。
 アメリカ独立戦争において、両陣営に同じ設計のライフルを販売し、イギリスから出港する船で独立軍に対しても輸送した。



ジェームズ・マッカラン16世
 1769~1813年。 当主在位1801~1813年。
 遠征中のナポレオンと、兵器の設計、改良、契約などを電報でやり取りした。



ジェームズ・マッカラン17世
 1789~1855年。 当主在位1813~1841年及び1846~1855年。
 2度当主となった唯一の人物。 病気により1841年に一度は引退したものの、ジェームズ18世が事故死したために1846年に返り咲いた。

※IDW 版コミックでは、この時代の先祖に該当するのはシーマス・マッカラン・デストロ18世で、ワーテルローの戦い (1815年) に参戦しています。


ジェームズ・マッカラン18世
 1809~1846年。 当主在位1841~1846年。
 アメリカ西部の軍事指導者に兵器を販売する際に、パロ・アルト付近で飛行機事故により死亡した。

※ライト兄弟より50年も前に飛行機を飛ばしていたということですね。


ジェームズ・マッカラン19世
 1840~1893年。 当主在位1855~1890年。
 新型ロケットを実験するために、南北戦争でこれを両陣営に販売した。 近代戦にガトリング銃を導入し、多数受注して特価にて販売した。

※映画と同時期に展開していたプリクウェル(前日譚)・コミックのデストロのストーリーでは、アンガス・マッカラン・デストロ20世が南北戦争で武器を販売していました。


ジェームズ・マッカラン20世
 1869~1914年。 当主在位1890~1914年。
 ニコラ・テスラに融資し、彼の開発した殺人光線をロシア郊外のツングースカで実験した。 1913年、私的利用のために、テスラの設計による装置を軌道上に配備した。



ジェームズ・マッカラン21世
 1893~1962年。 当主在位1914~1938年。
 1915年に重装甲戦車を、1917年には対戦車ライフルを導入した。 戦闘爆撃機と兵員輸送船を製造してテストした。



ジェームズ・マッカラン22世
 1918~1988年。 当主在位1938~1967年。
 V2 ロケットの設計では、英仏海峡の飛行が失敗するように仕組んだ。 ICBM とミサイル防衛システムを設計して、敵対する国家の双方に販売した。



ジェームズ・マッカラン23世
 1947~1993年。 当主在位1967~1993年。
 発展途上国への転売目的で、大量の軍事装備を買い求めた。 シエラ・ゴルドのコネクションを利用して、ジャングルの環境で最新装備をテストした。
※シエラ・ゴルド……マーベル版コミック 『G.I. ジョー:ARAH !』 に登場した南米にあるとされる架空の国家。


ジェームズ・マッカラン24世
 1973年~現在。 当主在位1993年~現在。
 実験部隊用として、携行武器、最新ボディー・アーマー、コンディション維持装置を設計して実用化した。 高度なナノマイト・テクノロジーを開発した。




 パッケージに記載されているのはここまでですが、DDP 版コミックでは、24世の後に、庶子としてアレクサンダー・マッカランが登場し、父に代わってその事業を引き継いだ後、第三次世界大戦で戦死しています。
 また、バロネスとの間にユージーン・マッカラン (この名はバロネスの兄からとられているのでしょう) という子供が誕生しているようですが、これについては joefig は詳細を知りません。

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レビュー


 今回のフィギュアには I.D. カードは付かず、代わりに台紙の裏面に説明があったので意訳してみました。

ジェームズ・マッカラン9世
 1641年、ジェームズ・マッカラン9世はルイ13世の敵にも兵器を販売したかどでフランス軍に捕らわれて罰せられた。
 誇り高く尊大なマッカランは、自分を逮捕した者たちの政治的偽善と狭い了見とを軽蔑していた。 彼はその顔に灼熱の鉄仮面を被らされるという刑に処された。 しかしこの仮面は不名誉な記憶ではなく、むしろマッカラン一族が行使してきた力を象徴する家宝となった。



 それではフィギュアの紹介です。
 25thのデストロv16 (アイアン・グレナディアーズVer.) (2008年) の素体を基にしているため、中世の人物としてはかなり大柄ですが、新規造型が施された部分の出来は良く、塗装も素晴らしいです。
 ただし頭部は、造型・塗装ともいまひとつでした。
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 ヘッド。
 残念な出来です。 組み換えて別のフィギュアに流用しようとも考えましたが、どれに載せてもしっくりきませんでした。
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 映画ではデイヴィッド・マレイという俳優さんが演じていました。
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 甲冑を外した状態。ただし基本的に脱着は想定されていません。
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 マッカラン氏族の紋章の描かれたバナー、ディスプレイ・スタンドなどが付属。
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 旧式の短銃、剣も付属。
 塗装が丁寧な短銃はフリントロック式のものです。
 フリントロック式は1620年頃にフランス人のマーリン・レ・ブールジョワによって開発されたもので、おそらくデストロ氏族もその生産を行ったのでしょう。
 剣はスコットランド特有のクレイモアと呼ばれるタイプのもので、その籠状の鍔から、バスケット・ヒルトとも呼ばれているようです。
 ちなみにクレイモアはスコットランド・ゲール語のクラゼヴォ・モル (「大きな剣」の意) からきた言葉だとか。
 米軍にはM18A1クレイモアという対人地雷があり、G.I. ジョー・チームにはクレイモア (1986年) というキャラクターが、コブラにはルテナント・クレイ・ムーア (2007年) というキャラクターがいました。
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 そして鉄仮面。 明らかにサイズが大き過ぎですね。 全体的に、ディテールはなかなかの出来なんですがバランスが悪い点という点で惜しいフィギュアです。
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 次回は子孫のほうを紹介します。
by joefig | 2010-05-30 00:44 | フィギュア